三匹のおっさん | 温泉地の食堂おかみのマイペース人生(^^)v

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温泉街で食堂を営むアラ還女将の日帰りで行ける山の記録、たまに日常、たまに下呂温泉の見所を紹介しているブログです!

朝はCBCラジオを聞いている。
何曜日がわからないが新刊紹介のコーナーがあって そのコーナーで「ふたたび三匹のおっさん」(有川浩 著)を紹介していて そのコメンテーター?評論家?の人が
「この本は読んでみて下さいじゃなく"読め!"です。絶対おもしろいから読め!」
なぁんて言ってるもんだから さっそく予約しに図書館へ走る人 (私は読みたい本は図書館で借りてきます。話題の本や人気の作家さんの本は必ず入るし リクエストすると 認めて貰えれば入れて貰えます。)
 
 
新刊は「ふたたび」なので 一冊目があるわけで そっちを読んだら 確かに「読め!」だわ!  面白い!!
 
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一話完結で六話の話が載っていて 三匹の奥さんが不倫詐欺に合いそうになったり 悪徳業者に引っかかった嫁の話とか イマドキよくある話をどうしてひっかかるのか 心理をさぐりつつおっさん達が歳のこうて円満解決していくので 読み終わりも後味が良い。(途中に胸くその悪くなるような事柄はでてくるが‥)
 
 
この本を読んで、ちょっと気になったくだりがあって‥
 
 
三匹の奥さんの一人がスーパーで 転んだ小さな子供が泣き止まないので介抱していたら 母親がやってきて 人の子供に何してんですか! って噛みついてきた。怪我をしてるのを見て あんたがやったの!? ときたので バトル!  見ていた人が事情を説明しても 謝りもしなかった。
 
他の人の話で  公園で話しかけてきた子供達がいて 仲良くなったからお菓子をあげようとしたら 知らない人に物を貰っちゃダメってお父さんやお母さん 幼稚園の先生に言われてるからって受け取ろうとしなかった。
 
違う人の話で  雑貨屋さんのおじいさんは店の前が通学路になっているので 朝 掃き掃除をしながら 子供達に挨拶をしたり話しかけたりするのが楽しみだったのに 最近の子供達は話しかけても返事もしない なぜかというと 知らない人と喋っちゃいけませんって教えられてるから。
 
 
そしておっさんが
「昨今は防犯の概念が矛盾しているような気がするな」と言い 作者はこう続ける。
いざというときは大声を上げて大人に助けを求めなさい、と教えられてる子供達は防犯ブザーを持たされていることも多い。いざといいときはそうして周囲の善意を頼るよう指示しておきながらと、平時は善意も悪意も「知らない人」としてシャットアウトさせる。
保護者と学校で子供を囲い込んで安全柵を作っているのだろうが、そうなるとそこに関わってない大人は無意識のうちに「自分には関係ない」という疎外感を植え付けられ、子供は景色と同じになり、その無関心の隙間を衝いて子供達が被害に遭うのだ。どちらが悪いという問題ではなく、ただ日頃 「知らない人」にカテゴライズされてる側が、先回りして子供たちの安全に親身になることは難しい。それに 日頃子供からシャットアウトされていると その状況が安全柵の中か外か判断つきかねるのだ。
守るための閉鎖と守られるための解放、そのバランスの問題なのだろう。本来なら外と中との交流が子供を危険人物から遠ざけるのだが、巧妙な悪意を警戒するには 子供に「知らない人」と一括りに教えるしかなく、しかし子供の関係者による輪では守りきれず どこかに綻びが生じるのだ。 そしてその隙間から悪意の手が子供に襲いかかっても コミュニティーの外の大人にはどうすることもできず、無事を祈るしかない。
 
 
 
私も全然矛盾と思わず 「知らない人に付いてっちゃダメ、なんかあったら周りの人に助けを求めなさい」 って子供に教えてた。
確かに矛盾している。
でも子供に善意と善意のフリをした悪意を見分ける事は無理だし・・
 
 
おじさんの一言
「世知辛い世の中だよなぁ。」
 
 
確かにそう思う。
 
 
でも現代って人とコミュニケーションをとる事とか距離感とか 難しいなとも思う。
そうやって難しく考えちゃう事が さらに回りとの距離をあけるのかもしれないけど・・・