10月になりました。本年も残り3か月となりました。本年やり残したことをピックアップして、計画的に実行していきたいと思います。

また、今月から、税務調査も再開されます。よい年末を迎えられる様、頑張って行きましょう!

 

 

さて、今月は、「区分マンションのアービトラージ投資」について記載いたします。

区分マンション投資とは、分譲マンションの1室をローンなどで購入して、家賃を受け取る投資法で、最近はサラリーマンなどもこの投資法に参入しているようです。

区分マンション投資は、一般的には1棟ものの投資と違って始めやすく、手間がかからないものの、月々のキャッシュフロー(家賃収入からローン返済・諸経費の合計額をマイナスした手残り)が少なく、(マイナスのキャッシュフローになることも多い。)利益を出すためには、物件本体の値上がり益頼みになりがちな投資法です。最近では、アベノミクスや世界各国の金融緩和の影響で首都圏を中心にマンションの価格が上昇しているので、好立地の物件を持っている方は、利益を出している方も多い印象です。

 

さて、そんな区分マンション投資法ですが、不動産価格の上下などの情勢にさほど影響されない投資戦略を実施している方が存在しますので、その方法をご紹介します。

それは、 「投資」 で買って 「実需」 で売る。という方法です。

 

この手法は、①まず、首都圏の駅近のオーナーチェンジ物件(すでに入居人がいる状態の物件)を投資家から購入します。物件の間取りは、50㎡以上のファミリー向け物件を狙います。②入居者が退去するまでの間は、家賃を受け取って通常の投資物件と同様に運営します。③入居者が退去したタイミングでリフォームを施し、実需層向け(実施にこの物件を購入し、居住したい人向け)に売却します。

 

この手順によると、投資家から購入して実需層向けへ売却することになり、不動産価格が変動しなかったとしても、購入した値段より高く売れる可能性が高くなります。リフォーム費用は、運営期間中に受け取っていた家賃の中から捻出します。

 

購入した値段よりも高く売れる主な理由は以下の通りです。

①     実需層は、「職場が近い。」「親戚が近くにいる。」「街並みが気に入った。」など、必ずしも、資産価値という観点だけで物件を選ばないので、相場より高くても購入する場合がある。

②     そもそも投資家ほど、マンション価格の相場に詳しくない。

③     投資家が利用する投資用ローンよりも優遇された住宅ローンを使って購入するため、購入価格が多少高くても、その後カバーできる。

 

このように、「投資家」と「実需層」の価格差を狙う、アービトラージ戦略が不動産においても存在します。ただ、この方法は、購入する物件の周辺相場を深く知っている必要があり、かつ、値下がりし辛い物件も見極める必要があります。また、運営期間中はマイナスのキャッシュフローが予想されるため、誰でもできる投資法ではありません。

 

 

この投資法から学ぶべきは、「不動産の価格はかなりいい加減である」という事実です。不動産は一生のうちでも、かなり大きな買い物です。5%~10%高い値段で購入するだけで致命傷になりかねません。投資家や不動産業者の食い物にされていないか、不動産の価格について調べておいて損はないと思います。

 

では、今月も、よろしくお願いいたします。

 

石田