世界中の生産地をまわり、品質の高いコーヒーを
消費国に紹介するコーヒーハンター。
生産国と消費国の両方の利益を考え、持続可能な
コーヒーの意義を広めるという意味において、中世
のプラントハンターとは違うと言い切る『コーヒーハ
ンター』(川島良彰著/平凡社)を読みました。
これまでジャマイカのブルーマウンテンや、ハワイの
コナ・コーヒー、さらにはスマトラ島のマンダリン・コー
ヒーの生産地で農園開発に携わり、それぞれの成功
でコーヒー業界でも有名な彼の、人生を綴ったノンフィ
クション本です。面白かったです。
高校卒業後、コーヒー焙煎卸業という家業をゆくゆく
は継ごうと、コーヒー研究のため単身で内戦前のエ
ルサルバトルへ。その後、内戦激化でアメリカに渡り、
就職してハワイへ。そしてインドネシアへと住処を変
える中で、結婚して子供をもうけます。その子供とも
なかなか会えないほど世界中を飛び回る日々。
そんな中で、ずっと引っかかっていた「ブルボン」コーヒー。
この本のメインテーマは、幻とまで言われ、すでに消
え去っていたブルボンコーヒーを追いかけ、復活させ
ることからなっています。
今はレユニオン島と名前を変えたブルボン島で生産さ
れていたコーヒー。中でも、先の尖った「ポワントゥ」と
種類は、品質からいって極上のコーヒーだと。インド洋
に浮かぶ小さな島で、かつてコーヒーが栽培されてい
たことすら知らない島民を巻き込み、宗主国フランスか
らの援助もとりつけて動き出した復活プロジェクト。
昨年、ついに商品化されたブルボン・ポワントゥは、
最高値のブルーマウンテン(100㌘2500円)よりも
遙かに高い100㌘7500円で売り出されました。
コーヒー愛飲家も納得させたその味は、こんなに高額
にもかかわらず、売り切れ。来年の収穫まで待たなけ
ればならない状態だと言います。
失われたモノを、手探りで復活させ、それを成功させる。
主立った産業のないところで、一つのブランドを造り、
それを維持し育てて行く中で定着させていくという、
なんというか、「援助」という言葉を使うなら、これが理
想だろうな、と思わせる一冊でした。
SHoGo PaPeR
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