「角頭歩の大冒険」(その13)と将棋倶楽部24近況 | 将棋大好き雁木師の新将棋文化創造研究所

将棋大好き雁木師の新将棋文化創造研究所

「将棋大好き雁木師の将棋本探究」をリニューアルしたブログです。
主に将棋に関する詩などの作品紹介と、自分の将棋の近況報告を行います。

読者の皆様こんばんは。将棋世界の「あつまれ!描く将」でいただいた日本手ぬぐいの使い道に悩んでいた雁木師でございます。今日は「角頭歩の大冒険」の13回目と将棋俱楽部24の近況報告を行いたいと思います。長文となりますが最後までお付き合いいただけると幸いです。

 

まずは「角頭歩の大冒険」の13回目から。今回も格闘歩君と一緒に進めていきたいと思います。

 

格闘歩君についてはこのシリーズの1回目の記事をご参照ください。

 

 

前回の内容をおさらいしたい方は下記リブログ記事からご確認いただけます。

それでは「角頭歩の大冒険」の13回目、「先手番角頭歩の実戦」の始まりです。

※なお、このストーリーに出てくる人物、地名、団体、出来事などはすべて架空のものです。実在する人物、地名などとは一切関係ありません。

 

ーそれはある朝のことだった。雁木師がトイレ掃除をしていたときのこと…

雁木師(以下雁)「ん?な、なんだ?ブラシが、動かない」

ー雁木師がトイレブラシで便器を掃除していた時、彼は便器の奥からものすごい引力を感じていた。

雁「く、くそ!!なんだこの力は…。ぬ、抜けない…」

?「元の世界に帰るのだ」

雁「?…誰かいるのか?」

?「雁木師、『彼』に試練を与えるときが来た」

雁「その声は…誰だ?」

?「…忘れたのか。情けない」

雁「情けないも何も…私はあなたのことは知りません」

?「…『ポンケイ』」

雁「ポンケイ?」

 

ーそのときだった。便器の中の水は一瞬にして沼となり、雁木師は便器の中に引きずり込まれていく。

雁「待ってください。一体あなたは何なんですか?」

?「…『ボナンザ』」

雁「ボナンザ?あなたの名は?」

?「もうよい。我が其方を元の世界に帰そう」

雁「元の世界って、まさか…」

ーそれがこの世界で雁木師が最後に残した言葉だった。彼は叫び声とともに便器の中へ吸い込まれていった。

雁「うわああああああああああああ!!」

 

 

ー同じころ、格闘歩君は…

ー「プルルルル、プルルルル…」

格闘歩君(以下格)「あれ、雁木師の旦那、どうしたんだ?今日は研究するって言うのに…」

 

ー2時間後

格「変だな…旦那から返事がない。もっかいかけてみるか」

ー「プルルルル、プルルルル…」

格「あれ?旦那が出てこない。…まさか!!」

ー格闘歩君はすぐに雁木師の家に向かった。そして…

ーピンポーン

格「おーい、雁木師の旦那ー!!いるなら返事してくれ!!旦那ぁ!!」

隣人(以下隣)「どうしたんじゃ、何を騒いでいるのじゃ?」

格「ん?ああ、あのときの爺さん。雁木師の旦那と連絡が取れないんだ。爺さん、何か知っているか?」

隣「雁木師…ああ、あの将棋好きの若者か。そういえば、今日は見てないのう。いつもわしが朝の玄関掃除をしていたら必ず声をかけてくれる青年じゃが…」

格「姿を見せなかったのか?」

隣「そうじゃな。今日は朝から見ておらん」

格「そうか…爺さん、騒がせてすまねぇ。俺、旦那を探してくる」

隣「…そういえば、思い出したことがあった」

格「爺さん、なにか心当たりがあるのか?」

隣「あれは、朝の7時ごろじゃったか。雁木師とやらの青年の部屋から、叫び声のようなものが聞こえたのじゃ」

格「叫び声だと!?」

隣「わしは最初何かと思っていたのじゃが…」

格「(まさか…)爺さん、このアパートの大家さんはいるか?」

 

 

