第39回静岡リーグ帝静戦決勝観戦記(島崎涼) | 静岡支部員のひとりごと

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2022年8月28日。

まだまだ夏の暑さは留まることを知らず、少し外を歩くだけでも自分の体力が削られていくのを体全体で感じる。

そんな暑さの中、浜松の地でも非常に熱い戦い、第39回帝静戦の決勝が行われた。

 

 

 

帝静戦では全5節・20回戦を戦い、上位5名が決勝進出となる。また、決勝では予選通過順位ごとにそれぞれ1位+40P・2位+30P・3位+20P・4位+10Pの順位ポイントが与えられる。全6回戦が行われ、5回戦終了時(各1回抜け番)にポイント最下位の者が敗退となり、最終1回戦を行い、トータルポイントがトップの者が優勝となる。

 

まずは、今回の決勝進出者の簡単な選手紹介をしていこう。

 

1位通過 渡辺洋巳プロ(静岡支部)

(決勝進出は3回目・最高4位)

 

 

 

静岡支部を陰でずっと支えてきた競技部長。

今期は第1節から安定した戦いで堂々の1位通過を決めた。

15年ぶりの決勝の舞台だが、リーグ戦での勢いをそのままに最後まで突き抜けることができるのか。

 

 

2位通過 岡本和也プロ(静岡支部)

(決勝進出は4回目・最高準優勝)

 

 

 

第29回以来の決勝進出となった岡本。

その決勝では終盤までトータルトップ目に立っていたが、その時に逆転優勝したのが川崎だった。

打倒川崎の思いは人一倍強く、序盤から果敢に攻める麻雀を見せてくれるだろう。

 

 

3位通過 松本貴仁さん(一般参加)

(決勝初進出)

 

 

 

唯一の一般参加での決勝進出となった松本さん。

松本さんの麻雀への思いの強さは帝静戦参加者みんなが感じ取っているので、初めての決勝進出を多くの人が自分の事のように喜んでいた。

プロ4名が相手となるわけだが、臆することなく戦い抜いてほしい。

 

 

4位通過 川崎義之プロ(静岡支部)

(決勝進出は5回目・優勝4回)

 

 

 

ここまで決勝進出4回で優勝4回、自他共に認めるミスター静岡リーグ。

今期も第1節でで+108.7Pを叩き出すなど、安定感と爆発力のどちらも兼ね備えた選手。今回も優勝候補に多く挙げられていたが、その分ほかの選手からのマークも厳しく、川崎のペースに持ち込むことができるかどうかが勝負を分けるだろう。

 

 

5位通過 鷲見隼人プロ(静岡支部)

(決勝進出は6回目・優勝1回)

 

 

 

今回の決勝メンバーで唯一静岡プロリーグ優勝経験者。

静岡リーグ帝静戦の決勝進出は6回目で、これは決勝メンバーで最多。

5位通過ということで背負ったハンデは大きいが、豊富な経験値と持ち前の門前高打点の手組で優勝を目指す。

 

 

以上の5名の戦いとなる。

帝静戦は多くの他地区の連盟員にも参加していただいているが、今回は静岡支部員4名と一般参加1名の決勝となった。

 

 
 
 

 

 

(以下文章中敬称略)

 

1回戦(起家から鷲見、渡辺、岡本、松本、抜け番:川崎)

 

東1局

 

まずは各選手の配牌を見ていこう。

 

東家 鷲見

 

一一二四六六④⑤⑦⑧⑨9西西

 

南家 渡辺

 

一五③③⑤⑨236999東

 

西家 岡本

 

九①④⑥⑦14678西白中

 

北家 松本

 

三四五六八九九②②⑤467

 

鷲見と松本が整った手牌という印象か。

先制リーチをしたのは松本。

 

四五六八八八②②⑤⑥567 ドラ5

 

その後追いついた鷲見が追いかけリーチ。

 

一二三四五六④④⑦⑧⑨東東

 

負けじと岡本も仕掛けて応戦。

 

④④⑥⑦566778 チー①②③ 

 

ハイテイで⑧をツモり500・1,000。決勝戦の初アガリは岡本となった。

 

 

東2局

 

東1局に続き、岡本が場をリードしていく。

 

