日本人としての誇りを取り戻し、味のある筆文字を書く上で欠かせない白川文字学VOL5

でも触れましたが、


古代中国研究によると

ほぼ全員が万物には霊魂が宿ると考えていた。

霊的なものを重んじる文化がありました。

当時は、霊的な物に対する儀式、呪的儀礼を行っていたようでその儀礼を形象化したものが漢字だったのです。

漢字の前身である甲骨文字、金文、そして、漢字は、たった一字で呪的儀礼を表し得ました。

漢字、一つ一つにこのような世界(宇宙と言っても過言ではない)があったのにはびっくりです。


とても興味深かったのが、白川先生が

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映画における映像とは、正尺者の思考を画面に表現として構成するものであろうか、それは原理的に絵画的上場からは立つした象形文字である漢字とその視覚的思考性において共通するところを持つはずである。

その映像において表象されるところのものは視覚に訴えるところの直接無媒介的な表現である。それで映像は、映像言語として表意的文字言語と対置することができると考えられる。


と書かれていることです。(いかんせん言い回しがちょいと難解なんですがショック!


それまで、映像といえば、動画のイメージが強かったのですが、白川先生は、

漢字は(呪的儀礼を)映像化したもの

と表現されていたのがとても新鮮で面白かったです。僕の中でパラダイムシフトが起きました。


そんな

呪的儀礼を映像化したもので、代表的で(意外なのが)「道」という字です。

古い時代には、他の氏族のいる土地は、その氏族の霊や邪霊がいて災いをもたらすと考えられていたので、異族の人の首を手にもち、その呪力(呪いの力)で邪霊を祓い清めて進んだ。

その祓い清めて進むことを導くといい、祓い清められたところを道といい「みち」の意味を用いる。把手(とって)のついている大きな針を呪具として使い、この針を土中に刺して、地下に潜む悪霊を祓い清めることを除といい、そのようにして祓い清められた道を途という。

のちには道理(物事の当然のすじみち)のように用い、わが国では芸事の専門分野の意味に用いて、華道、茶道のように言う
<常用字解から抜粋>

僕も白川文字学を勉強するまでこのような原義があるなんて全然知らなかったので、とてもショッキングでした。

でも、

逆を言えば、

書で、漢字と散々、触れ合って来たわけだけど、

漢字の表面的な部分

しかしらずに、形だけを模倣していたような気もしています。

書を書く前に、

字の原義を知ってから、書を書くのとそうでないのとでは、乗るエネルギーが変わってくると思うんです。

僕はまず、手軽なところから


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これから書を書く前は、原義を調べて、自分なりに色々イメージしてから取り掛かろうと思っています。

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