昨日書いた記事の検証を行うため、引き続き四間飛車とゴキゲン中飛車を指し続けている。

検証を進める中で、少し分かってきた(というよりかは、そうだろうと思っていたけど、より確信的になった)ことがあるので、今回はそのことについて書く。

自分の実戦からで、ゴキゲン中飛車に対し、相手が角道不突で急戦を仕掛けてきた将棋。

上図は苦しい局面から苦し紛れで56歩と突いた局面だが、△46銀で継続がなく、2筋の突破が時間の問題ではっきり苦しい局面。あるいは、同銀同飛57歩で手番を握り、以下51飛22飛成という展開もある。

この局面は正直勝ち目がないと思っていたところ、ここで相手は△66銀と逃げた。

そのため、同角同歩57歩成ではっきり勝勢となり、以下短手数で勝利となった。

ゴキゲン中飛車を指していると、このように相手が勝手に自爆して、自分がいい手を指した訳でもないのに勝ちになることがそれなりにある。

きっとこれこそが、この戦法をアマ底辺が指す最大のメリットであり、ゴキゲン中飛車が勝ちやすいと言われる理由なのだろう。

しかし、本当にそれでいいのだろうか?相手が弱いから、期待値的にプラスになるからという理由で無理な動きを繰り返し、弱い相手にだけ通用する指し方で勝ち星を拾い続けるというのは、実にくだらないようにも見える。将棋倶楽部24の上級タブ以下にはそのような考え方の人間が腐るほどいるようだが、自分には受け入れ難い。

そもそも「相手のミス期待」という方針では単なる運ゲーであり、ジャンケンをしているのと変わらない。所詮将棋というゲームは、才能に恵まれない我々底辺アマチュアにとっては運ゲーであるという事実を受け入れるしかないのだろうか。

 

上図は自分の四間飛車に対し、相手が44銀型の穴熊に組みに行った将棋。

44銀型を咎めるために素早く動き、45歩55銀から銀得が確定した将棋である。

このような展開になる時点で自分と相手の将棋に賭ける熱意の差(=勉強量の差。穴熊に対して少しでも上手く戦うため、▲66銀(△44銀)型穴熊の咎め方を研究済。一方で相手は、▲66銀(△44銀)型穴熊が欲張りすぎな順であるということを、全く理解していない。あるいは理解していても、「相手が無策で通れば4枚穴熊で必勝」というギャンブル目的でこの指し方をしている)が大きすぎる。

そういう観点からすれば、将棋が本当にバランスのとれたゲームなら、この時点で自分が1億局中1億局勝ち切れるような状態になっていなければおかしいのである。ところがこの局面、優勢ではあるものの、実際に勝ち切るのは意外と難しい。この対局は以下55飛同角同角から右桂と角で端攻めをする展開になり結果的には勝ち切れたが、端攻めの手順で悩み、それなりに疲れる将棋となった。なお、上記局面において55飛よりも25桂が勝ることについては対局中気づかずに、後でソフト検証して分かったときには呆れた。

 

1例目のゴキゲン中飛車と2例目の四間飛車を比較すると、将棋が全くバランスの取れていないゲームであることが分かる。本当にバランスの取れているゲームであれば、1例目の対局では自分が負けているべきだし、2例目ではもっと簡単に勝てているべきである。更に言うならば2例目は、上記局面で相手玉が詰んでいるぐらいでないとおかしい。

 

脳に障害があるのではないかと思うぐらい将棋が弱く、才能に恵まれなかった自分が何をやっても強くなれず、藁にも縋る思いでゴキゲン中飛車という戦法をはじめてみたが、ゴキゲン中飛車が優秀と言われる訳がこんなくだらない要因によるものなのは非常に残念である。

しかし、この事実を受け入れるより他なく、結局どんな勝ち方であろうと、勝てばよかろうなのだ思想を身につけなければいけないということなのだろう。