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私たちは,連れだって,ステューパと菩提樹の樹の周りを時計回りに3周した。
ゆっくりゆっくりと歩き,入り口から見て真裏にあたる,
菩提樹の樹の裏に来ると,ひとりづつ柵におでこをつけて,お祈りをした。
私は,お寺とか,神社とか,そういったところで,
初めて自分のお願い事以外のことを思った。
「私にこのような機会を与えてくださって,本当にありがとうございます。
こんな風に愛を与えてくださったことを,感謝します。
私がここで受けた愛を,私も誰かに返せますように。」
と。
帰り際,彼女が私に言った。
「絶対,またいらっしゃいね。
どの季節も,本当にすばらしいから。」
「はいっ。」
私は元気よく答えた。
「待ち合わせは,ここね。」
彼女は,今度は地面を指さし,いたずらっぽい顔で笑った。
そこは,私たちがさっきまでずっと話していた石段であった。
「はい。必ずまた来ます。」
私は答えた。
月が,ステューパの右側で,優しく私たちを見守っているようだった。
---つづく---
この物語の舞台であるマハボディが,
7月7日に爆破テロにあっていたことを,今朝知りました。
大きな爆弾ではなかったそうで,損傷はさほど大きくないようでとrすが,
あの穏やかな空間が侵されたと思うと,私にとっては大きなショックです。
どうか,あの土地に,安らぎと癒しが取り戻されることを祈っています。
物語は,明日で最終話の予定です☆
では,GOOD NIGHT~