岡本の配牌

五七①④⑥⑨34578南南 ドラ南

 

自風でドラの南がトイツの好配牌をもらうと2巡目にドラを暗刻とする。

 

五七七④⑥34578南南南

 

次巡五ツモ、⑥切り。他家から五をポンし、あっという間のテンパイ。

 

七七34578南南南 ポン五

 

その後6をツモり2,000・4,000のアガリ。

この2局だけではあるが、今日は岡本にやや流れが向いているように見えた。

 

 

 

 

東4局2本場

 

親番の松本の配牌。

 

一①③⑥1788西西北北白白 ドラ5

 

5巡目に一をツモり、一旦、七対子の1シャンテンとなる。

松本としては、七対子・チャンタ・トイトイの天秤であろう。

ここで数巡後に鷲見から切られる西をポンし、トイトイとチャンタの両天秤となった。

その後、一ポン、北ポンをし、8は2枚切れではあるものの、高打点を見る松本は白と8のシャンポン待ちとした。

力強くラス牌の白をツモり、トイトイ・白の3,200は3,400オールのアガリとなった。

ここまでなかなか見せ場を作れなかった松本だったが、他家に自身の存在を見せつけるかのような、気持ちの入った打牌選択のように感じられた。

 

 

 

 

東4局3本場

 

前局に良いアガリを見せ、親番を連荘中の松本。

この局は12巡目に七をアンカンし、先制リーチ。

 

八八34455688 カン七 ドラ北

 

この日ここまであまり良いところの無かった渡辺が同巡に追いかけリーチ。

 

四五六②③④④⑤⑥⑥⑥北北

 

次巡、渡辺があっさりと③をツモ。2,000・3,900で浮きへと回った。

 

 

南1局

 

東場は厳しい展開でここまで一人沈みとなっていた鷲見。

この親番も苦しい配牌とツモではあったが、17巡目にテンパイ。

 

一三三①①①⑦⑦12367 ツモ5 ドラ2

 

テンパイを取るには一切りか三切りの選択。

場況は判断が難しい局面だったが、鷲見は迷わず一切りのリーチで三と⑦のシャンポン待ちとした。

すると、⑦を一発ツモで2,600オール。

 

試合後にこの局の話を伺ったのだが、鷲見の目からは⑦は確実に山にいると確信していたようだった。

鷲見の山読みの精度の高さが光る一局となった。

 

 

しかしこの後は岡本が鋭く攻め、場を支配して嬉しい一人浮きのトップ。5位通過だった鷲見は厳しい4着スタートとなった。

 

1回戦成績

岡本+27.1P 渡辺▲2.9P 松本▲7.0P 鷲見▲17.2P

 

1回戦終了時

岡本+57.1P 渡辺+37.1P  川崎+10.0P 松本+3.0P  鷲見▲17.2P

 

 

2回戦(起家から鷲見、渡辺、岡本、川崎、抜け番:松本)

 

東1局

 

1回戦の抜け番により、この2回戦が自身の初戦となる川崎。

スタートから思い切った攻めを見せる。

 

14巡目

三三③④⑦⑧789南北北北 ツモ⑥ ドラ南

 

北家の川崎はドラで生牌の南を切れば役ありテンパイを取ることができる。だが14巡目と、かなり場は煮詰まっており、南を切らない選択の人も多くいるだろう。しかし、川崎はほぼ迷わずに南切りを選択。

結果は川崎と鷲見の2人テンパイとはなったが、川崎の攻めの気持ちの強さが出た一局となった。

 

 

東1局1本場

 

この局、先制リーチは岡本。

 

二三四1113345679 ドラ③

 

親番の鷲見が追いかけリーチ。

 

五六七②②②③⑤⑤⑤567

 

負けじと川崎も追いかけて3件リーチ。

 

③④⑥⑥⑦⑧⑨345888

 

ここは岡本がドラの③を掴み、鷲見に12,000は12,300の放銃。

 

岡本は先制リーチとはいえ、カン8待ちの1,300点のリーチ。

1回戦の感触が良かったのかもしれないが、あまり岡本らしくない選択のようにも見えた。

 

 

 

 

南2局

 

2回戦、厳しい展開が続いていた親番の渡辺が先制リーチ。

 

