9日の重賞は、以下の2つである。いずれもサマーシリーズの最終戦だ。

 

○セントウルステークス(GII)

阪神競馬場の芝1200mで争われる3歳以上の重賞競走。サマースプリントシリーズ最終戦、WIN5対象レースの4つ目である。

 

創設は1987年で、当時は1400mの距離にGIIIの格付けとされていた。2000年に1200mへ短縮され、スプリンターズステークスの前哨戦と呼ばれるようになった。2006年にGIIへ昇格、サマースプリントシリーズの最終戦に組み込まれた。2014年より本レースの勝ち馬には、スプリンターズステークスへの優先出走権が与えられる。2017年より、産経新聞が寄贈賞を提供する形で「産経賞セントウルステークス」と、産経賞が前に来るようになった。なお産経新聞は、この後行われるオールカマーにも寄贈賞を提供し、「産経賞オールカマー」のレース名としている。

 

このレースは短距離でありながら、波乱の少ない重賞レースでもあり、1番人気が勝ちやすい傾向がある。但し、人気薄が来ることも考えられるため、以下のデータ分析から見るポイントをあげたい。

 

◆単勝1番人気の成績は優秀。中でも阪急杯・オーシャンステークス・高松宮記念・函館スプリントステークス・CBC賞・北九州記念などといった短距離重賞レースの勝ち鞍がある出走馬が1番人気に支持された場合、成績は優秀な傾向にある。

◆前走で先行して粘り切れなかったり、もしくは位置取りが後方となり差し届かなかった出走馬が巻き返す傾向にある。

◆前走がGIIないし高松宮記念・香港チェアマンズスプリントなどのGIレースからの参戦馬は好走傾向にある。

◆重賞勝ちが多ければ多いほど好走傾向にある。

 

○秋の大一番へ

今年は中京競馬場の開催となるセントウルステークス。BCメアリーターフを目指すヴィクトリアマイル覇者テンハッピーローズを初め、アイビスサマーダッシュ覇者モズメイメイと昨年の同レース覇者かつアイビスサマーダッシュ3着馬テイエムスパーダ、北九州記念覇者ピューロマジックと2着馬ヨシノイースター・3着馬ストーンリッジ、昨年の京阪杯と今年のオーシャンステークス覇者トウシンマカオなど、短距離馬が出揃った。制覇するのは…?

 

歴史・コース:産経賞セントウルステークス 今週の注目レース JRA

データ分析:産経賞セントウルステークス 今週の注目レース JRA

 

○京成杯オータムハンデキャップ(GIII)

中山競馬場の芝・外回りコース1600mで争われる重賞競走。サマーマイルシリーズの最終戦、WIN5対象レースの5つ目となっている。中山競馬場最寄りの東中山駅を通っている京成電鉄が寄贈賞を提供している。(※京成電鉄では、他にも京成杯及び地方競馬の京成盃グランドマイラーズで寄贈賞を提供している。)

 

京成杯オータムハンデキャップの創設は1956年で、当初は東京競馬場で実施され、単なる「オータムハンデキャップ」のレース名であった。3年後の1959年には、京王電鉄が寄贈賞を提供する形で「京王杯オータムハンデキャップ」となっている。その後の幾度かの距離や開催地変更もあり、正式に中山競馬場開催へ移動したのは1980年からで、現レース名になったのは1998年からである。この時、秋の東京競馬場で実施される2歳ステークスと寄贈賞の提供を交換して、京王杯2歳ステークスと京成杯オータムハンデキャップとなっている。2012年にサマーマイルシリーズの最終戦へ組み込まれた。

 

様々なメンバーがそろうため、波乱を呼ぶことがある。以下のデータ分析から見るポイントをあげたい。

 

◆前走で単勝6番人気に支持されていた場合は好走傾向にある。但し、7番人気以下の場合、前走がNHKマイルカップ・ヴィクトリアマイル・香港チャンピオンズマイル・安田記念といったGIレース以外の参戦馬は、苦戦傾向にある。

◆前回出走したレースが中京記念を含む中4週以上の間隔を開けてきた出走馬の成績は優秀。但し、それ以内の場合は、トゥードジボンが関屋記念で逃げ切り勝ちを決めたように、前走で勝利していてかつ2着以下を離していた場合は巻き返しに注意したい。

◆馬番10~12番の成績が優秀。但し、それより外の成績は不振。

◆京王杯スプリングカップ・香港チャンピオンズマイルや安田記念など、1800m未満のGIレースとGIIレースで好走歴がある。

◆5歳馬及び関西馬の成績は優秀。

 

○難解予想のハンデ戦を制するのは…?

現在サマーマイルシリーズは、トゥードジボンが18ポイントを獲得しており、今回本レースの登録はなかったことから、このままマイルチャンピオンシップに進むものとみられる。なおトゥードジボンに大逆転する可能性があるのは、米子ステークスと関屋記念を連続で2着に入ったディオだ。勝てば無条件で大逆転勝利となり、岩田康誠騎手もサマーシリーズチャンピオンに輝く。負担重量は57.5キロと、米子ステークスの58キロに比べれば大きな変動はない。やっかいなのは、3歳牝馬のアスコリピチェーノだ。桜花賞・NHKマイルカップと連続2着に入っているが、55.5キロというハンデがどう響くか気になるところだ。この難解ハンデ戦を勝利するのは…?

 

歴史・コース:京成杯オータムハンデキャップ 今週の注目レース JRA

データ分析:京成杯オータムハンデキャップ 今週の注目レース JRA

 

今回のWIN5対象レースはこちら。

1-白井特別

2-浜松ステークス

3-セプテンバーステークス

4-セントウルステークス

5-京成杯オータムハンデキャップ

WIN5対象レース | 2024年9月8日 レース情報(JRA) - netkeiba