【Day11 Camino de Santiago】2025.9.14 お金のこと | ちびタンクのひとりごと

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カブラ→バエナ 24km


現実的な話として、カミーノを歩くにはお金が要る。

多分、普通に観光するよりはかなり安いが、全く要らないという訳にはいかない。

まず飛行機代と保険代が掛かる。

それだけで結構な出費だ。

保険は人に依るだろうが、お守りだと思って私は掛けるようにしてる。

何もないに越したことはない。


一番掛かると思われるのが宿泊費だろう。

ホテルやペンション、あるいAirbnbを予約すれば一泊1万はゆうに超える。

しかしカミーノのにはアルベルゲと言われる巡礼宿が用意されており、巡礼者には安くベットを提供してくれる。

もちろんドミトリーだが、キッチンなどが併設されていることもしばしばだ。

お金の問題だけでなく、レストランに飽きることもある長旅ではありがたい。

アルベルゲには公共のものもあり、その場合はドネーション(寄付)であることがほとんどである。

貧しい者でも巡礼ができる俎上ができているのだ。

もちろん、一般の人は相応の額を支払う。

地域によるがこの辺りでは概ね10€が基準だろう。


安いだけあってアルベルゲには当たり外れがある。

贅沢は言えないが、二日前に泊まった公共のアルベルゲは最悪だった。

街の人や宿の対応をしてくれた警官はとても感じが良かったし、見た目は綺麗だったが問題は夜だった。

教会に併設された公園の中に位置していて、とにかくうるさい。

日中は暑すぎるため夜に活動する気持ちはわかるが、子どもが一晩中大騒ぎしていた。

加えて暑さだ。

騒音を避けるには窓を閉めたいが、半地下のような設計になっていて、とにかく蒸し暑くて窓も閉められない。

これまで日が落ちると寒いくらいだったのに、こんなことは初めてだ。

翌日は30kmを超える歩きをしなければならないのに、ほとんど寝ることができなかった。


翌日、ドネーションボックスにいくら入れるか悩んだ。

相場が10なのはわかっている。

でもこの環境で10?

5で良いんじゃない?

今は猛烈な円安だ。

1€130円の頃とは違い、5€の差は大きい。

一方で、10€だろうが5€だろうが、役所の人は気にしないだろう。


そう、気にしているのは自分なのだ。


相応の額を支払うか、サービスに応じて変えるか。

どちらが正解ということもない。

ただ、どういう自分でありたいか、それだけなのだ。

多分、5€払えばどこかでまた5€余計に失うだけだろう。

自分が気持ちよく思える方を選択しよう。

ドネーションでは自分の在り方が問われる。


結局、相場の10€をドネーションボックスに入れて宿を出た。


持っているお金は必ずどこかで使うものである。

お金という人間界のゲームルールは、損とか得とかではなく、多分、流れなのだろう。

それに、得も損も経験である。

一喜一憂せずニュートラルに受け止められるようになりたい。


流れに任せる。

そう、お金は流れるものなのだ。

そこに”自分の“も”人の“もないのかもしれない。

大丈夫、必ずなるようになっていくのだから。


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