二三四四五六④④⑦⑧⑨67 ドラ二

 

しかし、2回戦好調で持ち点を53,800としていた鷲見にも大物手のテンパイが入る。

 

三四五五五②③④⑧⑧234

 

鷲見の追いかけリーチに対し、かなり険しい表情を見せた渡辺だったが、ここは渡辺に軍配が上がる。渡辺のツモアガリで2,600オールとなった。

 

 

南3局

 

この局は川崎が一番乗りでテンパイ。

 

三四四五五七八九44567 ドラ①

 

リーチして三をツモると1,300・2,600ということでリーチの選択になる人も少なくないと思うが、33,000点という持ち点もあってか川崎はヤミテンを選択。しっかりと三をツモアガリした。

 

東1局とは違い、ここは手堅い選択をした川崎。

このバランスの取り方の上手さが川崎の強さの秘訣なのかもしれない。

 

 

初戦4着スタートとなった鷲見ではあったが、要所でアガリを重ね、2回戦は鷲見がトップとなった。1回戦に抜け番だった川崎は2着。1回戦に気持ちの良いトップを取っていた岡本は苦しい展開で4着。

 

2回戦成績

鷲見+39.8P 川崎+13.2P 渡辺▲14.4P 岡本▲38.6P

 

2回戦終了時

渡辺+27.7P 鷲見+22.6P 川崎+19.2P 松本+16.0P 岡本+14.5P

 

 

3回戦(起家から岡本、鷲見、川崎、松本、抜け番:渡辺)

 

 

東1局

 

先制リーチは松本。ドラ3枚の大物手である。

 

七八①①①⑦⑧⑨678南南 ドラ①

 

そこに川崎も仕掛けて応戦。東・ホンイツ・トイトイの1シャンテンとなる。

 

④④⑤⑤9中中 ポン② ポン東

 

少し遠い形からではあったが、大物手が見える手では攻める姿勢を崩さない川崎。

 

しかしここで岡本が勝負手の1シャンテンの形で使い切れない九を掴み12,000の放銃。

2回戦に引き続き岡本にとっては苦しい展開が続く。

 

 

 

 

南2局

 

鷲見の14巡目の手牌。

 

一二三四四七八八九2349 ドラ七

 

ここで上家の岡本から九が切られる。

九は自身の目から見て3枚目。親番の継続の為に九をチーして形式テンパイを取る人も多いだろう。しかし鷲見はこれを仕掛けず。

すると次巡九ツモでテンパイ。

 

一二三四四七八八九九234

 

自身の最後のツモを七とし、3,900オールとした。

形式テンパイに頼らず、最終盤まで大物手のアガリを見る鷲見らしい我慢強さがみられた1局となった。

 

 

 

 

 

南4局1本場

 

岡本が先制リーチ。

 

三四五①②③⑤⑥⑦⑧⑨22 ドラ五

 

数巡後に鷲見もテンパイ。

 

一三四五六七八九南南白白白

 

そして現在トップ目の松本も追いつく。

 

二三六七八①①234567

 

鷲見と松本は手堅くヤミテンでアガリをめざし、15巡目に鷲見が二をツモ。

ツモ・メンホン・一気通貫・白・ドラ1の嬉しい4,000・8,000で一気にトップに躍り出た。

 

 

 

 

この半荘も大物手のアガリを見せた鷲見。これで2連勝。反対に岡本は連続4着で優勝争いから一歩遠ざかってしまう。

 

鷲見+23.0P 松本+8.6P 川崎+3.7P 岡本▲35.3P

 

3回戦終了時

鷲見+37.6P 渡辺+27.7P 川崎+21.9P 松本+21.6P 岡本▲8.8P

 

 

4回戦(起家から川崎、松本、渡辺、鷲見、抜け番:岡本)

 

東1局

 

10巡目に松本がテンパイ。

 

二三三三四1235789西 ツモ4 ドラ西

 

ドラの西を切って先制リーチ。

すると同巡、鷲見にもテンパイが入る。

 

五五九①①②②⑧⑧99南西 ツモ九

 

南を切り七対子・ドラドラのテンパイ。リーチ者の現物待ちということで当然のヤミテン。

ここに不運にも川崎が飛び込んでしまい、痛恨の6,400の放銃となってしまう。

 

