神戸にて初リハ | 裸足のピアニスト・下山静香のブログ

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オモテの顔はクラシックピアノ弾き。

音楽・芸術を軸に、気になること好きなことを徒然なるままに。

神戸にて初リハ


ルーマニアでの演奏会プログラムの初リハーサルのため、神戸へ。

深夜高速バスを初体験してみようと思い、行きも帰りもバスの旅。

といっても、バスで大阪―神戸間は1時間以上かかるので、大阪にて下車。目的地までは、大阪から電車で約15分、缶コーヒー2本分(260円)で行けた。(京都、大阪、神戸って、近くて本当にうらやましい。東京都のはずの我が家から世田谷に行くまでに、なぜ2時間かかるのだ~) 着くなり神戸在住のお友達宅に直行、朝ごはんもプチ仮眠も、ちょこっと練習もさせてもらって感謝感謝ラブラブ


お昼から、ローザさんと合わせ開始。

何しろ私にとっては初めての曲がたくさん・・・今回のプロで弾いたことのある曲は、プロコフィエフのソナタとラヴェルのツィガーヌ、あとはアンコールのディニークのみ。これまで、ヴァイオリン曲もかなりの数をやってきたと思っていたけど、いやまだまだ甘ーい。日本でよく弾かれる曲なんて、膨大なレパートリーのほんの一部でしかないのだなあせる

楽譜を入手してから2週間では、シマノフスキもハチャトゥリアンも(ハチャトゥリアンはこの前日に譜面をゲットしたから、ほぼ初見)もその他の曲もどうなることやらと思ったが、とにかく一度合わせてしまえばあとが楽になる。近くなって時間との戦いに苦しむことにくらべれば、よっぽどありがたい状況だ。


あいかわらずローザさんは素晴らしく、驚きのヴィルトゥオジティ、デリケートさにもひきこまれる。あれほどの難曲を並べ続けられるって、さすがビックリマーク(ディニークは笑ってしまうほどさらにパワーアップしていた。ここまで速くしていいのかな?いいのかな?・・・いいらしい!と私もアクセル全開)

ガーシュインのセンスも素敵で、ジャズ要素が強いからといって、なんとなく表面的なノリごまかされてしまう場合も多々あるところ、正しいノリ」のスウィング感、ブルース感が気持ちいい。ただ形だけ「くずす」のと、ベースをちゃんと持ってる上での自由とは大違い。

「そこはビッグバンド風でよろしく」って言われれば、ふむふむそうだよね~と弾き方をチェンジ。素晴らしい音楽家の場合、音ですぐわかるから言葉での説明はいらないのだけど、こう言ってもらったほうが早い場合もある。

「このラヴェルは、昔パリでファジル・サイと弾いたんだよ。知ってると思うけど、彼って練習が嫌いなんだよね(笑)」と言われて「うひゃ~ロケットファ、ファジル・サイ~」と思ったりしながらも、とにかく初リハーサルは楽しく終了。


今度一緒に弾くルーマニアのホールは、東ヨーロッパで一、二を争う美しいホールだという。

前半、後半ともに約1時間ずつという長い演奏会プログラムはあちらではノーマルサイズらしく、ローザさんも一晩でパガニーニのコンチェルトを2曲とか普通に弾いているとのこと。確かに、一晩にコンチェルト2曲は特別ではないことだけど、「あるとき、ラフマニノフのピアノ協奏曲を3曲、一度にやったときがあって、あれはちょっとtoo muchだったなぁ」・・・そりゃそうでしょう。そのときのピアニストはスペイン人だったらしいけど、ラフマニノフを3曲て・・・。せっかくの名曲も盛りすぎたら食傷気味になりそう。


早くも、来年ショーソンのピアノとヴァイオリンのためのコンチェルトをやろう、と誘われているところ。これまた、私にとって新しい曲だ。ローザさんいわく「めっちゃいい曲!」(ローザさんとの会話は英語だが、メッチャは便利らしくてよくお使いになる) 

こういう楽しみがあるから、音楽ってやめられませんネ。