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永瀬拓矢王座、僕が掲げる旗は銅色 「少数派の子どもたちのために」2022年6月9日 18時30分
永瀬は笑顔を浮かべた後、真顔になって少年に語りかけた。
「自分は子供の頃、何をやってもうまくいかない子供でした。でも将棋と出会えた。出会えて頑張ることができた。才能はないとすぐに分かりましたけど、努力することはできたんです。大切なのは好きなことを見つけて、努力を続けることだと思っています」
そして続けた。
「自分は自分の棋士人生を通して、才能よりも努力の方が大切なんだということを証明したい。何かを頑張ろうとしている子供たちに伝えたいんです。才能は腐ってしまうけど、積み重ねる努力は違う。才能のある人の多い将棋界で、才能のない自分がどれだけやれるか。まだ何も証明していないので、これから証明したいと思っています」
「できない子は頑張っていないからできないんじゃなくて、できないからできないんです」。金と銀の動きを理解するのに人より時間がかかったという永瀬王座が語る努力とはーー。
「自分は考え方が年単位くらいで変わる人間ですけど、あの時の考えは変わっていません。将棋界のタイトルホルダーは明らかに天才だらけなんです。(渡辺明)名人も(藤井聡太)竜王も明らかな天才ですよね? でも、チャンスは万人に開かれているということ、人の可能性を信じたいと思っていることは変わってないです。将棋界には今も昔も『努力界代表』の人はいなかった。でも、努力を続ければ形になったりすることもある、という旗を掲げたいと自分は思っている」
「自分は社会的少数派です。社会は多数派が認められやすいもの。自分の思いは9割(多数派)の人には届かなかったとしても、1割に届いたらいいと。自分は客観的に見て将棋界では珍しい存在です」
「自分は少数派なので、ここまで来るステップは大変でした。学校というのは自分にとっては大変な場所でしたし、算数の計算を解けて面白いと思ったことは一度もないですし、教師にも恵まれなかった。いろいろなことが……大変だったんです。そんな中、社会が1割ではなく9割を優先することは当たり前で、自分は1割だったのでとてもつらかった。だから、子供たちには、1割に入ったとしても頑張れば何かにつながるということを信じてもらいたいんです。将棋界には金色の旗を掲げる一握りの人がいる。自分は違う色……銅色とかなんですかね……の旗を掲げたい。とても難しいことですけど、考えは変わりません。むしろ、もっと強い気持ちになりました」
「できない子の気持ちはよく分かります。できない子は頑張っていないからできないんじゃなくて、できないからできないんです。できる人から『なぜ君はできないのか』と言われるのはつらいことなんだと、大人たちにも分かってほしい。一生懸命を否定してほしくない。自分の場合も、もともと将棋が得意だから棋士になったわけじゃないんです。僕も少数派だったから、子供には優しくしてあげたいんです」
永瀬はあふれ出る思いを吐露するように語り続けた。
顔は笑っていたが、目は真剣だった。
強い気持ちを込めるような声だった。
「プライドという殻に閉じこもるのではなく、大切なのは人から教わろうとする姿勢です。タイトルを取ったり、順位戦で昇級したりする中で、自分は正しいのだ、という高圧的な人間にはなりたくない。大切なのは人から教わろうとする姿勢だと、父(川崎市でラーメン店を営む宏さん)から学んだんです。父は成長するために、他の店にラーメンを教わったり、韓国まで行ってキムチを勉強したりしました。父の背中を見て育ったことが自分に大きな影響を与えています。誰かに教えを請わなければ成長は止まる。止まり、古くなれば時代に取り残されるだけです」~記事は続く
こんな棋士がいらしたんだ。藤井さんで隠れちゃう。
正直そんな感想でした。
でも、我が子にこれを読んで聞かせたい。
というか、これを目の前にしたら。我が子は自分から読んでくれるだろうか・・・
私が読んで聞かせても、右から左かなあ・・・と。
「才能」ってよく言いますが。私は音楽の世界で生きてきて、ずっと「才能」って、誰にも教えてもらえない物と思っていましたし、今もそれは変わりありません。
音楽の世界でも、「才能」はすごくあるのに、努力を全然しない人はすぐに消えてしまってきたのを見てきました。
「才能」のある人はやっぱり、そこだけ輝いて見えます!
「すごい!」もう、何も言えないくらい「すごい!」
自分は真似できない。
でも、努力なしでは輝いたままいられないように思います。
今朝、この文章を読み、この方の小学校時代の算数を一度も面白いと思ったことはなく、教師に恵まれなかった話、チャンスは万人に開かれている…云々、驚きました。
自分もピアノの部屋がごちゃごちゃになっているのを整理して今まで自分がしてきたことを振り返り、もう足腰弱くなって、ダッシュも行動起こすのも遅くなりましたが、気持ちだけでも努力を続けていけたらなあと、気持ちを新たにした記事でした。