今週は、阪神競馬場・中山競馬場・小倉競馬場の3か所開催で、冬開催の小倉競馬場は最後になる。重賞レースが3つもあるが、まずは土曜日の重賞2レースを取り上げよう。

 

○チューリップ賞(GII)
阪神競馬場の芝1600mで争われる3歳牝馬限定競走。チューリップはユリ科の球根植物である。本番の桜花賞と同舞台・同距離で実施する。

1993年まで特別競走としていたのを翌1994年にGⅢに昇格。それと同時に、3着以内に桜花賞への優先出走権が与えられる形になった。2018年にGⅡへ昇格、今に至る。主な勝ち馬に、エアグルーヴ、スイープトウショウ、ウォッカ、ブエナビスタ、ハープスター、ソウルスターリング、ラッキーライラック、ナミュールなどがいる。2021年は、メイケイエールとエリザベスタワーの2頭同着があった。

但し、この競走と桜花賞を連勝したのは、2014年のハープスターのみという点は、気になるところでもあるが、データ分析から見ると、どういうのがあるのか見てみたい。

 

◆前回出走レースの距離も芝1600mだった方が好走しやすい。特に前走が2歳牝馬GIの阪神ジュベナイルフィリーズからの参戦馬は、馬券内に残しやすい傾向があるので、狙ってみたい。

◆前走が掲示板内の5着に入っていた。阪神ジュベナイルフィリーズ参戦組においても、掲示板内に残せなかった場合は苦戦傾向にある点は注意。

◆本レース前に2勝以上している出走馬は好走傾向があるものの、1勝馬でも単勝6番人気以下がいれば3着以内の好走率がやや高め。

◆ノーザンダンサー系・ディープインパクト系の方が好成績を残しやすい。ステイゴールド系・ハーツクライ系も人気にかかわらず選びたい。

 

◯3枚の優先出走権をかけて

桜花賞トライアルは、このチューリップ賞以外にリステッド競走のアネモネステークス、同じ阪神競馬場のフィリーズレビューの3つとなっている。出走メンバーの16頭中、前回が阪神ジュベナイルフィリーズなのはいないが、この出走経験があるスウィープフィートは、前回のエルフィンステークスが2着だった。今回は鞍上を武豊騎手に託し、重賞初勝利を狙う。また関東馬は3頭おり、ガルザブランカは長距離輸送を克服できているかがポイントだ。この馬はイクイノックスがいた木村調教師なので、前走に続きクリストフ・ルメール騎手が手綱を取る。またスティールブルーも川田将雅騎手に変更して挑むが、果たして…?

また朝日杯フューチュリティステークス3着馬のタガノエルピーダ、無敗で連勝中のミラビリスマジック、2勝馬ワイドラトゥールなども見逃せない。

 

歴史・コース:チューリップ賞 今週の注目レース JRA

データ分析:チューリップ賞 今週の注目レース JRA

 

◯オーシャンステークス(GIII)

中山競馬場の1200メートルで争われる4歳以上の重賞競走。夕刊フジを発行する産経新聞が寄贈賞を提供しており、レース名は「夕刊フジ賞 オーシャンステークス」と表記される。オーシャンは海の名前からとっている。

 

オーシャンステークスの創設は、1996年にもともとオープンクラスの特別戦として創設されたのがきっかけで、初回は6月実施の1800mの距離だった。翌年に1200mへ短縮され、3月上旬・ハンデキャップに設定、1999年のみ1600万円以下の条件戦で行われ、翌年にオープンクラスへ戻し、別定の負担重量とされた。2006年に重賞昇格、高松宮記念の前哨戦に位置付けられた。地方馬の優勝は、2003年・2006年のネイティヴハート(2003年は大井競馬所属、2006年は船橋競馬所属)が唯一である。

 

なおこのレースの勝ち馬には、高松宮記念への優先出走権が与えられる。

波乱傾向を予想し、以下のデータ分析から見るポイントをあげたい。

 

◆前走が今回と同じ距離の重賞(※地方競馬のダートJpnIのJBCスプリント、海外GIの香港スプリント、国内GIのスプリンターズステークス、GIIIシルクロードステークスなど)の勝率がいい。但し、前走が中山競馬場の芝1200mのオープンクラスであるカーバンクルステークス、阪神競馬場のGIIレース阪神カップなどからの参戦馬がいたら、注目しておいて損はない。

◆前年以降のJRAの芝1200mで、1回でも勝ち鞍経験があれば優秀。

◆7歳以上は成績不振傾向にある。目安は4~6歳馬を狙いたい。

◆馬体重460kg~510kgの範囲で勝ち馬及び3着以内の実績がある。510kg以上重たい場合の3着以内の実績が見落とせない。

 

◯波乱含めるか否か

今回のオーシャンステークスは16頭立てで、人気の中心となるのはやはりトウシンマカオであろう。前回の京阪杯勝ち馬で、スワンステークスは成績不振だったものの、函館スプリントステークスとキーンランドカップどちらも3着の実績は見落とせない。但し、関東馬ながら中山競馬場の出走は意外にも初であり、これがどう影響するのか気になるところでもある。またカーバンクルステークス覇者シュバルツカイザーと2着馬グレイトゲイナー、淀短距離ステークス覇者ビッグシーザー、中山競馬の巧者ジュビリーヘッドなど、短距離界を代表する出走馬が集まった。制覇するのは…?

 

歴史・コース:夕刊フジ賞オーシャンステークス 今週の注目レース JRA

データ分析:夕刊フジ賞オーシャンステークス 今週の注目レース JRA