今週のJRAは、中山競馬場・阪神競馬場・福島競馬場の3か所体制で行われるが、その前に中央・地方交流ダートJpnIの川崎記念が4月3日に、同じくJpnIIIの兵庫女王盃が4月4日に行われるので、こちらを紹介したい。

 

○川崎記念(JpnI)

このレースは、川崎競馬場のダート2100mで行われる4歳以上の地方・JRA交流ダートJpnI競走である。南関東競馬では今年最初の交流ダートJpnIである。

 

川崎記念の創設は1951年と歴史があり、当初は開設記念としてダート3000mの距離で争われ、南関東競馬の古馬最強決定戦であった。距離は幾度かの変更を受けており、現行の2100mになったのは1999年から。この間に、1979年川崎記念へ改称、1996年より地方・中央競馬交流競走へ、1997年に交流ダートJpnIとして格付けされている。今年から4月上旬開催に移動(※負担重量・出走条件は変更なし)、日中開催からスパーキングナイター扱いに変わる。これには、11月のJBCクラシックから2月の同レースまでGI/JpnIが連続して開催されている現状について、連続開催を改善する目的があるといわれる。4月開催の移動で、時期的に重複するドバイワールドカップデーの前哨戦やそのあとに使えることができない変わりに、フェブラリーステークスないしサウジカップデーから本レースへ、また本レース出走後に6月末開催の帝王賞(大井競馬場)へ向かうといったローテーションが可能になる。

 

交流ダート重賞化されて以降も地方馬の健闘が目立っており、川崎競馬場所属馬が2回(2000年インテリパワー、2004年エスプリシーズ)、船橋競馬場所属馬に至っては5回(1998年・1999年のアブクマポーロ、2006年のアジュディミツオー、2011年のフリオーソ、2021年のカジノフォンテン)も勝っている。今年からは1着賞金が1億円に増額され、これはJBCクラシック・東京大賞典と同額になっている。

  

出走枠はフルゲート14頭まで。今年から全ての登録馬を対象として、主催者による出走馬選考委員会で出走馬を選定し、うちJRA所属馬は最大7頭まで出走枠が与えられる。

地方所属馬は、報知オールスターカップの勝ち馬に、本レースへの優先出走権が与えられる。なおダイオライト記念は優先出走権対象レースでないが、成績により考慮されることがある。

今年は以下の11頭である。

 

1-1 シルトプレ(北海道、石川倭)

2-2 セラフィックコール(JRA、バウルジャン・ムルザバエフ)

3-3 キャッスルブレイヴ(船橋、西啓太)

4-4 ノットゥルノ(JRA、武豊)

5-5 エブリワンブラック(川崎、藤本現暉)

6-6 グロリアムンディ(JRA、坂井瑠星)

6-7 アイコンテーラー(JRA、松山弘平)

7-8 グランブリッジ(JRA、川田将雅)

7-9 ディクテオン(JRA、本田正重)

8-10 ライトウォーリア(川崎、吉原寛人)

8-11 デルマルーヴル(川崎、山崎誠士)

 

◯雨の戦い

今年からスパーキングナイター扱いとなる川崎記念は、ここから6月の帝王賞にも大きくつながる大事な一戦だ。

まずはチャンピオンズカップで惨敗したが、そこからダイオライト記念で立て直したセラフィックコールが筆頭になろう。船橋競馬と同じ左回りだが、この川崎競馬場は初参戦で、小回りの利くコースをムルザバエフ騎手がどう攻略するかがカギになろう。また前回の佐賀記念で復活の勝利を挙げたノットゥルノ、同じく4着のグランブリッジも一叩きしているので、道悪馬場の攻略も気になるところだ。

他にも昨年の道営記念覇者シルトプレ、昨年の浦和記念覇者ディクテオン、報知オールスターカップ覇者ライトウォーリア、仁川ステークス3着馬アイコンテーラーなど好メンバーが揃ったが、この雨の戦いを制覇するのは…?

