こんばんは。
11月も今週で半分が過ぎ、朝晩の冷え込みに冬の訪れを感じる時期になってきましたが、色々と年末にかけてイベントも多く、賑やかな時期でもあります。
そんな中、私は来月下旬に我らが中日ドラゴンズのマスコットであるドアラ先生(写真右)と、東京ヤクルトスワローズのマスコットのつば九郎師匠(同左)が出演するクリスマスディナーショーに行くことにしました(笑)。
場所は我が故郷である名古屋なので、チケット代2万円に往復の交通費を入れると、何と今月初めの大連・旅順旅行とあまり変わらない金額となります(驚き)。
中国旅行が安すぎるのか、それともチケットや日本の交通費が高すぎるのかはよくわかりませんが(汗)、まあ折角安くないお金を払って観に行くのですから、食事とショー、そして短い時間の名古屋滞在を最大限楽しみたいですね♪
さて、今回の本題は来週半ばからのアイスランド旅行記の予習編として、まずはアイスランド共和国の概要について紹介します。(上は国旗)
日本から見て世界の果てのような国ですが、この予習編を通じて、物理的な距離はともかくアイスランドとの精神的距離をより縮め、親しみを持つ切っ掛けづくりになれば幸いです。
【アイスランド共和国の概要】
(Kolja21 - 投稿者自身による作品, CC 表示 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=6881528による)
アイスランドは、北大西洋上のアイスランド島を主な領土とする民主共和制国家で、国土面積は約10.3万㎢と北海道よりやや大きいくらいの小さな国です。
また、人口は約34万人と、同じく北海道で比較すると大体旭川市と同じなので、この例で何となく国土面積に対して人口が少ないか理解いただけると思います。
加えて、アイスランドは少ない人口のほとんどが海岸沿いの都市に集中しており、首都のレイキャビク(写真)に至っては、都市圏人口は約22万人と全体の約6割を占めています。
(参考:都市人口率は約9割)
(Joschenbacher - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=9841147による)
そんな小さな島国は、大西洋中央海嶺とアイスランドホットスポットの上に位置する火山島としても有名で、特に2010年4月のエイヤフィヤトラヨークトルの噴火(写真)は、皆さんの記憶に新しいかと思います。
火山島らしく、アイスランドでは郊外の間欠泉が見どころの1つで、最も有名な間欠泉であるゲイシール(写真)は、そのまま間欠泉を意味する英単語「geyser」(ガイザー)の由来となったほどです。
また、ブルー・ラグーン(写真)をはじめとする温泉も各地にあり、火山はアイスランドにとって自然の脅威であると同時に、世界から人々を惹き付ける魅力の1つとなっているのです。
一方、アイスランドは火山以外にも多くの自然に恵まれ、峻嶮な地形が造り出す滝(写真1枚目は最も有名なセリャラントスフォス)、欧州最大級のヴァトナヨークトル氷河など、「絶景」と呼ぶべき見どころが充実しています。
さらに、そんな絶景の下、夜には運が良ければオーロラを鑑賞できるというのも魅力で、「火と氷の国」としてアイスランドは近年、観光面で世界的に人気が高まっているそうです。
ちなみに、アイスランドの気候はやはり極北の地ということで、年間を通して平均最高気温が15℃にも達していません。
ただ、暖流と火山の地熱の影響で冬の寒さは比較的穏やかで、真冬でも零下5℃程度とまだ日本の冬の防寒着で十分、普通に外出が可能だそうです。
一方、アイスランドの政治・行政は、象徴的な地位の大統領と、一院制の国会議員をともに直接選挙で選出し、国会の多数党の党首が首相に任命される議院内閣制を採用しています。
政治情勢としては、国内での目立った政治的・民族的対立などはないほか、政治家の汚職も少ないことから「世界で最も汚職が少ない国」の1つに数えられています。
また余談ですが、世界初の女性大統領が誕生したのもアイスランド(1980年)だそうです(驚き)。
ちなみに、写真はアイスランドの国会(アルシング)ですが、こちらは実はその起源を中世の930年にまで遡る、世界初の民主議会とのことで、民主主義の源流がアイスランドにあったというのは興味深い話ですね。
(詳細は歴史の項で後述)
また、この国は過去にEU加盟を申請したことはあるものの、国内での論争を経て、2015年に申請を取り下げ、北欧ではノルウェーと同じく、EU非加盟国としての道を選んでいます。