ー雁木師は叫び続けていた。そして行き着いた先は…

雁「はぁ…はぁ…はぁ…。ここは…ト、トイレか…どうやら、便器から戻ってきたのか…」

ーそのとき、彼は気づいた。

雁「このトイレ…もしかして」

ーガチャ、ギイィィ

ードアを開けた、そのとき

警官A「おわっ!!」

雁「うわっ!!す、すみません突然開けてしまいまして」

警官A「びっくりしたべ。ん?君、もしかして…」

雁「あ、あなたは確か…」

ーこうして、雁木師は図らずも元の世界へ帰ってしまった。そう、彼は取り調べを受けていた警察署のトイレから格闘歩君の住む世界へやってきたのだ。そして何者かによってトイレ経由で元の世界へ戻ってきた。この出来事は新聞で取り上げられ、雁木師は一瞬にして時の人となった。「1年間も行方不明の会社員が警察署のトイレから発見」という見出しはあまりにも衝撃的だった。

 

 

ーそれから2ヶ月経ったある日、格闘歩君のスマホが鳴った

♪~タンタン タタタン タタタタタン タタタン タタタン タタタタタン(昔のNHK将棋講座テーマソング)

格「ん?が、雁木師の旦那!?嘘だろ、行方不明になっていたのに」

ーピッ

格「もしもし」

雁「もしもし、格闘歩君久しぶりだね」

格「旦那!!探していたんだぞ!!心配かけやがって…今どこにいるんだ?」

雁「…私がかつて住んでいた元の世界だ」

格「元の世界って…旦那、やっぱりあんた…」

ー雁木師は格闘歩君にこれまでの経緯を伝えた。突然元の世界へ戻されたこと、現地の警察に保護されたこと、もともとは英銘堂の社員であったこと、そしてその社員を辞めたこと…その他諸々

 

格「なんだよ!!諸々って…って突っ込んでもしょうがねぇ。で、今後の研究はどうすんだ?」

雁「君が住んでいる世界にある人を送り込んできた。しばらくはその人と研究してほしい。問題の局面は引き続き私の将棋から出題する。PC経由で送るから」

格「『ある人』っつーのが気になるけど…。旦那が送り込んだ人間はどこにいるんだ?」

雁「私が君の世界で住んでいたときのアパートの部屋にいる。今言えるのはそこまでだ。彼のことをよろしく頼む」

格「あ、ああ」

雁「すまないが、この世界でまだ仕事が残っている。しばらくしたらまたかけるから、また会おう」

ープー、プー、プー

格「…とにかく、旦那の部屋へ行ってみるか」

 

 

ー15分後、雁木師のアパート

ーピンポーン

格「すみませーん」

?「はーい」

格「俺、格闘歩って言うんですけど…」

?「格闘歩君…。ああ、雁ちゃんのお友達。いいよ、開けるから」

格「は、はい…。お邪魔します…」

ーガチャ

?「いらっしゃーい」

格「!?(な、なんなんだ?)」

 

?「君が格闘歩君だねー。雁ちゃんから話は聞いてるよー」

格「あの…あんた、誰?」

?「自己紹介まだだったねー。ボークは角豆腐(つの・とーふー)。雁ちゃんから頼まれてこの世界に来たんだ」

 

ー角豆腐君の特徴はこんな感じである

・将棋も体も柔らかい

・ここ一番でメンタルが弱い

・好きな料理は冷奴

 

格「…いろいろとツッコミたいところが多いけど…。この世界に来たというのはどうやってだい?」

角豆腐君(以下角)「雁ちゃんのパソコン。手続き大変だったからねー」

格「(手続きとかそういう問題じゃねーが…)で、雁木師の旦那に代わって研究するってことか?」

角「ボークも雁ちゃんの研究は興味深くて参加するよ。これからよろしくね」

格「お、おお…よろしく頼むぜ(つかみどころが分からん)」

 

 

解説:ストーリーがだいぶ長くなりましたが、今回から先手番角頭歩戦法の実戦譜を見ていきたいと思います。前回のこのシリーズにて、当面は問題図の局面を軸に検討していきたいと話しました。

