①の記事の続きです。
ミヒャエル・エンデの『モモ』を読んで「傾聴」について書いています。
モモを参考に真の傾聴について考えたことを前回の記事にも書いていますので、興味のある方は読んでみて下さい
②モモには時間がたっぷりあるということ
これは才能とは別にモモが誰よりも持っていたものです。
モモは他のキャラクターたちと違って、帰らなければならない家があるわけでもなく、仕事をしているわけでもなかったので、時間がたっぷりありました。
なので、時間に縛られることなく話し相手が満足するまで、ただじっと座って話しの行く末を見守りながら注意深く聞くことができたのです。
時間はこの物語のキーワードでもありますが、それがたくさんあるということがモモにとって1つの強みになっています。
時間に縛られる経験は誰しもあると思います。
労働時間や家事、育児、介護などなど…。
大人だけではなくて、子供も夕方のチャイムが鳴ったら帰らなきゃいけないとか、学校とか、夏休みとか。
現代人は色々と時間に追われることが多いですよね。
時間を気にしなきゃいけない時ってどんな状況であっても時間が短く感じられて、余裕がなくて焦ったり、集中力が続かなかったり、楽しめなかったりします。
逆に時間がある時は時間が長く感じられて、何もかもがゆったりとした中で過ぎていったり、物事に没頭できたり、心にゆとりが持てたりします。
そして時間があるから「待つ」ことができます。
聞き手がありのままの状態であっても、相手が本音を語るタイミングまでは分かりません。
なので、それが語られるまでじっと待つのです。
これは私が『モモ』を読み始めたタイミングで体験した出来事なのですが、私を含めた友人3人で食事をしていた時、自分がモモのような立ち位置になることがありました。
仕事関係で困っていたAさんは話を聞いてもらいたくて、この日はメインで話し手になっていました。もう1人のBさんは、Aさんの話の途中で出てくる疑問や、私が気になっていたこともほぼ全て聞き返しており、もはや私の出る幕も無さそうだったので、最低限の相槌と返事をするだけで、聞き役に徹することにしました。
あまりにもタイムリーだったので、これはモモになれってことなのか⁉︎と思い、半分ドキドキワクワクしながら話を聞いていました(笑)
最初は表面的な話を語るだけだったAさんですが、だんだんと自分の気持ちにフォーカスするようになっていました。どうやら話しながら今の気持ちを整理できたようです。
帰りにAさんと2人きりになった時、私は再び聞き役に徹した後、話を聞いて思ったことだけを彼女に伝えると、彼女の中で張り詰めていたものが解けていきました。そして幾らか気持ちが楽になった様子で帰っていきました。
実体験を経て思ったことですが、聞き手があれこれ助言しなくても、聞き終えた後に思ったこと(本音)を2、3伝えれば相手に響くんだと。
相手の話を聞き終えるまで「待つ」ことは大事なんだと思いました。
ついつい話の途中であーじゃない、こーじゃないと言いがち(相手が身近であればあるほど)ですが、実はそこで伝えるよりも、相手が全て出し切って空っぽになった状態の時に必要なことをオブラートに包まずに伝えると言葉がすっと相手の中に入っていくのかもしれません。
それをいつもいつも出来るわけではないので、少しずつ練習していこうと思います。
この出来事の後、神社で「私はモモになります!」と静かに宣言しました(笑)
それだけ私の中では今年一番衝撃を受けたというか、感情が揺さぶられたというか、そんな本でした(^^)
10年くらい前に「傾聴を磨いてみては?」と言われたことを思い出しましたが、やはりスピリチュアルを続けた先にそういう道に進むことになるんだろうか。。。
それにしても本当にモモは深いですね〜!!!