続いて、アイスランドの国民を見ると、人種的にはその歴史的経緯からノルウェー、デンマークなどからアイスランドに上陸、定住した北方ゲルマン民族が大部分を占めています。
また、宗教は国民の約8割がプロテスタント(ルター派)を信仰、言語はノルウェー語に近いアイスランド語が公用語と他の北欧諸国の国民と概ね似通っています。
(注:英語も相当程度通じます。)
それと、国民性は平等を重視するリベラルな気風で、世界経済フォーラムが毎年発表している「ジェンダーギャップ指数」では、2009年から9年連続で世界1位を獲得しているほか、2010年以降は同性婚も公的に認められています。
なお、アイスランド人の特徴として名前に「姓」がなく、「ファーストネーム+父称」で構成されており、例えば太郎の娘の花子なら「ハナコ・タロウドッティル」と呼称されます。
つまり、アイスランドには夫婦別姓・同姓問題は生じえない訳ですね(笑)。
そして経済面ですが、通貨はアイスランドクローナ(ISK。写真)を採用しており、直近のレートは1ISK≒1.1円と、日本人的にはとても物価の換算がしやすいです。
経済規模は2016年のGDPが約200億ドルと、ヨーロッパの中ではキプロスとほぼ同じとかなり小規模ですが、国民1人当たりで見ると約60,000米ドルで世界6位と非常に高いです。
(何と日本の約1.5倍に上ります。)
また、経済指標は2008年の金融危機(こちらも歴史の項で詳述予定)から脱して以降、近年は好調に推移しており、2016年の経済成長率は約5%、失業率は約3.4%となっています。
産業面では、豊富な水産資源を活かした水産業及び水産加工業が伝統的に盛んで、海外貿易でも水産物輸出が大きな割合を占めています。
特に、ノルウェーや日本と同じ捕鯨国であることは、御存知の方も多いかと思います。
また、工業では再生可能エネルギー(地熱及び水力)を用いたアルミ精錬や、鉄鋼の原料となるフェロシリコン生産などが盛んで、こうした素材の輸出も好調な経済を支えています。
サービス業では、観光産業が好調なほか、金融危機を経てなお金融サービスも盛んで、他の北欧諸国と同じく、ほとんどクレジットカード決済で足りるというのは便利ですね。
インフラ面では、その地理的特性を活かし、再生可能エネルギーの活用が盛んな国として知られ、国内の電力供給は約74%を水力、残りの約26%を地熱から得ています。
(写真はレイキャビク近郊の地熱発電所。)
さらに、こうした再生可能エネルギーを家庭の暖房に活用したり、バスや空港で水素燃料電池の導入実験を行うなど、化石燃料の使用を抑える政策の結果、レイキャビクは「世界有数の空気が綺麗な首都」となっているのです。
最後に、アイスランド関係の最近のトピックスでは、何といっても、史上初となるFIFAワールドカップ出場決定が記憶に新しいかと思います。
過去の出場国では最少の人口34万人余りの国が、あのイタリアやオランダも出場権を得られなかった厳しい欧州予選を勝ち抜いたことは、大変素晴らしいと思いますので、ぜひ本戦では活躍を期待したいですね。
(https://www.flickr.com/photos/framsokn/30511418775Derivative work: JackWilfred - このファイルは以下の画像から切り出されたものです, CC 表示 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=52650623による)
また、「世界で汚職が最も少ない国」の1つと言っておいてアレですが、昨年話題になったパナマ文書問題で、資産隠し疑惑が指摘された当時のグンロイグソン首相(写真)が、2016年4月に辞任したニュースは、一時話題になりました。
いつの間にか沈静したこの話題ですが、最近では「パラダイス文書」なるものも流出して、アメリカのトランプ政権批判のネタとなっていますが、世界中で文書が流出し過ぎだろ、と思うのは私だけでしょうか(汗)。
まあ、日本みたいに「公文書がなくなる(又は元からない)」のもどうかと思いますが、個人的には文書の性質を問わず、官民それぞれが責任を持って情報管理に努めてほしいと思います。
以上、途中何度もアイルランドと打ち間違えそうになりつつ(失礼)、アイスランドの概要を説明しましたが、次回はアイスランドの歴史をその起源から遡り、予習編を締め括る予定です。
なお、全くの余談ですが、私の場合は今年のGWにアイルランドに行っているので、周りに余計「またアイルランド行くの?」って勘違いされているように思います(苦笑)。
ではでは。