初手から

☗7六歩 ☖3四歩

☗8六歩 ☖8四歩

と進行した局面です。

しかし私の実戦譜を調べてみたところ、思った以上にこの局面になった将棋が少なく、見つけるのに相当苦労しました。今回は、数少ないこの局面の実戦譜をご紹介します。前回はここから1.☗9六歩と端を突く一手と2.☗6八飛と飛車を振る手の変化を示しましたが、今回は2.☗6八飛の棋譜を見ていきたいと思います。

(テーマ図)

 

題材は5月の私の将棋倶楽部24の実戦から。持ち時間設定は「早指」、先手番が私です。この局面から3手後に早くも相手が仕掛けました。

テーマ図以下の指し手

☖3二金 ☗4八玉

☖8五歩

(1図)

相手はいきなり☖8五歩を入れず☖3二金と☗4八玉の交換を入れてから☖8五歩と突きました。この手順の是非は微妙ですが、形はどうあれ相手が突っ込んでくださったのでやってみたい流れがあります。

1図以下の指し手

☗8五同歩 ☖同飛

☗2二角成 ☖同銀

☗7七桂 ☖8九飛成

☗8八飛

(2図)

このシリーズでは習いある手筋の「角交換から桂馬を跳ねて飛車ぶつけ」です。飛車交換から☖8七歩の変化は後手の歩切れが響き先手有利。この局面で相手は別の手を指しました。

 

 

格「またこの手筋か…。さすがに飽きてきたぜ」

角「指に染み込ませようという感じだねー。ボークもみろく庵の『肉豆腐定食(餅追加)』並みに覚えたよー」

格「(…どういう意味か分からんが)で、相手は飛車交換しなかったというから☖9九龍と香車でも取ったのか?」

角「雁ちゃんから来たメールではそう書いてあるねー。でーも☖9九龍で雁ちゃんが有利だと言ってるよー」

格「なんだって!?まだ20手にも満たないのに」

 

解説:2図以下の指し手

☖9九龍 ☗8一飛成

☖5四香 ☗6五桂

☖9二角 ☗同龍

☖同香 ☗5三桂成

☖5七香成 ☗同玉

☖5五飛

(3図)

2図から相手は飛車交換を嫌い☖9九龍と香車を取りました。しかし、☗8一飛成と私も桂馬を入手して形勢は先手優勢の評価。☖9二角は龍と桂馬の両取りですがあっさり☗9二同龍と龍を切って☗5三桂成が好判断でした。相手は☖5七香成と先手玉を引っ張り出して☗5七同玉に☖5五飛と王手で成桂を払おうとしますがもらった香車で☗5六香と受ける一手が攻防手。飛車が逃げれば☗8三角で先手勝勢となります。

 

 

格「ひゃー!!危なっかしいけど旦那が勝てるのか」

角「今は要駒が相手にないから大丈夫なんだろうねー」

格「二枚飛車も悪夢が実現しなけりゃ旦那の勝ちだろ」

角「だけどねー。雁ちゃんはここから勝つのに苦労してるんだなー」

格「?いったいどうなるんだ?」

 

 

解説:3図以降は私が攻め、相手の受けの展開に。相手に眠っていた龍を活用されてしまい、反撃を許します。そして迎えた4図の局面がこちら。

(4図)

 

相手の反撃に苦心しながらなんとか挟撃態勢を維持した私の攻め。ここで私に決め手がありましたがその勝ち筋を逃してついに評価値が互角になります。

 

 

格「なんか形勢が怪しいぞ」

角「うーん、雁ちゃんがいい感じというのがソフトの評価だけどねー。次に雁ちゃんが悪手を指して苦しくなったねー」

格「勝ち筋が全然見えん。旦那は何を指したんだ?」

角「☗6二金と王手したんだねー。でもこれは『王手は追う手』になっちゃったんだなー」

 

 

解説:本譜は4図から☗6二金と王手をかけました。しかし☖8三玉と逃げられると攻めの継続手に困ってしまいます。相手は本譜☗6二金に対して☖6二同銀と取ってくれたことから形勢が再び私が有利になりました。

