ノーベル賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイさんが今年の春の叙勲で旭日大授章を受賞しました。マータイさんは「もったいない」という日本語を世界に紹介し、環境保護意識を高め、日本の国際的な地位の向上に大きく貢献したというのがその受賞理由でした。


 マータイさんの環境保護活動の柱はリデュース(ごみ減量)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)の3点にあるのだそうです。マータイさんによれば、「もったいない(MOTTAINAI)」という言葉にはそれら3点にリスペクト(感謝・命を大切にする心)を加えた、より総合的な意味があるのだそうです。


 アフリカのほとんどの国々が貧困に喘いでいます。これらの国々では物は不足し、生活に不便なことも多いようです。そんな環境で育ち活動してきたマータイさんだからこそ、「もったいない」という日本語に込められた深い意味や、言葉の持つ輝きを発見できたのだと思われます。


 私たちは我が国の風土の中で培われてきた「もったいない」という言葉のもつ深さや輝きを忘れかけていたようです。目先の便利さや豊かさに目を奪われないように心して、「もったいない」という言葉のもつ意味をしっかりとかみしめる必要があるように思います。


 この他にも日本の風土で生まれ、日本の心を伝える言葉があります。「いさぎよい」、「たおやか」、「ひたむき」、「はじらう」、「いそしむ」、「うるわしい」等々、現代日本ではややもすると置き去りにされがちな言葉です。日本の心を伝える言葉の美しい響きや深い意味を大切にし、自然体で使える日本人でありたいと思っています。