 

レース紹介|川崎記念 2024年|ダートグレード競走特設サイト (keiba.go.jp)

データ分析|川崎記念 2024年|ダートグレード競走特設サイト (keiba.go.jp)

出馬表|地方競馬情報サイト (keiba.go.jp)

川崎記念(Jpn1) 出馬表 | 2024年4月3日 川崎11R 地方競馬レース情報 - netkeiba

 

○兵庫女王盃(JpnIII)

このレースは、園田競馬場のダート1870mで争われる4歳以上・牝馬限定の地方・中央競馬交流ダート重賞競走である。グレード格付けはJpnIII。日中開催となるため、発走時刻が16時15分、第11レース目で実施となる点に注意されたい。

 

兵庫女王盃の歴史は、1998年に大井競馬場で実施されたTCK女王盃まで遡る。当初から地方交流ダート重賞となり、4歳~9歳馬の牝馬限定による2000mの競走で実施されていた。2004年に距離を1800mに短縮、今年から大井競馬場から園田競馬場に移動し、開催時期も4月初め、距離は以前の3歳限定重賞の兵庫チャンピオンシップと同じ1870mに変更する。グレード格付けはそのまま据え置かれる。

TCK女王盃時代はJRA勢が圧倒的な強さを誇っていたが、地方所属馬でも過去に制したのは、船橋競馬場所属馬が3回(2000年ヤマノリアル、2003年ネームバリュー、2012年ハルサンサン)、宇都宮競馬場所属馬が1回(2001年ペラミロード)、笠松競馬場所属馬が1回(1998年トミケンクイン)、川崎競馬場所属馬が1回(2010年ユキチャン)ある。

 

本レースは、5月に川崎競馬場で実施のエンプレス杯(JpnII)の前哨戦の位置づけとなり、7月のスパーキングレディーカップ、秋のレディスプレリュード、さらにJBCレディスクラシックにつながってゆく。

 

出走枠はフルゲート12頭。優先出走権付与対象レースではないが、兵庫競馬所属馬は前哨戦となるコウノトリ賞の成績次第で評価される他、船橋競馬場の交流ダート重賞クイーン賞(JpnII)も出走した結果の成績次第で、選定対象とすることがある。

本年の出走は12頭。

 

1-1 アキュートガール(兵庫、鴨宮祥行)

2-2 ヴィブラフォン(JRA、横山武史)

3-3 アンティキティラ(高知、多田羅誠)

4-4 スマイルミーシャ(兵庫、吉村智洋)

5-5 アーテルアストレア(JRA、菱田裕二)

5-6 レッツゴーローズ(兵庫、笹田知宏)

6-7 ライオットガール(JRA、岩田望来)

6-8 キャリックアリード(大井、御神本訓史)

7-9 サーマルソアリング(JRA、西村淳也)

7-10 マヤローザ(兵庫、廣瀬航)

8-11 エイシンレミー(笠松、佐々木世麗)

8-12 マラッカ(金沢、松戸政也)

 

◯JRA勢は優勢…?

今年からTCK女王盃に代わり、園田競馬場で実施されることになった兵庫女王盃。ここからスパーキングレディーカップ、レディースプレリュード、JBCレディスクラシックへと大きくつながる意味合いを持つようになる。

筆頭になるのは、クイーン賞覇者アーテルアストレアと3着馬のキャリックアリード、4着のライオットガールであろう。今回はハンデ戦でなく、グレード別定で実施されるので、負担重量は基本的に54キロ、グレード格付けの成績で負担重量がプラス1キロとされる。他にも1勝クラスからオープンクラスまで一気に勝ち上がり、前走の総武ステークスでも2着と好走したサーマルソアリング、前回の神奈川記念を勝利したヴィブラフォン、前哨戦のコウノトリ賞を制覇したスマイルミーシャ、ハナカイドウ賞からほぼ連闘になるマラッカなど、有力なメンバーが揃った。初代兵庫女王盃覇者になるのは…?

 

レース紹介|兵庫女王盃 2024年|ダートグレード競走特設サイト (keiba.go.jp)

出馬表|地方競馬情報サイト (keiba.go.jp)

兵庫女王盃(Jpn3) 出馬表 | 2024年4月4日 園田11R 地方競馬レース情報 - netkeiba