今週もJRAはGIレースにつながる重賞が土日にあり、土曜日開催の内容と、日曜日開催の内容に分けて取り上げる。

因みに土曜日は重賞2つ、1つのリステッドレース、ジャンプのオープンレースを取り上げたい。

 

★ペガサスジャンプステークス

中山競馬場の芝・3350mで争われる4歳以上の障害オープン特別レース。14時発走の第8レースで行われる。

 

2001年創設と比較的新しいオープンクラスの重賞で、中山グランドジャンプの前哨戦に位置付けられるほか、5月に行われる京都ハイジャンプの前哨戦にも位置付けられている。2011年のみ東日本大震災の影響で開催取りやめになっているが、その他は距離・開催地変更なく推移している。

 

◯春の大レースを目指して

第1回目の覇者はオーストラリアからのランドが勝利しているが、それ以外はすべて日本馬が勝利している。今年は12頭のフルゲートで行われる予定だが、同レース3連覇を目指すビレッジイーグルやベテラン馬アサクサゲンキ・ザメイダンなどが揃った。勝ち抜くのは…?

 

ペガサスジャンプS(OP) 出馬表 | 2024年3月16日 中山8R レース情報(JRA) - netkeiba

 

◯ファルコンステークス(GIII)

中京競馬場の芝1400mで実施される3歳馬限定の重賞競走。中日スポーツ賞が寄贈賞を提供している。レース名のファルコンは、「ハヤブサ」のことを指す。

 

創設は1987年、当時は中日スポーツ賞4歳ステークスという名前で、6月~7月に芝1800mで実施されていた。その後、1996年に1200mへ短縮、2001年に現行レース名へ改称、2006年に開催時期を3月へ繰り上げ、NHKマイルカップの前哨戦に位置づけられている。2012年には現行の1400mに変更された。なおNHKマイルカップへの優先出走権は、本レースではなくこの後実施のニュージーランドトロフィー及びアーリントンカップの2レースであるが、本レースからNHKマイルカップの好成績につながった3歳馬もおり、侮れない。これは、東京競馬場と中京競馬場が左回りで行われるからである。

 

波乱も考えた上で、データ分析からみるポイントを挙げたい。

 

◆4番人気以内が強い。但し、1番人気の勝ちは少なく、だいたい2~4番人気の範囲内。3着は5番人気以下が来る可能性があるため、3連単のフォーメーションを狙うにはあらゆる分析が必要になる。

◆馬番6番から内側の成績が有利。対して大外枠の成績は不振傾向にある。

◆前回出走したレースはJRAのGI・GII・GIIIのレースだった。但し、リステッド競走・オープン特別の場合、3着以内の好走が厳しい点はちょっと注意したい。

 

◯距離短縮組を狙う…?
ファルコンステークスは、3歳馬限定ということもあり波乱になりやすい。ここで結果を残すと、その先の葵ステークスやサマースプリント(マイル)シリーズ、そしてスプリンターズステークス・マイルチャンピオンシップや海外GI香港スプリント・香港マイルへの近道にもなる。

 

今回の出走予定馬を見てみると、出走メンバー17頭中1600m以上のレースで勝った経験があるのは、東京スポーツ杯2歳ステークス覇者であるシュトラウスの1頭だ。朝日杯フューチュリティステークスは惨敗したが、今回は心機一転1400mに短縮して挑む。

他にも新馬戦から安定感のあるロジリオンやソンシ、ナムラアトム、また地方競馬からエイムフォーエースなどもいる。

 

歴史・コース:中日スポーツ賞ファルコンステークス 今週の注目レース JRA

データ分析:中日スポーツ賞ファルコンステークス 今週の注目レース JRA

 

◯若葉ステークス

阪神競馬場の芝・内回り2000mで争われる3歳以上のリステッド競走。15時35分発走の第11レース目で実施される。

 

若葉ステークスの創設は1985年、当初は中山競馬場の芝2200mの「若葉賞」というレース名であった。1989年に東京競馬場の芝2200mで代替実施、翌年に現行レース名へ改称され、1991年より皐月賞トライアルオープンへ指定、1995年にトライアル競走へ指定された。阪神競馬場の開催は2000年からで、以来距離はそのままである。

 

主な勝ち馬には、トウカイテイオー、ビワハヤヒデ、オフサイドトラップ、アドマイヤグルーヴ、ハーツクライ、フサイチジャンク、ペルーサ、ヴェロックスなどがいる。

 

なお、このレースの勝ち馬と2着馬には、皐月賞への優先出走権が与えられる。

 

◯8頭立て

今年の若葉ステークスは10頭立てで、2つの優先出走権をかけた戦いに相応しいメンバーが揃っている。因みに新馬戦勝ちから本レースの参戦は、パシフィックルート・オルトバラディウムの2頭だ。また2連勝中のアドマイヤテラ、朝日杯フューチュリティステークス4着馬ジューンテイク、ホープフルステークス5着馬ミスタージーティー、昨年の京都2歳ステークス5着馬キープカルムなど、しっかりと予想したい。

 

若葉ステークス(L) 出馬表 | 2024年3月16日 阪神11R レース情報(JRA) - netkeiba

 

◯フラワーカップ(GIII)

中山競馬場の芝1800mで争われる3歳牝馬限定の重賞競走。レース名はその名の通り、花からとっている。競馬ファン以外では、同名でマリオカートシリーズでおなじみのフラワーカップがあるが、関連性は全くないので注意されたい。

 

創設は1987年。桜花賞・オークスと続く牝馬3冠クラシックの関東圏における前哨戦として設定された。1988年で東京競馬場、2011年の阪神競馬場開催(※震災の影響によるもので、スプリングステークスと同理由)を除き、中山競馬場の芝1800mによる実施で定着している。負担重量は2001年から別定に変更されているが、今年からは3歳馬齢扱いに変わっている。

 

データ分析から見るポイントをみてきたい。

 

◆3着以内の好走が高いのは、中8週以上間隔をあけている場合で、過去10年間のうち8回勝利は、前回とのレースの間隔が中7週以内。但し、中7週以内であっても、前走のレースが1着の場合は過信禁物。

◆前走の上り3ハロンタイムが4位以内。末脚の強い牝馬は狙っておいて損はない。逆に該当しない場合、前回出走が中山競馬場の重賞(※フェアリーステークスや前年のGIホープフルステークスなど)以外は苦戦傾向にある。

◆前走が右回りの方が好成績を残しやすい。また、中山競馬場・阪神競馬場のレースで、上り3ハロンのタイム4位以内及び前走が4着以内だった経験があれば、心強い。

 

◯右回り巧者を狙うか?…それとも?

2022年の覇者スタニングローズは、オークスで2着、そして秋の秋華賞を勝っている。また3年前の同レースに出たユーバーレーベンもオークス覇者に上り詰めた。今年は12頭の牝馬が本レースに出走する。うち新馬戦からの参戦馬は、ヒラボクミニー・マルコタージュの2頭だ。他にも新馬戦から連対中のフォーザボーイズ、デイジー賞2着馬エルフストライクなどもいる。これらを中心に組み立てるのがいいだろう。

 

歴史・コース:フラワーカップ 今週の注目レース JRA

データ分析:フラワーカップ 今週の注目レース JRA