アーマド・アブ・アル・ソウドのあん馬 2019年W杯メルシン大会 | 体操っておもしろいよな

体操っておもしろいよな

男子体操競技をメインにしているブログです。
今昔そしてワールドワイドに体操を紹介していきます。
少しでも体操に興味を持ってくれれば幸いです。

どうも、

 

翔です。

 

 

今年の9月はワールドカップ月間でした。

 

メルシンソンバトヘイパリギマランイスと4つの大会が1ヵ月の間に行われていたのです。

 

週1ペースです。

 

中にはこの中の複数大会に参加する選手もいたそうです。

 

ということで、今回はワールドカップメルシン大会から演技紹介。

 

今回は種目別あん馬で決勝に残った、

 

ヨルダンアーマド・アブ・アル・ソウド選手 のあん馬の演技を紹介します。

 

もう名前は覚えなくていいです。

 

 

ヨルダン・・・はて・・・?

 

体操界ではヨルダンの選手なぞ滅多に見ないので馴染みのない国でしょう。

 

ということでヨルダンという国について少し紹介します。

 

興味のない人は飛ばしてください。

 

 

正式名称はヨルダン・ハシェミット王国というイスラム教国です。

 

このハシェミットというのはこの国の国王の家系であるハーシム家のことを指します。

 

サウジアラビアの「サウジ」がサウード家のことを指してるみたいなものですね。

 

位置は西アジア、いわゆる中東に位置し、イスラエル・シリア・イラク・サウジアラビアと隣接しております。

 

隣国の名前を聞くだけでお察しがつくかと思いますが、これらの国々の紛争によって難民がどっと押し寄せている国がヨルダンです。

 

ヨルダンの人口は1000万人に満たないほどですが、その3分の1が難民とその子孫です。

 

国の中央年齢(※)は23.4歳と若いです(日本は45.9歳)。

(※上の世代と下の世代の人口がちょうど同じになる年齢のこと)

 

ヨルダンは天然資源には恵まれておらず、死海や遺跡などの観光業に頼っています。

 

2008年のリーマンショックもあり、さらに難民が次々流れ込んでくることで、財政はギリギリ。

 

他国からの経済援助で食いつないでいるような状況です。

 

それでも、周辺諸国から逃れてきた難民を受け入れ、公共サービスを国民同様に受けさせる寛容さも持ち合わせております。

 

親日国としても知られていて、日本もヨルダンに支援をしている国のひとつです。

 

 

 

 

 

飛ばしましたか?

 

 

そんなヨルダンからあん馬のテクニシャンが出てきました。

 

馬端から馬端への直接移動技を多く持つ珍しいタイプの選手です。

 

トンフェイ(馬端から馬端まで下向き正転向移動)【D】

ニン・リーズ2(両把手を越えて縦向き3/3前移動直ちに1/2ひねり)【E】

ドリッグス(馬端から馬端まで縦向きとび前移動)【E】に加えて

 

両把手を超えて下向き逆移動【D】という超レア技を実施してくれます!

 

 

なんのこっちゃ案件なので実際に映像を見てみましょう!

 

 

①ミクラック(馬端から馬端まで正交差とび横移動逆交差入れ)【D】

②Eコンバイン【E】

③ショーン(一把手上で上向き全転向【E】

④Eフロップ【E】

⑤トンフェイ(馬端から馬端まで下向き正転向移動)【D】

⑥ニン・リーズ2(両把手を越えて縦向き3/3前移動直ちに1/2ひねり)【E】

⑦ドリッグス(馬端から馬端まで縦向きとび前移動)【E】

⑧両把手を超えて下向き逆移動【D】

⑨シバド(馬端から馬端まで縦向き後ろ移動)【D】

⑩DSA倒立1回ひねり3/3移動おり【D】

 

Dスコア:6.5

 

なんのこっちゃ!!!

 

演技構成が複雑すぎて処理が追い付きません。 

 

あん馬が好きな人には大好物ムシャムシャな演技構成ですが。

 

特に⑧両把手を超えて下向き逆移動【D】はこの選手で初めて実施例を見たので、

 

初めて見たときはそれはそれは興奮しましたよ。

 

馴染みのない国の選手が種目別決勝にいることにも新たな発見があって嬉しくなりますが、

 

今までいろんな動画を探しても見たことのなかった技をその選手がやってくれると、

 

「お前だったのか・・・」となるわけですよ。