 

東2局

 

鷲見の勢いは止まらない。今回はダブリ―だ。

 

二二二三四五八八⑤⑥456 ドラ9

 

4巡目に二を暗槓。6巡目にあっさり④をツモり、2,000・4,000。

あっという間に持ち点は45,000を超えた。

 

 

 

 

南4局

 

この半荘は、南4局を迎えた時点で鷲見の一人浮き。

29,300点持ちで、鷲見の一人浮きを阻止したい渡辺が8巡目にテンパイ。

 

四五六②③④⑦⑧11678 ドラ④

 

確実な自身の「浮き」を選択した渡辺がヤミテンに構え、しっかりと700・1,300をツモ。

 

 

完全に勢いに乗った鷲見の圧巻の3連勝。ここでトータルポイントでも首位に立った。

オーラスで確実な浮きを確保した渡辺は、トータルポイント2位。鷲見に食らいついていく。

 

4回戦成績

鷲見+30.1P 渡辺+10.0P 松本▲13.0P 川崎▲27.1P

 

4回戦終了時

鷲見+59.7P 渡辺+33.7P 松本+12.6P 川崎+2.8P 岡本▲8.8P

 

 

5回戦(起家から松本、川崎、渡辺、岡本、抜け番:鷲見)

 

東3局1本場

 

親番の渡辺の2巡目の手牌

 

四六①③⑤⑥⑦⑨⑨3345 ツモ④ ドラ④

 

選択が非常に難しい手牌である。親番であることを考慮すると、①切りが1番手広いように思えるが、手役派の渡辺は六切りを選択。

これは、ピンズの一気通貫・345三色同順・ソーズの一盃口のすべてを見た一打である。

 

渡辺の思惑通り、4巡目に4ツモ、打四。9巡目に5ツモでテンパイ。

 

③④⑤⑥⑦⑨⑨334455

 

最高形でリーチ宣言。

このリーチに松本が応戦。岡本が切った六をチーしてテンパイ。

 

④⑤22566778 チー六五七

 

すると、川崎にも確定純チャンのテンパイが入る。

 

一二三七八九⑦⑧⑨1299

 

しかし、このテンパイが入った次巡に川崎が⑧を掴み、無念の11,600の放銃。

 

 

 

 

南2局2本場

 

親番の川崎に好配牌が入る。

 

五六八④⑤⑥⑨24789中中 ドラ五

 

3巡目にドラの五をツモるものの、一向にテンパイが入らない。

川崎が燻っていると、10巡目に岡本から渾身のリーチ。マンズのメンホンだ。

 

二三四五六七八南南南白白白

 

13巡目に川崎もようやく追いつきテンパイ。

 

五五六④⑤⑥46789中中 ツモ5

 

三色同順を見た五切り、ドラを使い切る六切りのどちらも選択肢としてあるが、川崎は岡本には当たらない六切りを選択してリーチとした。

しかし、次巡の岡本のツモは八。リーチ・ツモ・メンホン・南・白・ドラ1の4,000・8,000のアガリとなった。

 

 

 

 

南3局

 

前局に苦しい倍満の親かぶりとなった川崎。この局は8巡目にテンパイ。

 

七七八八九⑨⑨123678 ドラ白

 

9を引くと純チャンに手変わりするということで川崎はヤミテンを選択。すると思案通りに10巡目に9をツモって打6とする。

ここで、渡辺から六が打たれるが川崎は見逃し。

この時点でトータルトップ目の鷲見とは47.9P差。優勝を目指すための選択だった。

 

しかし、渡辺には川崎よりも先にテンパイが入っていた。

 

六八⑥⑦⑧22456678

 

川崎の思いきった選択は裏目に出てしまう。渡辺が七をツモり、3,900オール。

 

 

 

 

この後、2,000オールを2度上がるなど、南場の親番で5本場まで積んだ渡辺が大きなトップを取り、トータルトップ目で最終戦を迎える。

他三名はかなり拮抗した戦いとなったが、松本が惜しくもここで敗退となった。

プロ4名との決勝戦だったが、唯一の一般参加として最後までしっかりと戦い抜いていた。

 