4図からの正解は☗8四金。この一手で後手玉は必至です。

(変化図)

この一手の狙いは次に☗7三香成(☗7三金)までの詰みですが☖7四角の遮断の受けは☗6二飛からの詰み。☖5一角とと金をずらそうとしても☗5一同とで意味なし。☖6二角も☗6二同桂成からと金を生かした詰み。☖5七角と攻防の王手で香車を払う手も金を打った効果で☗6二飛からの詰みがほどけません。一見、とどめの金を手放すので怖いですが、7五の香車がうまく角の王手両取りのラインを遮断しているので大丈夫です。

さて本譜に戻ります。本譜は4図で私が決め手を逃したことで形勢がもつれました。挟撃態勢がほどけたことを生かして相手は入玉を決行します。対する私は相手の遊んでいる左辺の金を入手して上下で攻め込みますが…。

そして迎えた5図がこちら。

ここで私が指した一手から形勢が後手有利に傾きます。

 

 

格「うわっ!!あのとき決め手を逃したせいでこんなことになるなんて…」

角「雁ちゃんは早見え早指しにあこがれているんだけどー、裏目に出ちゃったねー」

格「☗7七銀と取りたいけど…」

角「取ったら負けだよー。だから王手をかけたんだけどよくなかったねー」

 

 

解説:実はこの局面自体はすでに相手がやや有利。ここで私が指した一手は☗9五金の王手でした。☖9五同龍と取ってくださればまだわかりませんが、本譜は相手にしてもらえず☖7六玉と逃げられて相手が完全に有利な流れです。☗9五金では代えて☗8九金で飛車に当てたほうがまだ粘れました。その後も懸命に攻防に利かせの一手を放ちますが相手の確実な寄せに苦しむばかり。しかし迎えた113手目。

(6図)

相手がこの王手に対する応手を間違えてしまったことで勝負が決まりました。

 

 

格「これは相手の勝ちに見えるぜ」

角「入玉もほぼ確実だしー、そうなると大駒3枚持ってるからー、雁ちゃん苦しく見えるねー」

格「この王手は金をとっても大丈夫じゃねえのか?」

角「それはねー、正解に見えた悪手なのねー」

格「なんだって!!」

 

 

解説:本譜は☗6六金の王手に対して☖6六同銀と金を取りましたが、この一手が私に勝利を傾けました。以下

☗6六同龍 ☖8七玉

☗9六龍

まで117手で私の勝ちとなりました。

(投了図)

☗6六金の王手に☖8七玉とかわせばほぼ相手の勝勢でした。しかし、☖6六同銀と応じたことで☗6六同龍が5八の桂馬を生かした王手。最後の☗9六龍も悪手だったの9五の金を生かした決め手で詰めあがりです。

 

 

格「いろんな意味で『大冒険』だったぜ」

角「最後の最後に落とし穴があったからねー」

格「しかしどうして最後に相手は間違えたんだ?」

角「雁ちゃんのメールに…書いてあったねー」

ー「相手が最後に間違えた理由として考えられるのが、『持ち駒』と『方針』と考える。相手の持ち駒は☗6六金の王手の時点では角2枚と香車と歩が6枚。私の玉は相手に1九に銀を打たれたこともあって狭い。となると、詰ます方針なら金が欲しかったんだと思う」

格「どういうことだ?」

角「雁ちゃんの玉は狭いからー、相手は金銀があれば詰むと思い込んでいたということだろうねー」

格「じゃあ、入玉を目指していたら…

角「雁ちゃんに聞いてみよう」

 

ー10分後

角「雁ちゃんが答えてくれたよー」

格「どれどれ」

ー「格闘歩君の言う通り、相手が入玉を目指す方針なら多分持ち駒より自玉の安全を優先していたと思う。相手は大駒3枚持っているから持将棋になったら点数計算でこっちが不利になっていたね。こっちとしては、詰ますしか勝ちはないから王手をかけてお願いをかけたのが見事に勝ちになった。勝勢の時こそ方針が大事ということを教えてくれた将棋だったと思う。」

