アメリカ遠征体験記 19期 999 | 早稲田大学男子チアリーディングチームSHOCKERSのブログ

アメリカ遠征体験記 19期 999

たかが2分半で数十万の大金?そんなものにお金をかける余裕なんてない。正直そう思った。
SHOCKERS の練習長であることは常にそう言ったチャレンジングなことに前向きでならなければならないという重荷でもあったし、実際の自分の心とは違う発言を何度もしたのを覚えている。
それでも、19代目が始まる前から何度も何度も気が遠くなるようなミーティングと話し合いを重ねて決まったアメリカ遠征。



いざ19代目が始まってみれば決して楽な道ではないことをわかってはいたけど、自分なりに精一杯駆け抜けたと思う。
このアメリカ遠征が始まった時この大会構成の1番の責任者が自分であることはよくわかっていたし、この構成がこの代の評価につながることもOBの方と話していて痛いほどにわかった。そんな中作った構成のスローガンは「人生で一番濃い2分半にする」というものだった。
これを体現するためには、ただいい構成を披露するだけではなく人の心に届くようなエナジーや血の滲むような努力が欠かせない。なんとなく進めてしまっていてはそれ相応の演技しかできないし、気持ちもこもってこないと思った。練習から120%でやるというのは自分のモットーだし、それをチームとして体現するために他の幹部にも面と向かって今のままではダメだと本気で伝えたこともある。
周りがあまり気が乗らない中で自分を中心として練習を進めていくということはとても大変なことだし、自分自身のモチベーションが下がっていると感じたこともある。それでもチアが好きだから、うまくなりたいから、この仲間たちと最高の演技をしたいから最後まで駆け抜けることができたのだと思う。
自分にも他人にも厳しく、甘えならこのチームにはいらないしただただ楽しいだけのことがしたいのならばこのチームは向いていないと思う。それは自分も全く例外ではない。
でも一番消極的だったのは自分だったのかもしれない。仲間に対する限界を決めていたのは紛れもなく自分で、挑戦することを止めようとしていたこともあった。
それでもやりたいと言う仲間を断りきれず実際にやってみたら意外とできてしまって大会構成に入った技というものもある。
要するに大会構成は僕自身だけが作ったものではなくてみんなで作り上げたものだし、それは圧倒的に自分の理想を超えてくるものだった。
自分1人で背負いすぎるものではないし、仲間はいつだって助けてくれるから信じてもいいんだという大きな教訓を得た体験だった。
実際アメリカに行ってみて演技した時に心の底からの喜びが演技中に止まらなくなった。



あそこまで大きなステージでチア界のスターと同じステージでやれたことをとても誇りに思うし、僕がSHOCKERSに入ることを決めた5年前の大会もこのステージだった。
憧れが現実になる瞬間はなんとも言いがたい嬉しさがあったし喜びが込み上げてきた。あそこでしか得られないものを得たと思うし、自分の人生の中の最高の瞬間だった。
アメリカに行くかもしれない、そう話した時に全力で応援してくれた親には感謝しても感謝しきれません。本当にありがとうございます。



アメリカでの生活や体験は他の人が書いてくれていると思うから、僕自身からはあまり話すことはしないけれどいつかまたアメリカに行く後輩が練習や構成で悩んだ時のヒントにしてほしいなと思います。

あと、KOC優勝して日本一取りました。
最強メンバーのSOSと戦いたかったです。多分僕たちの方が強いのでまた機会でもあればガチ勝負しましょう。





19代目練習長 999