未だ根強い人気を誇るのも確かなようだ。
今回は、対△6五歩早仕掛け△4一金型について考えたい。
▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △8四歩 ▲6八飛 △6二銀
▲3八銀 △5四歩 ▲1六歩 △1四歩 ▲7八銀 △4二玉
▲6七銀 △3二玉 ▲5八金左 △5二金右 ▲4八玉 △7四歩
▲3九玉 △4二銀 ▲2八玉 △8五歩 ▲7七角 △5三銀左
▲5六歩(下図)
![将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~](https://stat.ameba.jp/user_images/20110831/18/shogi-strategy/5c/91/p/o0283026311453922234.png?caw=800)
この形が急戦に対する先手四間飛車の基本的な構えである。
基本的には、この構えを作りさえすれば先手が十分戦えるはずだ。
上図以下
△6四歩 ▲4六歩 △6五歩 ▲3六歩 △7三桂 ▲4七金(下図)
![将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~](https://stat.ameba.jp/user_images/20110831/18/shogi-strategy/45/c4/p/o0283026311453950183.png?caw=800)
後手が△6五歩早仕掛けを目指せば、上図へと進行する。
ここで△4二金上と指す手もあるが、
▲3七桂と交換になるので、損とする見方が多い。
(ただし、二枚銀への進展はありえる)
本記事では△4一金型での仕掛けを模索していきたい。
上図以下
△8六歩 ▲同 歩 △6六歩 ▲同 銀 △6五歩 ▲同 銀(下図:基本図)
![将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~](https://stat.ameba.jp/user_images/20110831/18/shogi-strategy/d2/c1/p/o0283026311453969233.png?caw=800)
後手が仕掛ければ、基本図(上図)までは定跡の進行だ。
△8六歩に▲同 角、あるいは△6五歩に▲5七銀なども考えられるが、
上記の進行が優るため、現在ではほとんど現れない。
基本図からは、
1.△7七角成 ▲同 桂 △2二角 ▲6七飛 △6五桂
2.△7七角成 ▲同 桂 △2二角 ▲6七飛 △8六飛
3.△6五同桂
が考えられる。それぞれ見ていきたい。
1.△7七角成 ▲同 桂 △2二角 ▲6七飛 △6五桂
基本図から
△7七角成 ▲同 桂 △2二角 ▲6七飛 △6五桂 ▲同 桂
△6四銀 ▲5五歩(下図)
![将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~](https://stat.ameba.jp/user_images/20110831/18/shogi-strategy/e3/f2/p/o0283026311454010544.png?caw=800)
△6五歩早仕掛けの中でも、
一番資料が少ないのがこの形である。
しかしながら、
一気に終盤になる変化も多く、研究無くして指せない戦形でもある。
△2二角には▲5五歩と突き捨てる方も多く見かけるが、
ギリギリまで保留するのが現在の定跡である(詳細は2.の変化で)。
上図では、
1-1.△8六飛
1-2.△5五同角
が考えられる。それぞれ見ていきたい。
1-1.△8六飛
△8六飛 ▲5六桂 △5五銀 ▲5三歩 △5一金引 ▲6三歩
△7一銀 ▲7三桂成 △6六歩 ▲6二成桂(下図)
![将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~](https://stat.ameba.jp/user_images/20110831/19/shogi-strategy/4a/2e/p/o0283026311454029012.png?caw=800)
▲5六桂がこの形の急所。
△5五銀では△6四歩もあるが、▲5四歩で先手が良い。
▲5三歩~▲6三歩と、連続で利かしが入るのは気持ち良いが、
△6六歩の局面で応接を間違えると勝てない。
正解は上図の▲6二成桂で、これが妙手。
以下△6七歩成 ▲5一成桂 △同 金 ▲9五角で先手勝勢となる。
▲6二成桂のところで、平凡に▲6二歩成とすると、
最後の▲9五角が無いので先手が大変だ。
1-2.△5五同角
△同 角 ▲5三歩 △6三金 ▲5六桂 △6六歩 ▲6四桂
△同 金 ▲5七飛 △6五金 ▲5二角(下図)
![将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~](https://stat.ameba.jp/user_images/20110831/20/shogi-strategy/3d/24/p/o0283026311454160754.png?caw=800)
△5五同角がこの形の最善で、難解な終盤戦となる。
▲5三歩では▲5六桂もあるが、
△6六歩 ▲6四桂 △6七歩成 ▲5二桂成 △同 金
と進んでみると難解な終盤戦だ。
後手は△5八とが切り札となる。
▲5三歩には△5一金引もあるが
▲6三歩 △同 銀 ▲8五桂で、
難しいながらも、先手が一方的に攻める将棋となる。
上図は先手が食らいついた形。
以下△5三銀には▲4一角成~▲5五飛~▲7一角。
1.△7七角成 ▲同 桂 △2二角 ▲6七飛 △6五桂の変化は、
難解な終盤戦になるものの、
陣形差が大きく、後手が勝ちきるのは難しい。
2.△7七角成 ▲同 桂 △2二角 ▲6七飛 △8六飛
△7七角成 ▲同 桂 △2二角 ▲6七飛 △8六飛 ▲6三歩
△同 銀 ▲9五角(下図)
