ところで、お経にはよく舎利弗シャリホツと
出てきます。阿弥陀経では舎利弗と
繰り返し繰り返し出てきます。
舎利弗は、お釈迦さまの智恵第一と
言われたお弟子です。
古代インドの言葉、サンスクリット語では
シャーリプトラと発音されます。
シャーリプトラ(舎利弗シャリホツ)の本名は
ウパティッサ(優婆提舎ウバダイシャ)です。
ウパは近づくの意味、バラモンで博学な
大論義師の父親、ティッサ(提舎)の
立派な跡取りになって欲しいということで
ウパティッサと名付けられたのです。
でもまわりは、聡明な母親シャーリ(舎利)
の子ということでシャーリプトラ(舎利弗)と
呼びました。
シャーリ(舎利)とは鷺サギという意味で、
眼が鷺サギの眼に似ていた母親はシャーリ
と呼ばれていたのです。
プトラは「弗ホツ」と音写し「子供」のことです。
すなわちシャーリ(=鷺サギ))のプトラ(=子)
という訳ですね。
(間違ってもサギ子シとは言わないように!)
漢訳では舎利子シャリシと表記されることもあります。
舎利弗シャリホツの舎利は鷺サギの意味でサンスクリット表記は Ś ā r i
仏舎利の舎利は遺骨の意味でサンスクリット表記は ś a r ī r a
で同じ漢字の舎利を使っていますが、元来の意味が違います。
※寿司店などで、白い米粒を舎利と言いますね。
お釈迦さまの小さな遺骨が米粒のようである
ことから、言われるようになったようです。
(参照文献 「大智度論巻第11 舎利弗因縁」 他)