smiling days-56~旅④:出 | 鈴木勝吾オフィシャルブログ「Smiling days★」Powered by Ameba

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食事を食べ終わると、窓辺に座り僕らは暗くなった海を眺めた。





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月が綺麗だった。




夜の海に輝く月明かりがとても綺麗だった。



しばらくその景色を眺めた後、フロントへ電話をアロママッサージの予約し、その時間まで温泉に浸かることにした。





温泉は温泉でも、貸切風呂である。実を言えばチェックインの時に先に予約しておいたのだ。


男2人で貸し切り風呂(笑)




思い返してもなんとも不思議な響きだ。


しかしながら、この貸し切り露天風呂、これまた予想をはるかに超えて良かった。







特別広いというわけではないのだが。
湯につかると視界には夜の海が広がり、その海には先程より高く昇った月の光が反射していた。その月をちょうど隠すか隠さないかくらいで揺らぐヤシの木。










ヤシの木、グッジョブ。









2人で、ヤシの木のいい働きに笑った。




一時間くらい湯に浸かり、間には少し真面目な話をした。
が、やはりなんといってもその景色の良さに話は戻ってきた。

そんな心地よい堂々巡りを何回か繰り返して、僕たちは風呂から上がった。







すると






「ショーゴさん、バスタオル持ってきてます?」


「…」



「…」



「…いや。」




「えーどうすんすかぁ。」



「ねぇどうしようね。」




2人とも貸し切り露天風呂というのに興奮して、すっかりバスタオルをもってくるのを忘れてしまったのだ。


「手ぶらでいいっしょ」


「手ぶらでいくっしょ」


「うん、いいんじゃないすか。」


「じゃぁいっちゃいますか!」




そんな乗りの会話をしていた気がする。


そして結局、後悔することになるのだが。





「あっ!卓也!あったあった、大丈夫、これ使えばいいんだよ」






「え、なんすかなんすか?」






「これこれ」







「いやいや」



「いやいやいけるっしょ、もうタオルないんだから、このリーサルウェポン使おう、使っちゃおう。」






「えー、いやいやもぅ何すかそれ」


「リーサルウェポンってのは最終兵器ってことだよ。バスタオルないんだからさ」



「いや、そーゆーことじゃねーし!英語の意味はわかるわ!」



「あ、、、」




こんな彼のツッコミが僕はとても好きである。




ま、何はともあれそんな彼の可愛い文句は気にせず、僕は、リーサルウェポンのスイッチを入れた。
それは温かい風を吹き出した。







そう。ドライヤーだ。






今読んでいる方々は、何やってんだこいつ、そう思ったでしょう。
しかし、タオルがないんですから仕方がない。





最後の手段ですよ。



まさに最終兵器。




まだ言うかって、




すいません。読者の皆様。




そう言えば、卓也とも同じく様な問答をしていた気がする。






卓也はウダウダ良いながらもリーサルウェポンを使っていた。





脱衣所から出ると、まだアロママッサージの時間までまだしばらくあったので、きた方とは違う方向に歩いてみた。単なる好奇心で。


そこにあったのは、
「温泉に行ったら是非浴衣姿でやりたいスポーツNo.1。」



卓球。






今温泉でいい汗かいてさっぱりさしたのに、やってしまった。




2人とも汗を流しながら結構本気で。


夢中で、球を打ち合っているうちにあっという間に時間がたっていた。ちょっとだけやって部屋に戻るつもりが、すっかり時間を忘れて楽しんでいた。


結果、部屋に戻るとアロママッサージをするべく部屋に足を運んでくれた方を二名、待たせてしまっていた。





温泉卓球の興奮冷めやまぬ僕らは部屋の鍵を、あけて中に入りマッサージをうけた。



マッサージをうけつつ、先程の温泉のことや卓球での熱戦について話していたが、開始五分程で、卓也から返事が返ってこなくなった。



彼は眠ってしまったらしい。





僕は卓也が寝てしまったので目をつむり今日一日のことを思い返してみた。
飲んで、泳いで、また泳いで語ってまた飲んで、海を眺め、温泉に浸かりまた語り卓球を目一杯楽しんで汗だくになり、そして今マッサージを受けている。



そりゃマッサージ開始五分で寝てしまう訳だ。



妙に納得してしまった。



きっと、唐突に始まったこの旅行に僕自身とても満足していたからなのだろう。




考えてみればここ最近は色々な変化があって色々な刺激があって色々な挑戦をしてきた。
頭の中はずっとグルグルとフル回転だった。それに着いていくのが必死で、息を切らし。ただ前だけを見てもがきながら走っていた。走り続けるしかなかった。
そのグルグルが一段落すると束の間の休憩が与えられ逆に何をしていいのか分からず、冒頭に書いたように、追いかける必要もない夏という季節に焦り、いつのまにか義務感に追われていた。
小休憩になり周りを見渡したとき、そこには何もなかったから。


そんな夏の迷路の中にいる時に、この旅行は唐突に決まったのだ。


こんな風に何も考えず、気の許せる仲間といれるというのは幸せ以外の何物でもない。



この旅行が終わった時にはきっと、昇る朝日のようにとても晴れ晴れしく、清々しい、開放感に満ち溢れた、そんな気持ちになれそうだ。





つづく










クローバーShogo Suzukiクローバー