今週は、中山競馬場・阪神競馬場・福島競馬場の3会場開催になる。

ここでは、土曜日の重賞について触れたい。

 

○阪神牝馬ステークス(GII)

阪神競馬場の芝・内回りコース1600mで争われる4歳以上牝馬限定の重賞競走。サンケイスポーツを発行する産経新聞が寄贈賞を提供している。

 

この競走は、1958年に阪神牝馬特別として創設されたのが始まりで、当初は3歳以上の牝馬限定によるハンデキャップ競走だった。1970年にサンケイスポーツ杯阪神牝馬特別と変更され、2001年に現行レース名となった。創設当初は、暮れの1800m開催になっていたが、1996年に芝1600mで落ち着いている。2006年にヴィクトリアマイルが5月へ創設されたのをきっかけに、同レースは4月開催への変更と1400mに短縮されたが、2016年に元の芝1600mへ戻した。

 

本レースの勝ち馬には、ヴィクトリアマイルへの優先出走権が与えられるが、本レースの勝ち馬でなくとも、ここから同一年のヴィクトリアマイルに進んだ出走馬も多く、好走した経験もそれなりにある。

データ分析から見るポイントをあげたい。
 

◆過去10年間の勝ち馬が多いのは、前走が愛知杯などのGIII組。但し、北九州短距離ステークスなどのオープンクラス・3勝クラス組からの参戦が昨年まで3連勝中なので、今回も該当する牝馬がいれば狙いたい。

◆前走のレースが1着の方が好走率が高い。但し、前回のレースで10着以下でも巻き返す場合がある。フォーメーションの馬券を組み立てるには参考するのもいい。

◆前回出走のレースで3番人気以内に支持されていた。

◆ディープインパクト産駒がいると好走率は高い。

 

◯ヴィクトリアマイルの切符

今回の出走メンバーは11頭で、地方所属馬のスピーディキックがフェブラリーステークス10着からの巻き返しを狙う。阪神競馬場への長距離輸送がカギになるが、右回りとしても大井競馬場の東京シンデレラマイルを制覇している経験はあるので、候補として入れておくのも問題はないかもしれない。鞍上は引き続き御神本訓史騎手で挑む。

JRA勢の有力馬は、短期免許を取得したジョアン・モレイラ騎手が騎乗するマスクトティーヴァだろう。前回の東京新聞杯は6着と不覚を取られたが、ローズステークス覇者・秋華賞2着の実績は見落とせない。

他にもエリザベス女王杯4着のライラック、昨年のニュージーランドトロフィーとNHKマイルカップ2着馬ウンブライル、豪快な末脚が得意なモリアーナ、前回の洛陽ステークスを勝利したドゥアイズなど、ヴィクトリアマイルへの前哨戦を制覇するのは…?

 

歴史・コース:サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス 今週の注目レース JRA

データ分析:サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス 今週の注目レース JRA

 

○ニュージーランドトロフィー(GII)

中山競馬場の芝1600mで争われる3歳馬限定の重賞競走。「NZT」と略されることがある。

 

1971年にニュージーランドのベイオブプレンティレーシングクラブより、本カップの寄贈を受けて行われた「ベイオブプレンティレーシングクラブ賞グリーンステークス」が本競走の前身とされ、1983年にニュージーランドトロフィー4歳ステークスとして創設。5月~6月の東京競馬場にて芝1600mで開催されていた。1984年にGIIIへ格付け、GII昇格は1987年、現行レース名となったのは2001年からである。一時期、レースレーティングが格付基準を下回っていることから、GIIIへの降格が噂されており、気がかりな存在だったが、グレード格付けの格下げは回避となりGIIのまま推移することとなった。(※NHKマイルトライアル競走のもう1つのアーリントンカップはGIIIのまま)

 

NHKマイルカップの1996年創設に伴い、本競走はアーリントンカップと共に同トライアルレースに指定され、4月後半の開催に繰り上がり、芝1400mに変更。その後2006年に開催場所を中山競馬場に、かつ開催時期を4月上旬に移動し、芝1600mに戻された。本レースで馬券内の3着以内に入れば、NHKマイルカップへの優先出走権が与えられる。

 

NHKマイルカップが波乱になりやすい傾向にあるが、このレースも1番人気がなかなか勝てないというジレンマがある。まだ経験が浅い3歳馬ということもあるが、データ分析から見るポイントを挙げたい。

 

★前走で単勝5番人気以内に支持されていた方が勝ちやすい傾向にある。

★過去3レースで7着以下が1回もない方が好走しやすい。

★前走が芝1400m・芝1600m組の方が勝ちやすい傾向にあるが、3着以内は芝1200mないし芝1800m以上からの参戦馬の方が高め。

 

◯NHKマイルカップの挑戦権は3つ

今年はフルゲート16頭により争われ、NHKマイルカップへの優先出走権は3つ。昨年の本レース3着馬シャンパンカラーは、その後本番のNHKマイルカップに出走し、重たい馬場をこなして見事GI制覇を成し遂げた。今年はどうなるのか?

地方所属馬ではエイムフォーエースが参戦。今回は船橋競馬場の名手森泰斗騎手により挑む。豪快な末脚が活きるか?

また桜花賞から抽選で漏れたボンドガールがここに参戦。今回は武豊騎手で挑むが、半年近い休み明けがどう影響するか。

その他、新馬戦から安定感のあるキャプテンシー・カズミクラージュ・シャインズオンユー・スパークリシャールなども注目だ。

 

歴史・コース:ニュージーランドトロフィー 今週の注目レース JRA

データ分析:ニュージーランドトロフィー 今週の注目レース JRA