総務省の発表によれば、今年の4月1日現在、15歳未満の子どもの数は28年連続減少で1714万人となり、過去最少記録を更新したとのことです。また総人口に占める子どもの割合は13.5%で、これは人口3千万人以上の国々の中で最低水準なのだそうです。

 日本の少子化傾向はますます進むばかりで、この傾向になかなか歯止めがかからないのが残念です。


 常識的に考えても、子どもが減少し、若者が少なくなる社会に未来への明るい展望は開けません。

 日本社会のあちこちに少子化のひずみが出てきています。少子化の問題は単に子どもの数の問題でなく、少子化によってひ弱な子どもたちが増える傾向にあり、子どもの質が変化してきていることが大きな問題点だと思っています。小さな失敗や挫折さえ乗り越えられない子どもが増えています。夢を持てない子どもや、生きる活力に乏しい子どもが増えているようで残念です。今後日本を取り巻く環境が厳しさを増すことを考えると、日本の将来への不安がつのるばかりです。


 子どものひ弱さは子ども自身の問題というよりも大人の責任が大きいと思います。

 少子化の中で子どものへの愛が偏り、バランスの取れた養育態度がとれない親が増えてきています。自己中心的な社会風潮の中で自分の子どものことしか見えない親が目立つようになっています。そして、かつて子どもの周りにあった家族や地域の温かい目線が弱くなっています。子どものひ弱さの原因はそんな子どもが育つ環境条件の変化により大きな原因があるように思われます。



 子どもにとって希望のもてる社会でありたいと思います。子どもが未来にどんな夢を描くことできるかは大人の責任だと思います。子どもに「私の言葉を信じなさい」と正々堂々と胸を張って示し、背中で導く大人でありたいと思います。

 子どもの日にあたり、今一度子どもを取り巻く環境の一人として、自分のあり方を見直してみたいと思います。