角「豆腐メンタルのボークには難しいなー」

格「ばっきゃろー!!やる前からあきらめんじゃねーよ!!あんたの豆腐メンタル、俺が鍛えるぜ」

角「あのー、何するのかなー」

格「今から河川敷をランニングだ!!行くぞ!!」

角「ちょっとー、待ってよー」

ーこうして、格闘歩君の地獄の特訓の始まった。角豆腐君のメンタルは改善されたのか、それは分からない…。そのころ、雁木師は…

 

 

雁「そうですか。『彼』に試練を与えるというのはそういうことだったのですね」

?「いつまでも其方に甘えているわけにはいかん。『彼』はまだ可能性に気づいていない」

雁「…しかし、あまりにも唐突すぎて私も困惑しました。せめて時間の猶予をいただければ…」

?「我には時間がない。英銘堂を倒すのなら其方の力が必要なのだ」

雁「英銘堂を倒すなんて…。そんなことは…」

?「でも、其方を苦しめた人間に復讐したいのではなかろうか」

雁「復讐なんて、そんなことは私の力だけではできるわけがありません」

?「…そうか。ではまた会おう。それまでにいい結論を期待する。Good Luck」

 

ーそう告げると何者かは消えていった。

雁「英銘堂を倒すか…。私はあの組織に復讐すべきなのだろうか。いや、それはできない。それは組織に残った方への裏切りとなる。しかし、組織の中に許さない人間がいるというのなら…」

ー徐々に明かされる雁木師の過去、そして「彼」への試練とは?角豆腐君はどんな存在になるのだろうか?次回に続く…。

格「もうナレーションに突っ込む気力もねーよ。どんだけ豆腐メンタルなんだ豆腐の坊主は…」

 

 

では今回のまとめです。

・激しい変化を誘うなら手待ちを

・飛車交換を避けてくれれば角頭歩側優勢

・状況に応じて龍を切る手も大事

 

今回は先手番角頭歩の実戦から5手目に☗6八飛と振る手を見てきました。結果としては習いある手筋に誘導して優位を拡大できましたが、決め手を逸したことでもつれました。ストーリーでも触れましたが、早指しの将棋で早見えゆえに見落とした一手だったと思います。結果としては勝つには勝ったものの反省点の多い将棋でした。

次回も引き続き先手番角頭歩の実戦を見ていきたいと思います。どんな実戦になるかは再度調べ直して、検討のうえでご紹介できればと思います。ストーリーともども楽しみにお待ちいただければと思います。

 

 

以上で「角頭歩の大冒険」の13回目を終わります。次に将棋俱楽部24の近況報告を行いたいと思います。詳細については下記記事をご参照ください。

 

 

では報告に入ります。

 
総合成績:25勝15敗1分(千日手1)。勝率.625
※千日手は対局数にはカウントしない
現在レート:938点 最高レート:1,106点
手番別勝敗
手番別勝率:先手番勝率.444 後手番勝率.772
ここまでは勝ち越しできています。星の流れを見ると、先週は前半に3連勝と5連勝。後半に2連敗も3連勝で大きく勝ち越し。今週は2連勝スタートも2連敗。その後3連敗を喫するも、後半に3連勝を2回記録して勝ち越しで終えました。内容は先週は新しい戦法を取り入れたことがプラスに働きました。今週は、一転して採用する戦法の幅を少し減らして得意の戦型で勝つことを目指しました。では戦型別の勝敗です。
自分から見た戦型
相手から見た戦型
ここまでは右玉が最も多いです。先月は調子を落として苦戦しましたが、得意の対振り右玉に絞ったことで安定感を発揮。絶対的エースが帰ってきたという感じでしょうか。
振り飛車では新しく試した戦法は四間飛車ですが、これまでの耀龍四間飛車一本からミレニアムも取り入れることにしました。まだ24での実戦は少ないですが2勝はどちらもミレニアムでの勝利ということで、隙あらばやっていきたい戦型です。また振り飛車では三間飛車も再び採用。かつて学んだ三間飛車藤井システムを取り入れて自由に指しています。その反面、角頭歩は採用をさらに減らし、1週間に1局指すというノルマに変更。状況次第では採用数ゼロも考えられる状況です。
相手から見た戦型は分散傾向です。その中で居飛車は角換わり、振り飛車は中飛車が多かったですが目立って多いというわけではありません。角換わりは全体的に速攻が多いです。対しては腰掛け銀で対抗するのですが銀の出足に苦戦する将棋が続きます。
中飛車はやはりゴキゲン中飛車が中心です。速攻、位取り、堅陣などバリエーションも多いです。右玉で対抗が基本ですが、右玉ができない場合は乱戦に持ち込むこともあります。
今後の予想ですが、初手に☗7六歩と指すことが多いのでどうしても矢倉や角換わりが多くなります。その中でどう対抗していくか注目です。その一方で、後手番初手は☖8四歩が多いです。私の振り飛車の条件は相手が初手に☗2六歩と飛車先を突くのがポイントです。相掛かりは指さなくなりますがその分やりやすいです。
ところで、前回お話した「お勉強」というのは藤森五段のYoutubeチャンネル「将棋放浪記」です。

