蟻地獄の先(世界の旅~ラオス・ビエンチャン編~)第21話 | ちびタンクのひとりごと

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大好きな旅のこと、心理学・スピリチュアル・ヨーガのこと、日々の気づきなどをつぶやいています♪

3連休最終日でしたねっ。

皆さん,いかがお過ごしでしたか~???


私はと言えば,結婚する友人にプレゼントしようと,

手作りのアルバムを作って,一日が過ぎました・・・。


いや~,頑張ったわ,自分。

喜んでもらえたら嬉しいな☆


では,続きです。


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航空会社が用意してくれた空港近くのホテルのベットは,

私の一人旅史上,最高の柔らかさを呈していた。


しかしその余韻に浸る暇もなく,

私はふかふかのベットをただの椅子替わりとして,国際電話を掛けた。

盗まれていない方のクレジットカード会社にだ。


電話口に出たお姉さんに事情を話す。


「使用状況をお調べしますね。」


受話器からは保留時によく耳にする,ゆるい電子音が流れた。


私はぼうっと,ホテルの部屋の壁を眺めていた。


「もしもし。使用状況の確認が取れました。申し上げてよろしいですか?」


「はいっ、お願いします。」


「昨日の,日本時間の18時にご使用になられています。

現地通貨の2,000,000kipが5回。日本円にして約10万円です。

その前は,XX月XX日,日本でのご利用ですね。」


目の前が真っ暗になった。

18時・・ラオスで16時と言うことは,まさにマッサージを受けている時間だ。


「ご利用になった覚えはありませんか?」


「昨日のは,ありません。」


「残念ですが,現在,こちらでわかっている状況は以上です。

カードをおとめしますね・・・。」


「はい・・・」


お姉さんから今後の手続等の説明を聞き,電話を切った。


盗まれた方のカード会社同様,暗証番号を使用した不正利用の場合,

保証は適用されないことが,ほとんどと言うことだった。



出来ることをすべてし終えた私は,

日本で心配してくれている彼や友人や職場の先輩に,メールを送った。


”カードを盗まれました!被害は10万(> <)

自分は無事です!今バンコクで,明日の飛行機で帰ります。”


と。


出来るだけ,心配をかけない言い回しをしたつもりだった。



なんだか頭がうまく回らないまま,

ベットで仰向けになった。

さっき自分で送ったメールに対し,違和感がつきまとう。


なんなんだろう?この感覚?


すると,もう一人の自分が言う。


”平気なの?

だってあなた,騙されたんだよ?

盗まれたんじゃない,詐欺にあったんだよ?

マッサージの時間に引き出されたってことは,

パスポートも何もかも,盗まれていてもおかしくないんだよ?”


反論するすべがない。

もう一人の自分が言う通りだ。


そして,その自分からの問いに答えられない度に,

不安と言う深く暗い闇の中に,どんどん覆われていくのがわかった。


ベットで横になるのは止め,気分を変えるためにお湯をためてお風呂に浸かったが,

結果は一緒だった。


自問自答を繰り返し,

結局,一睡もできないまま,気づけばチェックインの時間が迫っていた。


不安と言う底なし沼の中から,抜け出せない。


今は一刻も早く,日本に帰りたい。

そう思った。


---続く---