娘は日に日に可愛くなってきた。

お兄ちゃんたちのスキンシップにもニコニコケラケラ。




とにかく良く笑う子で、癒しでしかなかった。



そんな無垢な笑顔を見ても、



『この子は耳の聴こえが悪い』




私たちの心の中は、スクスク育っていく娘の成長を純粋に幸せだと感じる事が出来なかった。







しかし


娘は明らかに反応していた。
声や音が聞こえていた。



それはオートバイの爆音
ではなくても
ちゃんと反応していたのだ。





「パチパチは?」とこちらから問いかけると手を叩いた。

音楽が大好きで身体を揺すって手を叩いていた。
ちゃんと聴こえてる!
他の子と全く変わらない。



何かの間違いだったんだ。
そう思った。



その後も定期的な検診を重ね、生後11か月の頃、再びABR検査を行った。






検査の結果


左右の耳、40デシベルをかろうじてクリア

だと言われた。




少し上がっては来ていたが、明らかにまだまだ難聴の数字。







大きな病院なので、毎回先生が違う。
違う先生から見た診断もまた、



「難聴は否定できません。」




とのことだった。

でも・・・。
最初のABR検査の時の先生は、
『良くなることはない』ってハッキリ言ってたのに、数値あがってるではないか!!



やっぱりどこかに何かの間違いがあるに違いないでしょムキー




こんなに聴こえているのに?


音楽に反応しまくりですけど!


むしろ地獄耳だと思うほど
お菓子の殻の音にも反応しますけど?




だんだんと先生や病院への信頼が薄くなってきたのを感じた。



母親がいつも一番近くにいるんですけどムキー



数字ばっかり見てないで、決めつけてないでもっとちゃんと考えてよムキー






そう思い、疑問をぶつけてみることにした。



「明らかに日常生活の音が聴こえてると思われますし、聴こえてないのかな?と感じるシーンも全くありません。この検査の正確性はどの程度なんですか?」




すると先生、

「脳波の反応は検査の通りで間違いはありません。ただ、実のところ、数字だけが全ての世界では無いのです。

耳の中までは見えません。
そして見えたとしても、何故聴こえないのか、果たしてどの程度聴こえているのかは、当の本人じゃないと分からないんです。

人間誰しもがそうです。


人がどんな色味の景色を見ているか。
どんな音色の音楽が聴こえているか。

自分を基準に考えていても、相手は全く違う色味だったり音色を感じているかもしれませんよね?


それと同じです。」




と、こうおっしゃった。




なるほど、と私は思った。
でもまだ納得いかない。



「要するに、娘はどの状態で、どうしていったらよいのでしょうか?」


そう聞くと、先生はこう答えた。



「検査の反応が良くないことは事実。ですが、ちゃんとコミュニケーションを普通と変わらず取れることもまた事実。娘さんの耳が色々なものをカバーしながら一生懸命聞き取っているのかもしれないと、個人的な意見として思います。」



あぁ、そうか。

これ以上理由なんて
必要ないんだな真顔


確かに聴力は弱いのかもしれないけど、
娘なりに聴こえているのだから。


聴こうとして、
吸収しようとして、
楽しもうとして、


そんな娘の
パワーを信じて

もしも困った事があれば
家族みんなで精一杯
フォローしていけば
いいんだ!


ウインク何も問題ないウインク










そして娘は今年で5歳になる。



歌と踊りが大好きな娘は「歌手になりたーいおねがい」と、毎日歌って踊って楽しんでいる。









※その後もCOR検査というものを受けたりしているが、小さい音の反応と、特に高音と低音の反応があまり良くない。

だが、必要ない。問題ない。


娘が笑顔たっぷりの毎日を
過ごせているんだから!!デレデレ