5回戦成績

渡辺+61.9P 岡本▲3.6P 川崎▲17.6P 松本▲40.7P

 

5回戦終了時

渡辺+83.6P 鷲見+59.7P 岡本▲11.4P 川崎▲11.8P 松本▲20.1P(敗退)

 

 

6回戦(起家から鷲見、岡本、川崎、渡辺)

 

渡辺と鷲見の一騎打ちのようなポイント状況で始まった最終6回戦。

最後までどちらが優勝するのか見逃せない。

 

東1局2本場

 

鷲見の親番を是が非でも流したい渡辺。その気持ちとは裏腹に親を連荘する鷲見。

 

ここで8巡目に渡辺が嬉しいテンパイ。

 

一二三六七八八②③④發發發 ドラ8

 

ヤミテンで700・1,300は900・1500をツモアガる。

まずは第一関門の鷲見の親番を自身で落とすことに成功した。

 

 

東3局

 

トータルポイント首位の渡辺にとって、今半荘のテーマは局消化にあった。

そのせいもあるかもしれないが、普段どっしりと構える渡辺が動き始めた。

この局にフォーカスしてみると、渡辺は3フーロしている。

ホンイツの仕掛けではあるものの、普段の渡辺からは到底想像できない姿である。

 

まずは渡辺の配牌がこちら。

 

二三四八九九①⑦5東南西白 ドラ1

 

1巡目に南を重ね、すかさずポン。その後、九ポン・一チーなどで9巡目にテンパイ。

 

四四八九 チー一二三 ポン九 ポン南

 

しかし12巡目に親の川崎からリーチ。ここは、何が何でも親を継続したい川崎。圧をかけていく。

 

二二五七①②③④⑤⑥789

 

軍配は川崎に。六を一発でツモリ、1,000オール。

渡辺にとっては隔靴掻痒(かっかそうよう)といったところだろうか。

 

 

 

 

南3局

 

川崎の最後の親番。5度目のミスター静岡リーグの名の為に、親番は落とせない。

1シャンテンの状態でドラの白を打つ。

 

四五五六七⑤⑥⑦⑧⑧67白 ツモ四

 

これをすかさず鷲見がポン。

 

五六③④⑤⑥⑦567 ポン白

 

この時点で鷲見と渡辺のポイント差は7.1Pで渡辺がリード。

 

次巡、鷲見②ツモ、打六。

 

焦る渡辺だが、ここで渡辺にもテンパイが入る。

 

四五七八九④⑥123345 ツモ⑥

 

テンパイ打牌の④を鷲見がチー。

 

④⑤⑥⑦567 チー④②③ ポン白

 

次巡、渡辺が⑦を掴み、長考の末、放銃。

7,700の大きな直撃となった。

 

 

 

 

南4局

 

この時点で鷲見と渡辺のポイント差は12,3Pで鷲見のリードとなる。

 

まずは両者の配牌がこちら。

 

渡辺

七八②④⑥⑥⑦2333566 ドラ④

 

鷲見

三四六九①④⑥⑦456西中

 

先にテンパイを入れたのは鷲見。

 

三四五④⑥456中中 チー五四六

 

慎重に打牌選択をしていき、15巡目に渡辺もテンパイ。

 

④⑤⑥⑦⑦33356778

 

⑦をポンし、更に手広いテンパイの形に変化。

 

しかし鷲見がラス牌の⑤を奇跡のツモ。優勝は鷲見の手へと渡った。

 

 

 

 

6回戦成績

鷲見+25.7P 川崎+14.2P 岡本▲10.4P 渡辺▲29.5P

 

最終ポイント

鷲見+77.4P 渡辺+62.1P 川崎▲1.6P 岡本▲17.8P 途中敗退:松本

 

 

第39回帝静戦は鷲見隼人プロの優勝で幕を閉じた。

初戦こそ4着だったが、その後4連勝で締めるのはお見事である。

どの選手においてもそれぞれの持ち味を出し、最後まで強い気持ちで戦ったからこそ、見ごたえのある決勝となった。

 

決勝進出者の皆様、お疲れさまでした。

そして鷲見プロ、本当におめでとうございます。

 

 

 観戦記担当 島崎涼