蟻地獄の先(世界の旅~ラオス・ビエンチャン編~)第9話 | ちびタンクのひとりごと

ちびタンクのひとりごと

大好きな旅のこと、心理学・スピリチュアル・ヨーガのこと、日々の気づきなどをつぶやいています♪

こんばんは☆

今日,待ちに待っていた,認定カウンセラーの合格証が届きました!

民間の資格のため,社会的には大した効力もありませんが,

3年間,勉強してきた甲斐があった気がして,嬉しかったです。


同期の皆からも,沢山のコメントを頂きました。

その多くが,「笑顔」を褒めてくださっていて,

なんだか,それだけでいいんだって,

他には何もいらないのだと,すごく,すごく,助けられました。


やはり,なにかに助けられるように,

いろいろなタイミングが重なっているのだなと実感します。


∞感謝∞


では続きです。


---


安宿からアイスクリーム屋に戻った私を,

彼らは相変わらず,忌憚のない笑顔で迎えてくれた。


彼はすぐさま電話を掛けなおし,また私に変わった。


電話口の片言の男性は,もう一度,最初から同じ説明を繰り返し,こういった。


「お客様の場合,クレジットカード払いになりますが,よろしいですね。」


「はい。」


「お手元に,クレジットカードはありますか?」


「はい。」


「では,表の11ケタのカード番号を読み上げてください。」


「はい。XXX-XXXX-XXXX」


「では次に,カードの裏に書いてる,3ケタの数字を読み上げてください。」


「XXX」


「では最後に,4ケタの暗証番号を,携帯電話のキーで打ってください。」



良かった。

言葉にするんじゃ,聞かれているんじゃないかって心配だものね。



”ピっポっパっポっ”



「確認しますので,しばらくお待ちください。」



・・・

少々の沈黙。



「確認が取れました。

アップグレードできましたので,あとはチェックインカウンターでそのままお手続きください。」


「はい。ありがとうございました。」


携帯電話を切り,彼に返した。




・・・



心に違和感が走る。




携帯電話に,私のクレジットカードの暗証番号が,残っているんじゃ?




頭を霞めた言葉を打ち切るように,彼が一枚の紙を見せた。




「良かった!手続きが終わったようだね。

これもマイルのサービスなんだけど,向かいのホテルのマッサージ券があるんだ。

二人で行っておいでよ。

僕はいつだって行けるし,そもそもマッサージに興味はない。

女の子二人で行っておいで。」


「わーーー!本当!?

私たちって,ほんとラッキーねっ!

是非行きましょう!?行くわよねっ!」


畳み掛けるように彼女に言われ,

私の中に一瞬浮かんだ不安も,すぐに打ち消された。


私と彼女は,彼らが宿泊しているという,

アイスクリーム屋の向かいにある,高級ホテルに向かった。



私は確かに,あの時,違和感を感じた。

しかし,それは,本当にあっさりと打ち消された。


それは,彼らの間が,疑う余地もなく完璧であったから。

そう,彼らはプロであった。


私は,人と言うものが,

これほども簡単に操られてしまうのだということに,

この先,さらに激しく,痛感することになる。



---続く---