JRAの年内最後の競馬開催である。

 

○ホープフルステークス(GI)

中山競馬場の芝・外回り2000mで争われるGI競走。今年は、WIN5対象レースの3つ目にあたる。

 

その歴史は、1984年の阪神競馬場で実施の「ラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークス」まで遡る。その後レース名および距離・出走条件は幾度かの変更を受け、現行体制となったのは2017年からである。

GI昇格にあたっては、競馬ファンから様々な賛否もあがっていたが、これには所属厩舎の関係者による意向も考えられる。但し、年によっては有馬記念が引き続き中央競馬の年内最終GI開催となることもあり、固定化はされていない。(条件は「12月28日ないし29日が月曜日になる」ことである。) その場合は、有馬記念の前日に同レースが組み込まれ、中山大障害の後に行う。2020年はこのパターンが当てはまった。

 

翌年春開催の皐月賞と同じ中山競馬場が舞台、かつ距離も2000mで実施されるが、もし1着を予想する場合は、この距離を未経験の馬は切り捨てておいていいかもしれない。以下のデータ分析から見るポイントはこちら。

 

◆前走における上り3ハロンタイム順位が3位以内と、鋭い末脚をもっているといい。

◆通算2勝が目安。

◆大敗直後の出走馬は成績不振傾向。

◆中4週以上の間隔を開けてきた場合は、成績残しやすい傾向にある。

◆栗東所属馬で早期デビューないし、萩ステークスや東京スポーツ杯2歳ステークスのオープンクラスで優勝していた経験がある。

◆8番から内側が優勢で、外枠は成績不振傾向にあるが、外枠でも前走の京都2歳ステークスなどの重賞で先行していた場合は、過信禁物。

 

○年内最後のGI

ここ6年間は萩ステークス、東京スポーツ杯2歳ステークス、ラジオnikkei杯京都2歳ステークスの5着以内が本レースで勝つ傾向にある。昨年はラジオnikkei杯京都2歳ステークスに出走したトップナイフ、東京スポーツ杯2歳ステークス4着ながらハナ差で大逆転勝ちとなったドゥラエレーデ、3着にキングズレインが入り、3連単は200万馬券超えのド派手な大波乱となり、さらにWIN5も的中票数を大きく下げた形となった。ドゥラエレーデはその後UAEダービー2着、日本ダービーは競走中止、宝塚記念・セントライト記念にも出るが惨敗、だがチャンピオンズカップでは3着以内に入り、東京大賞典にも登録されている。また2年前の2着馬ジャスティンパレスも、その後2023年の天皇賞(春)を勝利している。大舞台につながるレースなのだ。

出走メンバーを見ると1頭出走取消があり、17頭立てに変更。このうち重賞の京都2歳ステークス組からシンエンペラー、ディスペランツァなど3頭、リステッドの萩ステークス組からはホルトバージが、サウジアラビアロイヤルカップからゴンバデカーブース、アイビーステークスからレガレイラが出走する。また、武豊が平地GI完全制覇目前であるが、今回は試練の8枠に入っており、センチュリボンドに騎乗する。果たして…。

 

歴史・コース:ホープフルステークス 今週の注目レース JRA

データ分析:ホープフルステークス 今週の注目レース JRA

 

 

 

☆カウントダウンステークス

今年は、阪神競馬場の芝・内回り1200mで実施される3歳以上3勝クラス戦で、前年までのファイナルステークスと同じ距離で実施される。負担重量は定量戦である。

 

 

◯隠れた出生レース

上記の表は、過去11年間におけるファイナルステークスの優勝馬である。タガノエスプレッソはその後障害重賞も勝ち、エイティーンガールも翌年の京阪杯を制覇、2021年に本レースへ出走したハナ差2着のジュビリーヘッドも、年明け以降は船橋ステークスを勝ってオープンクラス入りを果たし、のちに函館スプリントステークスの2年連続2着につないでおり、隠れ出生レースともいわれることがある。

今回のメンバーは16頭立てで、成績不振組が軒並み9番から外に入ってしまっている。そのため、メイショウエニシア・エイシンフェンサーなどといった近走好走中の出走メンバーを中心に組みたい。

 

カウントダウンS(3勝クラス) 出馬表 | 2023年12月28日 阪神12R レース情報(JRA) - netkeiba.com

 

☆2023ファイナルステークス

今年から中山競馬場の芝1600mで争われる3歳以上3勝クラス戦。WIN5対象レースの最終関門5つ目、またJRAでは年間を通して最後のレースでもある。

 

ファイナルステークスの歴史は、2000年まで遡る。20世紀最後ということで、ファン投票により20世紀最後のレース名を募集し、厳正な抽選を経て「Dreams horses 2000 カウントダウンステークス」のレース名に決まった。2001年以降は現行のレース名で実施されているが、中山競馬場の照明設備増設に伴い、2023年からは阪神競馬場開催でなく中山競馬場に変更する。

 

 

◯混戦のファイナル

今年のファイナルステークスは、単勝オッズ10倍以下が6頭いる混戦模様だ。因みに調教師へ転身する田中勝春騎手は、本レースが正真正銘最後の騎乗で、ブランデーロックに騎乗する。勝利の美酒を味わえるか?他にもビジュノワール、ニシノスーベニアなども注目だ。

 

2023ファイナルS(3勝クラス) 出馬表 | 2023年12月28日 中山12R レース情報(JRA) - netkeiba.com

 

WIN5はこちら。

1-ベストウィッシュカップ

2-ベテルギウスステークス

3-ホープフルステークス

4-カウントダウンステークス

5-2023ファイナルステークス

WIN5対象レース | 2023年12月28日 レース情報(JRA) - netkeiba.com

 

なお上記にもあるとおり、中山競馬場の照明増設が実施された関係で、中山競馬場が3つ、阪神競馬場が2つとなっている。