【Day37 Camino de Santiago】2025.10.10 明日の風(2) | ちびタンクのひとりごと

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【Day37 2025.10.10 アルクエスカル → アルデア・デル・カノ15km】のつづき

(1)から読んでね!


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カセレスの先も、行けるところまで行ってみようか。

そんな考えが浮かんだ。

この調子なら、1日20km程度でその後ゆっくり休めば、少なくとももう少しは行けるだろう。


しかし直近の問題は、カセレスの先である。

30km以上アルベルゲもバルもない区間がある。

健脚ではない人はみんな、バスやタクシーを使って途中まで行くという。

荷物のデリバリーサービスを使う人も多い。

正直、全工程歩きにこだわる人はそう多くない。

私もみんなから、バスを使え、荷物を送れと言われていた。


でも私は、できれば歩きたい。

リナみたいに割り切れたら楽だろうな。

そう思った。



明日は、二十数キロ歩いてカセレスまで行き、カセレスでもう一泊しようと思っていた。

しかし間の町にアルベルゲがあることがわかったので、あと二日かけてカセレスに行くことに決めた。

後のことは、その時の状況を見て考えよう。



比較的順調に今日の宿につき、諸々のルーティーンを済ませ外のベンチでお茶をしていると、新たな巡礼者がやってきた。

オーストラリア出身のグラントさんだ。


彼は今日、アルフセンから35km歩いてきたのだという。

私が膝を痛めて一週間以上、あのアルベルゲに居たことを話すとかなり驚いていた。


僕も最初のカミーノで両膝を痛めたけど、ゆっくりゆっくり進んだら、サンティアゴまで行けたよ。

同じ町に何泊もしながら進んだんだ。


でも、私はもうヨーロッパに来てから一ヶ月以上経っていて、残された期間ではそんなにゆっくりもしていられないの。


オーストラリアも日本も、ヨーロッパのビザの期間は同じである。

彼は状況を理解してくれて、残りの期間を確かめてからこう言った。


大丈夫だよ。

だんだん膝が強くなるから。


本当?


ああ。僕もそうだったから。


痛めている膝が強くなるなんてあるんだろうか?

わからない。

ヒッヒッヒと笑うおじさんの言葉は若干胡散臭い。

それでもその言葉は小さく輝く、希望の光のように見えた。


みんなに言われた。

一歩づつ、一歩づつって。


それは、かつてカミーノを歩く日本人の友人に、私がかけた言葉でもあった。


一歩づつ、一歩づつ。


時刻は午後5時半。

昨日の夕方は雨がパラパラと降っていたのに、今日は晴天で太陽が眩しい。

明日のことは明日考えよう。

いつだって、辿りついたところが正解なのだ。


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そんな今日に旅の様子はこちら↓