遅まきながらご報告、「ほんものの芸術鑑賞教室」in 笠懸小学校 | 裸足のピアニスト・下山静香のブログ

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オモテの顔はクラシックピアノ弾き。

音楽・芸術を軸に、気になること好きなことを徒然なるままに。

先日、荻窪でのコンサートが終わりました!来週の月曜日(祝日)は神戸、火曜日は丸亀。
でもそのお話の前に、ずっとずっと温めてしまった7月1日のコンサートのことを書かなければなりません!
あの日は、本格的な夏の始まり。ご縁あって、群馬県みどり市立笠懸小学校での芸術鑑賞教室にお邪魔したのでした。


こちらは、児童数1000人のマンモス校(今時珍しいですが、ずっとこのあたりの人数を推移しているそうです)! 体育館で、1000人全員を前にしてピアノ一台での演奏ということになります。まず、ピアノをどこに置くか?という問題がありました。ステージの上で普通に弾いたのは、なんだか遠いところで何かやっている、という風にしか感じてもらえないかも・・・。
そこで、事前の打ち合わせで、「ピアノを下におろせないでしょうか?」と提案。「それはいい!」とさっそく実現可能にしてくださったうえ、直前には、ピアノを置く場所と角度を先生方がさらに検討してくださり、体育館を横長に使う形にしてくださいました。
しかも、大きなスクリーンとカメラ二台もスタンバイ。後ろに座る高学年の子供たちや、ちょっとみえにくい場所の子たちのために、手元と表情を映してくださることに。そちらばかりに気がいってしまって、実際に弾いている方を見なくなることはないかしらと、一瞬思いましたが、先生方に確認していただいたところそれは杞憂でした。

 


そんな万全のフォローをいただいて、いざ本番(2時間目)。
1000人の子どもたちが床に座っているど真ん中を通りながら、ピアノに向かってすーっと歩いていきます。たとえはちょっと変かもしれませんが、まるでモーゼの気分!
両側から、みんなのきらきらした目がこちらを見つめています。それだけでもプラスのパワーを感じて、嬉しくなってしまいました。
前半は、プーランクの《小象ババールの物語》を、ピアノ演奏、お話朗読ひとり二役で。
後半は、お話をまじえながら名曲集という感じで演奏しました。
1000人もいるのに、ずっと静かに真剣に聴いてくれて感激でしたが、一番驚いたのは、リズム遊びコーナーのとき。ちょっと難しいかな、と思いながらも、キューバの「ソン」のリズムをみんなでやってみたのです。ちょっと一緒に練習してから、私は曲を弾き、みんなにはずっとそのリズムを手で叩いてもらったのですが、なんと、1000人の手拍子がすぐにバッチリ合ってしまい、曲ともぴったり!しかも、ただの手拍子じゃなく、ソンのリズムなんです!(大人でやると数十二んでもなかなか難しい) これはすごい、と思いました。

終わってからも、嬉しいことがありました。キャリーケースをころころしながら教室の前を通ると、「あっ!きたきた!」と、授業中にもかかわらず子供たちが教室から出てきてしまいました。(先生も一緒に出ていらっしゃいました) ちょうど、いま終わったばかりの芸術鑑賞教室について、感想を書いているところだったようです。みんな握手をしたくて私を囲み、手や腕をつかんでもみくちゃ状態。ひとりずつと握手をさせてもらいました。ちょっと恥ずかしがり屋さんで後ろの方にいた子も、ちゃんと先生がフォローして連れてきてくださいました。
男の子も女の子も、「またきてね!」と口々に言いながら、手を振ってくれました。
子どもさんはみんな、素直で感性が清らかで、すばらしい成長の芽を秘めてますね。
みんなが言ってくれたように、またいつか、尋ねることができたらいいな・・と思ったのでした。

これが、怒涛の演奏会続きだったこの夏の、スタートでした。
笠懸小学校の皆さま、本当にありがとうございました!