 

私は「将棋放浪記」の動画を見て気づきました。藤森五段が将棋ウォーズ実況の動画において、自分と相手の指し手を実況解説しているのです。そこで私が思いついたのは…。自分の指し手を口頭で説明するというものです。これをやってみたところ、ウォーズも24も好調だったのです。自分の指し手を口に出して実況する…これが何を意味するのかというと、自分の考えを具現化できるかどうかが勝敗に直結していることが分かったのです。実際やってみたところ、指し手の実況をしているのとしていないのでは大いに違うことが分かりました。指し手をうまく説明できない、もしくはしゃべらないで指していると自分自身が何も考えてないことが分かります。ただし、最近始めたばかりのことなので、指し手の意味をちゃんと説明できるかどうかが勝敗に直結するかについては今後も検証していきたいと思います。

※ただしこの手法はネット将棋ならではのやり方です。実際の大会での対面での対局では対局中はしゃべらないのが基本です。

 
 
 
雁木師コラム⑬「将棋俱楽部24将棋ウォーズ
先月下旬、大学の将棋サークルの先輩OBの方々とのリモート飲み会に参加しました。そこでこんな話を聞きました。
 
時代は24からウォーズになった
 
話を聞くと、とあるOBの方が現役生の活動にお邪魔した時のこと。最近の現役生は24ではなく、ウォーズ〇段が棋力の目安という話にギャップを感じたということです。
将棋倶楽部24の特徴は、持ち時間の設定に純粋な切れ負けがないこと。3年前にフィッシャールールが追加されましたが、それを含めて5種類(30分、15分、1分、一手30秒、フィッシャー)から選べます。それぞれの時間ルールは以下の通りです
・30分切れたら一手60秒(長考)
・15分切れたら一手60秒(15分)
・1分切れたら一手30秒(早指)
・一手30秒猶予時間1分(早指2)
・フィッシャーは持ち時間5分切れたら負け、一手指すごとに5秒加算(早指3)
将棋ウォーズは3種類の持ち時間(10分切れ負け、3分切れ負け、一手10秒将棋)から選べます。
 
それ以外に特徴に違いはあるのかと言いますと、純粋に将棋を楽しみたいのなら将棋倶楽部24でしょうか。あとは、24を楽しむならぱPCで楽しむことをおススメします。スマホやタブレットだと無料で指せるのは1日1局まで。有料会員になればスマホやタブレットで1日何局も指せますが…。
 
将棋ウォーズの場合は無料会員なら1日3局まで。プレミアム会員になれば制限はなくなります。プレミアム会員は2種類。500円のプレミアム会員と960円のスーパープレミアム会員があります。以前お話しした棋士のボイスが聞けるのは、スーパープレミアム会員のみです。
参考記事はこちら
 
将棋ウォーズの大きな特徴は「コレクション」の要素が強いです。一度でも将棋ウォーズでプレイされた方ならご存じかと思いますが、戦型のエフェクトがたくさんあります。ただしエフェクトを出しても勝たなければ、モノクロ表示のまま。勝つとカラーで表示されます。私も自分のウォーズアカウントを調べてみたら、結構モノクロのエフェクトが多かったです。あとはアバターも多く出ていることも特徴のひとつです。バラエティーに楽しめるのがウォーズの特徴ともいえます。
 
