これはうちの息子たちが
まだまだ小さかった時の話。
ある日、県外の嫁ぎ先に
帰っていったばかりの義姉が
間も無くこっちに戻ってきた。
まぁいつもの事だ。
どっちが自宅なのかわからない状態だ。
お下がりの子ども服がたくさん入った袋を
手にしている義姉。
袋といってもショップのオサレな袋ではない。
スーパーのビニール袋だ。
それもホームセンターのクソデカイもの
小汚そうな古着がクシャクシャに
丸められて、パンパンに詰まっている。
それ、今から捨てに行くんですよね?
そう言いたくなる見た目だ。
義姉はそんなゴミ袋を私に突き出して
こう言った。
「いっぱい服もらったんだけどさ、うち、こういうの着させないから。◯◯さん使って〜」
反射的に「ありがとうございます。」
と返事をしてしまい、同時に手を伸ばした。
埃っぽい(ように見える)ビニール袋を
おそるおそる開けようとしたら
まさかの固結び
やっぱり捨てようと思ってただろ。
そのまま捨てるのもアレだし、と
仕方なくハサミで切って見る。
何世代にも渡って使い古されたような
毛玉だらけの服がつまっていた。
青いスウェットの毛玉のズボンを
おそるおそる開いてみる。
なんとお股に穴
パジャマにも出来ないだろ。
白いTシャツは
シミと共に襟ぐりダルンダルン。
肩落ちるよね完全にね。
パジャマにも出来ないだろ。
ジャージ素材の薄汚い短パンのウエストは
ゴムの存在がもはやない。
しかしながら、
ゴムの入れ替えも出来ない形状。
パジャマにも出来ないだろ。
うちは基本的に、ありがたいことに
お下がりをたくさん頂くので、
かなりお下がりに助けられて子育てを
してきている。
そしてまた私も、
まだまだ使えそうな
状態の良いものは使ってもらったり、
を繰り返してきた。
でも。
人に譲って使ってもらうような時って
もらった人が気持ちよく使えるように
考えてから渡す。
いくらタダであげる物だからって、
なんでも良い訳でない。
「うちには必要無いものだから
気にしないでね。」と
そう言われてもやっぱり気を使うし
ありがとうございます、
いつもすみません、と感謝もする。
洗って綺麗にたたんで、
あまりにもシミだらけの物はもちろん
避けるし、何より
『これは自分がもらったら使えなくて
嫌だなぁ。』
そう思う物は絶対渡さない。
私の周りのお友達は
皆、そういう人ばかりだった。
言わば常識のあるママさん。
よって義姉の非常識さが
より際立つのだ。
自分だったらどう思うか
少しは考えないのか?
私はゴミ箱ではない