さて、中山競馬場では2つのGIレースが控えているが、まずは春の障害王決定戦 中山グランドジャンプ(J・GI)が行われるので、こちらを見ていきたい。

 

中山グランドジャンプは、中山競馬場の芝・外回り4250mで行われるJ・GIレースである。

 

この競走はもともと、東京競馬場の日本ダービーに匹敵するレースを中山競馬場にもという考えから、当時の中山競馬倶楽部理事長であった肥田金一郎氏により、1934年に「大障害特別」として創設されたのがきっかけ。現在の年末大レースで注目されている有馬記念よりも遥かに歴史が古いのだ。因みに初回は12月に行われ、翌年から春と秋の2回開催体制となっている。1948年の秋には「中山大障害」へ改称された。年に2回しか使わない大障害コースを用いて行うのが特徴。

 

その後、障害競走の改革として1999年にグレード制を導入。最高峰のJ・GIに格付けされ、春の開催を現行の中山グランドジャンプに変更し、年末開催は中山大障害のままで残された。なお、改称当時は芝4100mであったが、2001年の第3回から、国内GIレース最長距離の芝4250mに延長された。因みに2011年は震災の影響もあり、7月の開催に変更、この時だけ芝4260mの距離で執り行われた。

 

中山大障害では、大障害コース(大竹柵及び大生垣)を各1回ずつ計2回飛んだあと、坂を下って第2コーナーを回った後はスタート直後の障害を飛んでそのままゴールしていくのだが、この中山グランドジャンプは中山大障害と少し異なり、大竹柵・大生垣を飛び越え、第2コーナーを回った後は外回りコースへ入り、仮設に置かれた3つの障害(第3・第4コーナー直前とスタンド前の置き障害)を飛び越えてゴールするのが特徴である。そのため、障害は12回飛び、坂路は5回ほど超えなくてはならない。途中での落馬競走中止もあり得ることから、人馬一体となってどう完走できるかもカギを握る。

 

今回の出走頭数は10頭であるが、昨年の中山大障害の中波乱のようなこともあり得るため、過去10年間のデータ分析から見るポイントをあげていこう。

 

★前回出走が阪神スプリングジャンプないし中山大障害から本レース直行の場合、3着以内の好走率が高い。

★前回出走レースで3着以内と好走した方が好成績を残しやすい。

★前年以降の中山グランドジャンプ・中山大障害で3着以内の好走経験があるが、そうでない場合は前走が4着以内でも油断大敵。

★5歳以下は近年馬券内に絡んでないので、差し引いた方がお得。(※通常のGIレースや平地重賞だと、若い方の出走馬は好走しやすい傾向にあるが、この中山グランドジャンプ・中山大障害の場合はベテラン勢が好走しやすい傾向にあり、正反対となっている。)

 

 

◯障害レースの新時代

上記の表を見ると、ここ近年は言うまでもなくオジュウチョウサンの大活躍であろうか。但し、共通しているのは上記にもある通り、5枠から外の方で優勝馬は出ているが、昨年は内枠のイロゴトシが勝利している。今年は12頭が本レースに挑む。

阪神スプリングジャンプ組を狙うならメイネルグロン・ニシノデイジー、ペガサスジャンプステークス組から狙うならビレッジイーグル辺りを狙いたい。いざ春の障害王を勝ち取るのは…?

 

歴史・コース:中山グランドジャンプ 今週の注目レース JRA

データ分析:中山グランドジャンプ 今週の注目レース JRA