ベルナール・ビュフェ回顧展 | 裸足のピアニスト・下山静香のブログ

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オモテの顔はクラシックピアノ弾き。

音楽・芸術を軸に、気になること好きなことを徒然なるままに。

美術ネタ、続きますカラーパレット

これまた、先日24日に終わってしまった展覧会ですが・・・

以前にもちょこっと書かせていただいた、「ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代」。

渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムにて開催。
 


日曜日の夕方で、緊急事態宣言が出たばかりでも渋谷の街はたくさんの人。
でも美術館内にいたのは5~6人ほどで、ほとんど貸し切り気分。
ビュフェはもともと大作が多いイメージがありましたが、それらを独り占めできる広々とした空間で、心おきなく楽しむことができました。


実は以前、世界で唯一のビュフェ美術館である、静岡県の「ベルナール・ビュフェ美術館」に入ったことがあります。
でもその時は、同じ「クレマチスの丘」敷地内で行なわれた講演に参加することが訪問の目的だったので、美術館はほぼ中を素通りしただけ・・・💦 
すごく後ろ髪ひかれましたっけ ^^;
ちなみに、今回急きょ企画されたBunkamuraでの展覧会に作品を貸し出したのは、もちろんこの本家美術館。
Bunkamuraでの回顧展入館券を持って行くと、こちらのビュフェ美術館の入館が割引になるそうで(3月末まで)ベル
毎月お仕事に行く富士市の手前なので、タイミングを合わせて行きたいな・・・と思っているところです。

 

それはそれとして。

ビュフェは昔から気になる画家でした。

具象にこだわった黒と白の世界、冷たく鋭い描線。

時代の不安をうつしとるような、ミゼラビリズム(悲惨主義)と呼ばれる画風。
そして、70を超えて自死という、壮絶な最期・・・

ビュフェが自分の命そのものだと語っていた「絵画」という存在。

パーキンソン病を発症し絵筆がとれなくなり、その命を燃やし続けることができなくなったことも原因の一つではないかといわれていますが・・・
宇宙のように広く、迷路のように複雑なひとの心の内を、他人がはかることなどきっとできないのでしょう。

でも、こうやって多くの作品に相対することで、感じとりたい。
人間ってなんだ。人生ってなんだ。時代ってなんだ。世界ってなんだ?・・・・

その探究が、たとえば哲学であり、文学であり、芸術なんじゃないか。

しかも、その探究に終わりはなく、無数の道がひらけている。

それが生きる糧になる人もいれば、逆になってしまう人もいるのか・・・


カルメン、闘牛士、ドン・キホーテなど、スペインに関係する絵画もありましたが、『ドン・キホーテ』が抱える複雑な精神と呼応する何かが、画布からじわじわと。
うーんやはり、ビュフェ美術館でドン・キホーテ シリーズを観たいな。

例の美術好き父に「ビュフェ展に行ったよ~」と報告したら、すぐさま、これも好き、あの色も惹かれる、といろんな作品の名前が返ってきまして。
すご・・・びっくり