ですが飲み会の参加された方の話では、1日3局というのが「ちょうどいい塩梅」らしく、あえてプレミアム会員に登録しないという方もいました。そのせいか、棋士のボイスの特典を知らない方も何人かいらっしゃったようです。大切なことは、1日何局指したかではなく、1日数局でもいいから何年でも続けることが大事ということが分かります。
 
さて、このコラムの冒頭で話した「時代は24からウォーズになった」という話ですが、将棋ウォーズから将棋を始めたという方がここ最近で格段に増えたことを意味するのでしょうか。この言葉を聞いて、こんな話を思い出しました。
 
24はガチ勢の指すところだ
 
ここでいう「ガチ」とは真剣に指す方の意味で、純粋に強くなりたい方々の意味を指します。将棋倶楽部24はとても強い人が集まっていると聞きます。その理由は持ち時間設定に「切れ負け」がないため、たたき合いの早指しが意味をなさないのです。その分、正確な読みを入れないと勝ち抜くのは難しい。私も10年以上将棋倶楽部24をやっていますが、レートが上がらないのは読みの精度が不安定なのかなというところです。
反面、将棋ウォーズは「切れ負け」があるので、たとえ不利になっても時間切れで勝ったというケースが多いです。あと、将棋ウォーズの特徴の一つに「棋神」制度があります。「棋神」とはAIがプレーヤーに代わって5手の間に代わって指してくれるというものです。いわばAIの力を借りることですが、私は使う気にはなれません。私自身のこだわりですが、AIの力を対局中に借りることはしたくない。もちろん振り返りで「棋神解析」を使用することはありますが対局中にAIの力を借りるのは抵抗があるというのが本音です。
ちなみに将棋倶楽部24でソフトの力を借りて対局することを「ソフト指し」と呼びますが、これは絶対にしてはいけない行為です。やってしまうと会員停止となってしまうので、気を付けたいものです。私はもちろん対局中に「ソフト指し」の行為はしたことはありません。ただ、対局終了後に「ShougiGUI」を使って解析することを日課としているので、今後も気を付けていきたいと思います。
 
以上、将棋倶楽部24と将棋ウォーズの違いを見てきました。大切なのはどのアプリ、サイトであっても対局マナーが大事ということ、そして振り返ることを大切にするということです。飲み会でとある方がこんなことを話しました。
やっぱり感想戦は大事だよ
指しまくることを生きがいとした私にとってはとても耳の痛い言葉でした…。おりしも「将棋放浪記」で振り返ることの大切さを学んでいたところなので、このことを生かして頑張りたいと思います。
 
 

さて、長々とお話ししてきましたが今日はここまでとさせていただきます。本日も長文となりましたが最後までお読みいただきありがとうございました。

 
 

にほんブログ村 その他趣味ブログ 将棋へ
にほんブログ村

 

 

 

 
 

ABEMAプレミアム

ABEMAプレミアムで観る将ライフが変わる!!

女流ABEMAトーナメント開幕!!予選Aリーグは盛り上がっています!!竜王戦七番勝負も第2局、豊島―藤井の「十九番勝負」の行方は如何に?SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2021も東西予選が進行中。予選枠は東西どちらとも残り1枠です。清麗戦も10/26(火)に第3局が開催。加藤桃子女流三段の奪取か里見香奈清麗が盛り返すか注目です。

 

ああ、なんてこった…。見たい対局目白押しなのに、その日限って仕事なんだー!!(本当です)

そんなときはABEMAプレミアムに登録すれば…。見逃した部分を視聴可能。私もABEMAプレミアムに入っていたことで見逃した場面を見返すことができました。皆様もぜひ、ABEMAプレミアムへのご登録を。上記バナーをクリックすることで詳細が分かります。料金などが気になるという方は「角頭歩の大冒険」の冒頭に出ている記事リンクにABEMAプレミアムの詳細が書かれていますのでぜひ、チェックしてください。