今週は4/29のJRA開催はないものの、引き続き京都競馬場・新潟競馬場・東京競馬場で行われ、東京競馬場は5週連続のGIレースの先陣であるNHKマイルカップが控えているが、その前に地方競馬では、29日に園田競馬場で3歳馬限定の交流ダート重賞(JpnII)の兵庫チャンピオンシップ(JpnII)、5/1に船橋競馬場で交流ダート重賞(JpnI)のかしわ記念、さらには海外競馬でアメリカ競馬ダート三冠クラシックのケンタッキーダービー、5/6に新名古屋競馬場で名古屋大賞典もある。このうち名古屋大賞典以外の3レースは、出走馬と枠順が決まったので一気に紹介したい。

 

□兵庫チャンピオンシップ(JpnII) ※4/29

このレースは、園田競馬場のダート1400mで行われる3歳馬限定の重賞競走である。3歳ダートスプリントシリーズの1つ。今年は16時00分発走の第11レース目として行われる。

 

2000年の創設以来、開催競馬場は園田競馬場、距離は1870m、実施時期は大型連休中のパターンで定着していたが、2024年のダート改革に伴い、今年から実施距離を1400mに短縮して行う。地方馬の優勝は、2000年の笠松所属馬ミツアキサイレンス・2001年の地元兵庫所属ロードバクシンの2回のみで、残りはJRA勢が圧倒している。

 

出走枠は12頭までで、JRAからは5頭の枠が与えられている。なお地方所属馬に限り、3歳馬限定のネクストスター北日本・中日本・東日本・西日本の優勝馬に、本レースへの優先出走権が与えられる。今年は以下の11頭が出走する。

 

1-1 チカッパ(JRA、吉村智洋)

2-2 リケアザブル(高知、吉原寛人)

3-3 エートラックス(JRA、ジョアン・モレイラ)

4-4 ダイジョバナイ(兵庫、大山真吾)

5-5 イーグルノワール(JRA、武豊)

6-6 エコロガイア(JRA、川田将雅)

6-7 ギガース(船橋、森泰斗)

7-8 ダイボウケン(兵庫、杉浦健太)

7-9 クルマトラサン(船橋、矢野貴之)

8-10 クラウドノイズ(兵庫、大山龍太郎)

8-11 モズミギカタアガリ(JRA、ミルコ・デムーロ)

 

◯さきたま杯・北海道スプリントカップへの前哨戦

6月中旬開催となり、3歳以上も出走できるように変更、さらにグレード格付けがJpnIになった浦和競馬場のさきたま杯を見据える出走馬もそれなりにいるのではなかろうか。今年から兵庫チャンピオンシップはダート1400mの距離に変更され、もちろんさきたま杯だけでなく3歳馬限定の北海道スプリントカップの前哨戦も兼ねる。

筆頭は、昨年の兵庫ジュニアグランプリを勝利したイーグルノワールが挙げられよう。全日本2歳優駿は2着、前走の雲取賞は4着と振るわなかったが、今回は主戦の松山弘平騎手が落馬負傷で騎乗できないため、大ベテランの武豊騎手に託す。勢いに乗るエートラックスも候補の1頭で、前走のバイオレットステークスも勝利している。ジョアン・モレイラ騎手がどんな手綱を見せてくれるのか?

他にもネクストスター東日本勝ち馬のギガースと2着馬クルマトラサン、ブルーバードカップ2着馬エコロガイア、昨年のエーデルワイス賞覇者モズミギカタアガリ、ネクストスター西日本覇者リケアザブルなど、優秀な3歳馬が揃った。新生兵庫チャンピオンシップを制覇するのは…?

 

データ分析|兵庫チャンピオンシップ 2024年|ダートグレード競走特設サイト (keiba.go.jp)

レース紹介|兵庫チャンピオンシップ 2024年|ダートグレード競走特設サイト (keiba.go.jp)

兵庫チャンピオンシッ(Jpn2) 出馬表 | 2024年4月29日 園田11R 地方競馬レース情報 - netkeiba

 

◯かしわ記念(JpnI) ※5/1

このレースは、船橋競馬場のダート1600mで争われる4歳以上の交流ダート重賞競走である。グレード格付けはJpnI。レース名は、かつてあった柏競馬場に因む。船橋競馬場では唯一のJpnIレースで、1着賞金も8000万円と、船橋競馬場では最高額のレースである。今年は5月1日開催で、20時05分発走の第11レース(ハートビートナイター)で実施される。

 

かしわ記念が創設されたのは1978年で、比較的歴史は浅い。当時は船橋競馬場限定の重賞競走となっており、1800mの距離で行われていた。1989年に重賞競走へ昇格、1996年に地方・中央交流重賞競走に指定され、現行の1600mに変更している。JRAではダート競走において、短距離向けの大きなレースがほとんどないことから、地方・交流重賞競走に指定されて以降は、帝王賞の前哨戦に位置づけられる形となる。

実施時期は当初4月下旬~6月初旬とバラバラであったが、JpnI昇格した2005年以降は大型連休中の開催が定番化している。その際、昼間開催になることが多いが、前記した通り今年も夜間開催(ハートビートナイター)として行われる点も特筆されたい。交流ダート重賞化された1996年以降の地方所属馬による優勝が多く、大井所属馬が1回(1996年ヒカリルーファス)、地元船橋競馬場所属馬は何と7回(1998年アブクマポーロ、1999年サプライズパワー、2002年トーシンブリザード、2004年ナイキアディライト、2006年アジュディミツオー、2011年フリオーソ、2021年カジノフォンテン)もある。

