今週末は、東京競馬場・中京競馬場・新潟競馬場の3か所体制で行われる。

3ヵ所いずれも重賞競走が待っている。

 

○京都新聞杯(GII)

京都競馬場の芝2200mで争われる3歳馬限定の重賞競走。京都新聞社が寄贈賞を提供している。

 

創設は1953年、菊花賞トライアル競走として「京都盃」のレース名で芝2400mにより施行されたのが始まり。1967年に菊花賞トライアル競走へ指定され、1971年に京都新聞杯へ改称された。その後、距離を幾度か変更しながら行われてきたが、2000年に菊花賞の開催時期を繰り上げると同時に、本レースは5月開催へ移動、菊花賞トライアル競走から外され、代わりに日本ダービーの前哨戦として実施される形になった。

記憶に新しいのは、2019年のダービー馬ロジャーバローズで、本競走で2着に入り、賞金を加算して日本ダービーの出走を果たしている。他にも過去の勝ち馬として、その後のGIレース(※海外・国内問わず)で活躍するカツラギエース、ナイスネイチャ、ミホノブルボン、ダンスインザダーク、スペシャルウィーク、アドマイヤベガ、ハーツクライ、インティライミ、キズナ、ステイフーリッシュ、ディープボンドなどがいる。過去10年間におけるデータ分析から見るポイントをあげたい。

 

◆鋭い末脚を持つ馬に好走傾向がある。

◆京都・阪神競馬で1勝クラス戦以上のレースを4着以内の成績は好走しやすいが、そうでない場合は芝コースの重賞で4着以内の実績があるといい。

◆前走と中5週以上の間隔は好走傾向にある。

◆馬体重480キロ未満は近年成績不振にある。

 

◯重賞実績は重視か?

今回は15頭が出走する京都新聞杯。うち芝の重賞で4着以内の実績があるのは、毎日杯3着馬のベラジオボンドと4着馬ファーヴェント、京都2歳ステークス2着馬プレリュードシチー、札幌2歳ステークス3着馬ギャンブルルーム、京成杯4着馬ハヤテノフクノスケ、きさらぎ賞4着インザモーメントだ。これらを中心に組み立てたい。

 





 

○プリンシパルステークス

東京競馬場の芝2000mで争われるリステッド競走。日本ダービートライアル競走に指定されている。競走名は、「主役」の意味。

 

創設は1996年と比較的新しく、ダービートライアルだったNHK杯の代わりにNHKマイルカップが創設、NHK杯の代替として本競走が創設された。当時は芝2200mで、2003年に現行の2000mに変更された。実施時期は創設以来、5月上旬~中旬で変更はない。なお、このレースの勝ち馬のみに日本ダービーへの優先出走権が与えられる。

過去の勝ち馬には、その後のGIレースで活躍するダンスインザダーク、サイレンススズカ、ルーラーシップ、スピルバーグ、コズミックフォースなどがいる。

 

◯ダービー行きは1枚のみ

今年のメンバーは13頭で、日本ダービーへの優先出走権は1枚のみである。13分の1という確率をどう見極められるかがポイントになりそうだ。

弥生賞で振るわなかったダノンエアズロックとファビュラススターを中心に組みたいが、東京競馬場の芝2000mは特殊なコースとなるため、どうしても外枠は来づらい傾向にある。共同通信杯4着の実績があるディマイザキッド、アーリントンカップ5着馬ポッドテオ、新馬戦で上がり33秒1の末脚を出したシャンパンマークなどを選びたい。

 

○新潟大賞典(GIII) ※5/5

新潟競馬場の芝・外回り2000mで争われる4歳以上のハンデキャップ重賞競走。新潟競馬場の春開催で、唯一行われる重賞競走でもあり、5日に行われるWIN5の3つ目に指定されている。

 

新潟大賞典の始まりは、1967年から1977年まで福島競馬場で行われていた「福島大賞典」で、1978年に新潟競馬場で代替開催となり、翌1979年に福島大賞典の代わりとして本競走が創設された。古馬のハンデキャップ競走として、その後のサマー2000シリーズに指定されている新潟記念などにも影響する。

 

1984年にグレード格付けをGIIIとして設定。2001年の馬場改修工事により、2002年から右回り→左回りに変更して現在に至る。ハンデキャップ競走な上に波乱も呼びやすいので、過去10年間におけるデータ分析から見るポイントをあげたい。

 

◆過去11年間で、1・2・4番人気の勝ち馬が少なく、3番人気・5番人気合わせて5勝、6番人気以下でも5勝している。

◆前回出走レースで、GIレースからの参戦や3勝クラスからの昇級戦に挑む出走馬に好走傾向がある。

◆前走がGII、GIII、オープンクラスからの参戦馬のうち、5着以内の場合は好走しやすく、その中でも前年の新潟記念や中山金杯など、芝2000mの重賞(※ハンデ・別定・定量問わず)で3着以内の実績を残していれば、心強い。

◆7歳以上は好走傾向にある。

◆左回りの成績が良好。特に非サンデーサイレンス系が種牡馬である他、父または父の父が東京競馬場の2000mにおけるGIレースで好成績を出していた。

 

◯カラテ連覇か?新潟記念覇者ノッキングポイントか?他馬の奮闘か?

新潟大賞典は、前述のある通り過去10年間で1番人気勝ちがなく、上位人気が苦戦を強いられるケースが多い。これは負担重量がハンデキャップということもある穴馬党におすすめのレースだ。

トップハンデは、59.5キロであるカラテ、最軽量は53キロのファユエンだ。差は6.5キロと大きいが、これがどう響くのか。昨年の覇者カラテは左回りの成績が良好で、東京新聞杯も勝利している経験がある。新潟大賞典の連覇は過去マイヨジョンヌ1頭(1996年~1997年)のみだが、2勝はこれ以外にパッションダンス(2013年、2016年)も達成している。それ以来の偉業なるか?

昨年の新潟記念覇者ノッキングポイント、香港ヴァース以来の復帰になるレーベンスティール、左回り巧者リフレーミング、金鯱賞で好走したヨーホーレイクなども注目したい。