6月2日には、GIレースの安田記念が待っている。

 

安田記念は、東京競馬場の芝1600mで争われる3歳以上・定量戦のGIレースである。WIN5対象レースの5つ目にあたる。

東京競馬場の5週連続GIを締めくくる競走としても知られ、ここからは3歳以上の出走馬も可能となるなど、上半期のマイル王決定戦といっても過言ではない。

 

安田記念の歴史は、1951年のハンデキャップ競走から始まる。当初は「安田賞」と名乗っており、1958年に現行レース名へ改称された。創設時より、東京競馬場の1600m実施で現在も変更はないが、1984年のGIグレード格付けに伴いオークスの翌週開催と4歳以上への出走条件に変更、1996年に日本ダービーの翌週開催に移動し、3歳以上の出走も可能になっている。

 

以下はJRAのHPに掲載されている安田伊左衛門の歴史である。

 

安田伊左衛門氏は、1872年岐阜県生まれ。生家に馬がいる環境で育ち、幼いころから馬との触れ合いを好んでいた。戦時中には、海外と比べて日本馬の能力が劣ることを痛感し、「日本馬を改良して強くしたい」という信念を持つ。

日本馬改良のためには、馬券の売上げで興業を支える競馬開催を行うことが、より強い馬をつくることになると考え、競馬開催に向けて活動。加納久宜公らと共に1906年に東京競馬会を設立し、馬券を発売する競馬開催を実現させた。

1908年に政府から馬券発売禁止命令が発令されたが、禁止命令の解除と馬券発売を認める競馬法案の制定のために自らが衆議院議員になり、法案通過に向けて「競馬のため、日本馬改良のためには馬券発売が必要」と16年間にわたり、諦めず議会を説得し続け、ついに馬券発売を認める競馬法が1923年に公布された。

馬券発売が復活し、馬産地も徐々に活性化されつつある中、オーストラリアの競馬場を視察するなど早くから海外に目を向け、ダービーを頂点とする競走体系を確立することの必要性を感じていた安田氏は、1930年に「東京優駿大競走編成趣意書」を公表。当時として破格の金額であった1着賞金1万円が設定され、1932年4月24日、スタンドを埋め尽くした大観衆の中、英国のダービーにならった「第1回東京優駿大競走(現在の日本ダービー)」が目黒競馬場で開催された。

日本中央競馬会が設立された1954年、初代理事長に就任。1958年の第19回優駿牝馬(オークス)が行われた日に85歳で逝去した。

「日本競馬の父」と呼ばれる安田氏が抱き続けてきた「日本馬の改良」への想い、努力、行動は、「競馬開催」、「馬券発売」、「日本ダービー創設」などに結実し、それが日本型ともいえる競馬の礎となり、現在の中央競馬の発展に繋がっている。

 

本レースの勝ち馬には、2016年よりアメリカのブリーダーズカップ・マイルへの優先出走権が、2017年より3着以内の入線馬には、フランスのジャック・ル・マロワ賞及びムーラン・ド・ロンシャン賞の優先出走権が与えられる。(※後者は2021年に追加された。)

 

この安田記念は、負担重量が3歳馬の場合54キロ、4歳以上は58キロで、牝馬は-2キロの数値になる。波乱傾向があり、過去にロゴタイプが逃げ切り勝ちをしていることもあり、過去10年間のデータ分析から見て、重要なポイントを挙げたい。

 

◆前走が1着の場合は、3着以内に好走しやすい傾向がある。

◆外枠がやや優勢にある。

◆鋭い末脚をもっている出走馬がいれば心強い。

◆前走が国内のレースだった場合、単勝5番人気以内の支持なら好走しやすい傾向にあるが、ドバイデューティーフリーや香港クイーンエリザベス2世カップなど海外の場合は、特に単勝人気を気にしなくてもいい。

◆近3走で、ブリーダーズカップマイル・マイルチャンピオンシップ・香港マイルなど芝1600mのGIレースに出走し、最高着順が10着以下でない場合は、ここで巻き返せるチャンスがある。

 

  

○香港現役最強馬、襲来!

今年は、香港現役最強馬のロマンチックウォリアーとヴォイッジバブルの2頭を加え、18頭立てのフルゲートで実施される。ロマンチックウォリアーは今回7番に入ったが、7番ゲートに入った成績は全て勝利しているという驚異的なデータがある。香港スチュワーズカップ以来久しぶりのマイル戦になるが、ジェームス・マクドナルド騎手のコンビで海外産馬久しぶりの安田記念制覇を狙う。ヴォイッジバブルも同じで、前回の香港チャンピオンズマイルも3着に入っている。今回は前走で組んだジェームス・マクドナルド騎手がロマンチックウォリアーに騎乗するため、香港ゴールドカップ以来のザガリー・パートン騎手で挑む。こちらも実力馬だけあって負けられない。

対抗する16頭の日本馬も様々な路線から来ており、ヴィクトリアマイル2着馬フィアスプライド、読売マイラーズ覇者ソウルラッシュと2着馬セリフォス・4着馬ダノンスコーピオン、ダービー卿チャレンジトロフィー以来の参戦になるパラレルヴィジョン、中山記念2着馬ドーブネと3着馬ジオグリフ、香港マイル3着馬ナミュール、前走フェブラリーステークス2着と道悪も強いガイアフォース、今年の東京新聞杯2着馬で先行しやすいウインカーネリアンなどが揃っている。ただ、上記の表にもある通り、堅い決着は期待薄…?上半期総決算のマイル戦を制覇するのは?

 

歴史・コース:安田記念 今週の注目レース JRA

データ分析:安田記念 今週の注目レース JRA

 

今回のWIN5対象レースはこちら。

1-香港ジョッキークラブトロフィー

2-下鴨ステークス

3-タイキシャトルカップ

4-松風月ステークス

5-安田記念

WIN5対象レース | 2024年6月2日 レース情報(JRA) - netkeiba

 

今回も2会場開催のため、JRAダイレクトは14時15分、即PATやA-PATは14時20分締め切りになるので、ご注意あれ。