こんにちは。
ブログ仲間からの情報を多くの皆さまに共有致します。
益々、勇気と希望が湧きますよね!
以下、3月5日のMedエッジの記事です。
※今回は肺の扁平上皮がんへの効果ですが、
日本人の大半が罹患する肺腺がんも治験中ですが、
よい成績を収め、実用化となること必至です!^^
抗がん剤「ニボルマブ」(免疫チェックポイント阻害剤)の、
扁平上皮非小細胞性肺がんに対する治療効果の検証が行われ、過去にいろいろな治療が効かなかった人のがんも縮小する効果があるという結果が得られた。
欧米の研究者による国際的研究グループが、
腫瘍医学分野の有力誌ランセット・オンコロジー誌で、
2015年2月19日に報告した。
リンパ球がダメにされる前に先手を打つ薬
肺がんには、大きく分けて2種類ある。がん細胞が散り散りにできて転移しやすい「小細胞肺がん」と、塊を作りやすい「非小細胞肺がん」だ。
肺の扁平上皮という部分にできる非小細胞肺がんには、抗がん剤や放射線などの複数の治療が効かず、予後の悪いものがある。今回研究グループは、この悪性度の高い、難治性扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の進行ステージの人で、「ニボルマブ」という抗がん剤がどれだけ有効であるかを検証した。
がん細胞は、がんを殺すために近づいてきた免疫細胞(Tリンパ球)の表面にある「PD-1」をつかむ。PD-1をつかまれたTリンパ球は、がん細胞を殺す力を失う。ニボルマブは、がん細胞にPD-1をつかませないように、PD-1を覆い、免疫力を保つ薬だ。日本の小野薬品工業が薬の発見から関係していると知られている(がんを「フル攻撃」させる薬剤、悪性リンパ腫で効果、有力医学誌で報告
を参照)。
検証は、米国、フランス、イタリア、ドイツの大学病院やがんセンターなどの医療施設27カ所で行われた。これまでに2種類以上の方法で治療を受けたことのある難治性非小細胞肺がんの人を対象とした。
対象者は、2週間おきにニボルマブによる治療を受け、がんの進行や強い副作用が見られた場合には中止した。1回の治療でニボルマブを点滴される量は、体重1kgあたり3mgとした。薬の効果は、中央独立審査委員会で評価した。
他の治療が効かなかった人のがんが縮小
2012年11月から2013年7月に、117人がこの治療を受けた。このうちの30人(26%)は、半年ほど病状が進行せず安定していた。17人(14.5%)は、3カ月ほどの治療でがんが縮小した。17人のうち13人は、治療を続ければ、がんがさらに小さくなりそうだった。
一方、強い副作用は20人(17%)で見られた。多かったのは、倦怠(けんたい)感が5人、肺炎が4人、下痢が3人だった。また、2人が亡くなったが、この人たちはがんの他に病気を持っており、死因はそれぞれ肺炎と脳の血流が滞る病気である脳梗塞だった。
今回、これまでに治療を受けて効かなかった難治性非小細胞肺がんの進行ステージの人に、ニボルマブは、がんの縮小効果をもたらすと判明した。また、副作用も少なく、安全性が高いと確認できた。
この結果を受け、ニボルマブの、非小細胞肺がんの抗がん剤としての実用化に向け、次の検証ステップに進みたいと研究グループは述べている。