モマの火星探検記。
これが今年の始まりだった。
まさか、こんな一年になるとは思わず。
今年は鈴木勝吾、新章の始まりだったから、
その始まりが以前にも挑ませてもらった、モマの火星探検記。
僕の恩師であり尊敬する演出家の1人である毛利宣宏さんと幾年か前に死闘の末に作り上げた役でもあった。
けれど、今回はそれに満足することなく。毛利さんから新しい挑戦状を沢山もらい。またゼロから組み立て直した。ちょうどそれはアンドロイドでありロボである、この役に素晴らしくマッチする言葉だ。そう文字通り組み直したパーツから。
コアの部分ですら、調整が必要だった。そんな感じだ。
そして、再再演という高いハードル。
それでも、なんだろうかやはり演出家というものを信頼できるというのがすごく嬉しかった。すべからくモノ創りをする中でその先頭に立って進んでいくのは演出家だ。どんな立ち方はそれぞれでもそこに信頼がおけるかどうかが全てだと思う。
もちろんその言葉は俳優である自分にも跳ね返ってくるのだけど。
毛利さんは心豊か。
寛大に見えて物凄く現実的に物事を見ることができる人。だからこそ、ここぞという想いや、繋がりをとても大事にする。誤解を恐れずにいうなら、見た目の柔和さからは想像できないほど、男らしい人だ。
そんな、人間味溢れる方と作り上げた。人ではない役。
そこには何があるのだろう。
モマの火星探検記。テレスコープ、本当に大切な作品、役である。