《タイ訪問記2023》LGBTパラダイスをめざして【バンコク】 | 美しい世界が好き!

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 「LGBTの楽園」「性的マイノリティが自分らしさをオープンにできる国」。タイについてそんなイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。

 にぎやかな街を仲睦まじく歩く同性のカップル、華やかな衣装でステージに舞うドラーグクイーンやトランスジェンダーのダンサーたち、タイの誇る美容・医療技術によって望んでいた自分の容姿を手に入れた人たち。この国が差別や偏見とは無縁で、自分らしさが社会の一部として溶け込んでいるような印象さえ受けます。

 ところが、少しでもこの国の深層に目を向けると、彼ら・彼女らが社会から隔絶され、自身のあり方を模索しながら、今なお差別や偏見と闘い続けていることがわかるはずです。



 今回は成田空港からクアラルンプールでの乗り継ぎを経て、バンコクに到着。入国審査係官からは私の顔を注意深く二度見され、私からは同一人物であることをアピール。パスポートの写真がどう見ても別人?この国にはもっと別人になってしまう人も多いはずですが‥

 首都バンコクはさすがに大都会。ということで、自分が周囲からどのように見られているのか‥なんて何も気にする必要ありません。熱帯の国ということもありますが、老若男女を問わず短パンやミニスカートを履いています。

 街中には公衆トイレが少ないので、必然的に公共施設、駅やショッピングセンターに立ち寄ることになります。時に有料トイレもあったりします。噂によると男女別以外に第3性(トランスジェンダー)用トイレもあるとのことですが、私はみつけることができませんでした。

 入口に係員がいるトイレがあって、利用者をチェックしていたのですが、ハラハラドキドキ。一瞬立ち止まった私に指さす方向を見ると、あっ、普通のトイレ。




 バンコク市内にLGBT団体「バンコク・レインボースカイ協会」があります。もともとはゲイ男性にエイズ感染が蔓延し、その予防と医療支援、社会の偏見を排除しようと立ち上がった当事者たちが設立したのですが、現在は性的マイノリティ全般の相談や支援、啓発活動をしています。訪れた日は事務所の休日だったため、残念ながら話を伺えませんでした。

 夜になるにしたがって市内のあちこちに妖艶な町がうごめき始めます。ゴーゴーバー、レディーボーイバー、ゲイバー、ショーパブ、マッサージなどさまざまなセクシャリティやフェチに対応したお店があります。まじめなお店ではステージショーあり、お酒や創作料理、スタッフの人たちとの交流があったりで、世界中から訪れたゲストで盛り上がっています。タイは工業化を推し進めてきた国ですが、外貨収入に占める観光産業の割合が高く、その一翼を医療・美容ツーリズムとLGBTツーリズムが担っているのです。あっ、怪しいお店には注意してください。違法行為があるようなないような、ぼったくりトラブルも起きているので、事前に調べてから訪れることを勧めます。





 私は昼間にタイ民族舞踊の体験講座を受講して、夜はタイ料理ディナーと民族舞踊ショー、そしてレディーボーイ(元男性の女性)とトムボーイ(元女性の男性)によるレビューを観劇しました。観光パンフレットには「おかまショー」なんて書いてありますが、私は心中穏やかではない表現です。「カリプソキャバレー」では毎晩2回、歌とダンスによる世界一周の旅ができます。