![将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~](https://stat.ameba.jp/user_images/20110831/20/shogi-strategy/71/b3/p/o0283026311454194338.png?caw=800)
△8六飛は出現頻度が高い手だ。
これに対しては▲6三歩が手筋。
以下△5一銀には、
▲5五歩 △同 角 ▲5六銀 △6六歩 ▲5七飛 △8八飛成
▲5五銀 △同 歩 ▲7五歩 △9九龍 ▲4八金引
が一例で、先手が十分指せる。
本譜△同 銀には▲9五角が絶好。
▲5五歩 △同 角を早めに利かしてしまうと、この手が消滅する。
(桂にヒモが付くので)
上図では、
2-1.△6六歩
2-2.△8八飛成
がある。それぞれ見ていきたい。
2-1.△6六歩
△6六歩 ▲8六角 △6七歩成 ▲6四歩 △7二銀 ▲7一飛
△6二金 ▲7四銀 △5八と ▲6三歩成 △同 銀 ▲7三銀不成
△5二銀 ▲6四桂(下図)
![将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~](https://stat.ameba.jp/user_images/20110831/20/shogi-strategy/c7/21/p/o0283026311454235454.png?caw=800)
△6六歩と打てば一気に終盤戦だ。
▲6四歩から先手先手の攻めが入るものの、
△5八とが利くので油断ならない(▲同 金は△8八飛)。
正解は▲6三歩成から攻め合う順で、
上図まで進行すれば先手優勢だ。
先手玉は△4九ととされても、
銀二枚渡さなければトン死筋が無い。
2-2.△8八飛成
△8八飛成 ▲7三角成 △7八龍 ▲5七飛 △6六歩 ▲5八飛(下図)
![将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~](https://stat.ameba.jp/user_images/20110831/20/shogi-strategy/2e/c3/p/o0283026311454251446.png?caw=800)
△8八飛成は▲7三角成があるので簡単に良くなりそうだが、
△6六歩があるので油断できない。
▲5八飛が慎重な手。
▲6八歩(△同 竜には▲5八金で良し)と打ってしまうと、
△6七歩成~△7七角成で、▲6四歩が消滅しているので難解となる。
上図は▲6四歩がある分、先手が指せそうだ。
3.△6五同桂
基本図から
△同 桂 ▲同 飛 △7七角成 ▲同 桂(下図)
![将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~](https://stat.ameba.jp/user_images/20110831/20/shogi-strategy/e4/99/p/o0283026311454267535.png?caw=800)
△同 桂も良く指される手で、実戦例も多い。
上図までの進行は一本道。
△4二金型なら、後の▲2六桂を見て▲2二角成が定跡だが、
△4一金型では、角交換させて▲同 桂と捌いた方が良い。
上図では、
3-1.△8六飛
3-2.△8七角
がある。それぞれ見ていきたい。
3-1.△8六飛
△8六飛 ▲3五歩 △6四歩 ▲8五飛 △同 飛 ▲同 桂
△8九飛 ▲8一飛 △6六角 ▲6七歩(下図)
![将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~](https://stat.ameba.jp/user_images/20110831/21/shogi-strategy/f6/b1/p/o0283026311454306631.png?caw=800)
▲3五歩が好手。
3.△6五同桂型では常にこの手が狙い筋となる。
△6四歩は最善手で、
△3五同歩は▲3三歩、
△8八飛成は▲3四歩△7七竜▲3三歩成で
それぞれ先手優勢。
後手の狙いは△8九飛~△6六角で、
もし▲3四歩と指そうものなら、
△3九銀 ▲3七玉 △5一銀 ▲9一飛成 △8五飛成
で後手がペースを握る。
しかし、上図▲6七歩が後手の思惑を上回る秘手。
△3九銀には▲1八玉(3七もある) △9九角成 ▲1七角、
△9九角成には▲8八歩 △同 馬 ▲9一飛成で、
いずれも先手が優勢だ。
下段飛車+△6六角(馬)さえ許さなければ、
先手玉は寄り付く形が無い。
3-2.△8七角
△8七角 ▲3五歩 △7六角成 ▲3四歩 △7七馬 ▲6三歩(下図)
![将棋・序盤のStrategy ~ 矢倉 角換わり 横歩取り 相掛かり 中飛車 四間飛車 三間飛車 向かい飛車 相振り飛車 ~](https://stat.ameba.jp/user_images/20110831/21/shogi-strategy/c8/0e/p/o0283026311454359260.png?caw=800)
△8七角は、馬を自陣に利かす狙い。
この手に対しても、▲3五歩から玉頭を目指していく。
上図▲6三歩が妙手。
△同 銀他、銀を動かす手は
▲7一角~▲5三角成~▲4五桂。
△同 金は
▲3三桂 △6四歩 ▲8五飛 △8四歩 ▲4一桂成 △同 玉
▲4五飛。
いずれも後手が受けにくい。
四間飛車 対 △6五歩早仕掛けは、
後手が飛角桂で攻め、曲がりなりにも金銀四枚で囲っているので、
捌いたから振り飛車優勢、とは言えない戦形だ。
また、高美濃は側面が弱く、
寄せ合いで負けてしまう可能性もある。
上記で「振り飛車良し」と書いた変化でも、
ギリギリの変化を含んでいるものも多く、
事前の準備がモノを言うだろう。
お役に立てたらポチっと!
![](https://img-proxy.blog-video.jp/images?url=http%3A%2F%2Ftaste.blogmura.com%2Fshogi%2Fimg%2Fshogi88_31.gif)