 

出走枠は最大14頭までで、JRAからは6頭、残りはすべて地方競馬所属になる。南関東所属馬のうち、以下の成績を満たした場合に本レースへの優先出走権が与えられる。

 

▲報知グランプリカップ…勝ち馬のみ

▲京成盃グランドマイラーズ及び東京スプリント…2着以内に入った地方所属馬

 

またこのレースで、地方所属馬が2着以内に入れば、帝王賞への優先出走権が、地方所属馬が3着以内に入り、その最先着馬には、さきたま杯への優先出走権がそれぞれ与えられる。今年は以下の13頭を予定している。

 

1-1 ウィリアムバローズ(JRA、坂井瑠星)

2-2 タガノビューティー(JRA、石橋脩)

3-3 キャッスルトップ(船橋、山田義貴)

4-4 オメガレインボー(浦和、野畑凌)

4-5 シャマル(JRA、川須栄彦)

5-6 ミックファイア(大井、吉原寛人)

5-7 クラウンプライド(JRA、川田将雅)

6-8 カジノフォンテン(船橋、石崎駿)

6-9 ギャルダル(船橋、矢野貴之)

7-10 ペプチドナイル(JRA、藤岡佑介)

7-11 ギガキング(船橋、和田譲治)

8-12 リュードマン(船橋、笠野雄大)

8-13 キングズソード(JRA、ジョアン・モレイラ)

 

◯今年は難しい…?

今年はどの馬が勝ってもおかしくないメンバーが揃った。それだけ予想に頭を悩ませること間違いなし。

まず筆頭に挙げられるのは、フェブラリーステークスを11番人気で勝利したペプチドナイルであろう。藤岡佑介騎手が兄の分まで背負い、ダートJpnIも制覇を狙いたい1頭だ。対するのは昨年のダート三冠クラシック覇者ミックファイアだ。前走のフェブラリーステークスでは7着だったが、東京大賞典8着からの立て直しを図る分には十分な成績だった。帝王賞への出走に向けての前哨戦ともいえようか。

他にも東海ステークス勝ち馬ウィリアムバローズ、船橋のマイル重賞は得意とするギガキング、黒船賞で復活の優勝を挙げたシャマル、フジノウェーブ記念勝ち馬ギャルダルなど、13頭が揃っている。勝利するのは…?

 

レース紹介|かしわ記念 2024年|ダートグレード競走特設サイト (keiba.go.jp)

データ分析|かしわ記念 2024年|ダートグレード競走特設サイト (keiba.go.jp)

出馬表|地方競馬情報サイト (keiba.go.jp)

かしわ記念(Jpn1) 出馬表 | 2024年5月1日 船橋11R 地方競馬レース情報 - netkeiba

 

★ケンタッキーダービー(GI) ※5/4

このレースは、アメリカ・ルイビル州チャーチルタウンズ競馬場のダート2012m(※現地では10ハロンと呼ばれることが殆ど)で争われる3歳馬限定の国際GIレースである。メジャーリーグやアメフトなどを凌ぐアメリカ国内有数のスポーツイベントで、アメリカ競馬における3歳ダート三冠クラシックの1つ目である。日本時間では8時頃、現地時間では5月4日19時頃の発走予定となっている。

 

ケンタッキーダービーの創設は1875年と、歴史は大変古い。イギリスのダービーステークス、フランスのパリ大賞典を参考に、チャーチルタウンズ競馬場の運営者によって創設された。第1回は15頭立てで、距離は1マイル1/2の約2400mという内容であった。1896年に現行の10ハロン(ダート2012m)に改定、1973年に国際GIレースのグレード格付けがなされ、今日まで至る。アメリカでは戦争などで開催中止に追い込まれたレースもあるが、このケンタッキーダービーに関しては、現在まで中止のケースは1度もなく、分割開催も未経験である。2020年だけCOVID-19の流行で開催時期を9月に移行、ダート三冠クラシックの最終戦に組み込まれて実施したぐらいで、それ以外は5月最初の土曜日開催のまま推移している。2016年に日本馬のラニがアメリカダート三冠クラシックの全レースに出走し、日本でも注目を集めたことで、チャーチルタウンズ社においても「Road to ケンタッキー」を創設し、日本国内においても該当レースに出走し、ポイントを獲得することで、ケンタッキーダービーへの出走権を手にすることができるようになった。

 

ケンタッキーダービーへの主な対象レースを以下に挙げる。各レースとも5着以内の入線でポイントが加算され、最終的に出走ポイントが多ければ多いほど、ケンタッキーダービーへの出走資格が得られる。

●ブリーダーズフューチュリティステークス

●BCジュベナイル

●ケンタッキージョッキークラブステークス

●UAEダービー(ドバイ・メイダン競馬場)

●サンタアニタダービー

◇カトレアステークス

◇伏竜ステークス

◇全日本2歳優駿(※川崎競馬場、12月中旬頃実施)

◇ヒヤシンスステークス

★ジャンリュックラガルテール賞(フランス・ロンシャン競馬場)

★フューチュリティートロフィー(イギリス)

★パットンステークス(アイルランド)

 

出走資格はフルゲート20頭までで、補欠馬はだいたい3~5頭程度。出走回避馬が出た場合は、順次内側へ移動し、補欠馬を埋めていく。日本からは以下の2頭が出走する。

◯フォーエバーヤング(坂井瑠星)

◯テーオーパスワード(木村和士)

 

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