40歳で高齢妊娠した私。
11週で新型出生前診断(NIPT)を受けました。
遺伝子外来を申し込んでいたA病院は、日曜も予約を受け付けてくれている病院だったので、夫との予定もすぐに合い、すぐに受診することができました。
待ち合い室では、夫婦それぞれに出生前診断の種類や考え方などが書いたファイルが渡されました。
周りの妊婦さんみんなが幸せに見えて、羨ましくなってしまう。
毎日楽しみにしていた、その日生まれた赤ちゃんの紹介コーナーでさえ、羨ましくて見てられなくなるぐらい、なんだか黒い気持ちの自分が出始めたのもこの頃だったなぁ…。
待ち時間に、ファイルを一通り読んで、ある程度理解してから、遺伝子外来の先生のカウンセリング。
この時は、まず数種類ある出生前診断の説明や、高齢出産が起因する染色体異常のリスクを聞きました。
なぜ、高齢だと染色体異常が起こると言われているのか。
それは、知っていたようで、きちんと考えたことのなかった話でした。
先生は、
「ご存知かもしれませんが、精子と違って、卵子は新しくは作られないんです。
生まれた時に全ての卵子を持って生まれて来ているので、あとは減っていくだけになるんですね。」
そう。
先生は
「なので、20歳の人が妊娠すると、20年ぶりの卵子で妊娠した事になります。
40歳だと、40年ぶりの卵子での妊娠という事になります。」
そうだよね。そういう事だ。
知っているつもりだったけど、そう表されると、自分が分かっているようで、分かっていなかったと痛感する。
40年間、卵巣にしまってあった卵子。
たしかに、細胞分裂がうまくいかず、染色体異常が起こる理由が分かる気がしました…。
今までは漠然と、高齢妊娠だとリスクが高い。
と思っていましたが、それを聞いてからしっくりきました。
そして、私達が受ける予定にしていたNIPTについても。
●NIPTはあくまで非確定検査のため、偽陽性(陰性だけれど、陽性となる)が出る場合もあるということ。
中でも13トリソミーは症例も少ないため、偽陽性の確率が他の2つより高いということ。
要するに、13トリソミーが陽性だった場合、もしかすると偽陽性の可能性が高い。
●NIPTで陽性が出た場合、その場で中絶を決めるのではなく、確定検査である羊水検査を必ず受けるということ。
体から採血した血液中に浮遊しているDNAの断片を測定することにより染色体疾患があるかどうかを検査する方法なので、あくまで非確定検査であること。
なのでNIPTの陽性で、中絶してしまうことを懸念している検査機関(NIPTと羊水検査の検査機関は同一機関)が、羊水検査の費用を持つため、羊水検査の費用負担は患者にはないこと。
そして、先生からは
「受ける、受けないは、今決めることではありません。今日の説明を聞いてよくご夫婦で話合って下さいね。
もし、決まっているなら、今日採血することもできますが…」
と。
私達夫婦の答えは決まっていたので、その日に採血してもらうことにしました。
身長と体重を測って、20mlの血を採ります。
溜まっていく血を見ながら、
「この20mlに全てが入ってるんだなぁ…」
と、ボーッと眺めていました。
結果は2週間後。
そしてお会計は…
聞いていたぐらいの額でしたが、やはりビックリ(笑)
181,500円〜‼️
給付金の使い途は、壊れた冷蔵庫とこちらとなりました(笑)
とは言え、この費用のNIPT実施施設は、きちんとした施設という事になります。
無認可でNIPTを実施している施設もあるそうで、そこでは、性別も調べたり、費用も格段に抑える事が出来たりするそうです。
カウンセリングがなしの施設もあるそうで、結果が郵送されてきて、それで終わってしまい、不安な妊婦さんが置き去りにされてしまう…。
NIPTが「命の選別」に繋がるのではなく、こういう事が、安易な中絶に繋がるんではないのかなぁ?と。
確かに、NIPTの認定施設では、年齢が35歳以上でないと受ける事ができない条件なので、若くしても不安のある妊婦さんは、このような施設で受けるという選択をするのかもしれませんが…。
帰りの車内、夫との会話にNIPTのことは出てきませんでした。
お互い、避けていたのか。
私にはもう、祈る事しか出来ることはありませんでした。