水墨画 上手くなるには 〜臨画編(2)〜 | 水墨画 八重桜日記  無二無三の世界を目指す旅をしよう

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水墨画家小嶋志津のブログです。墨を使い気運生動を生みだす伝統文化である水墨画の技法を次世代へ伝えるため貢献したいと思っております。
沈和年先生に師事。日美展水墨画一般部門準大賞受賞。作家部門入選等

臨画のコツは、

1.お手本をよく見る(観察する)こと

2.どこから描くか、描く順番を読み取ることです。筆を読む、ともいいます。

 
お手本を見て、モチーフの位置とバランスを頭に入れます。モチーフが紙のどの位置にくるか、絵の主役のモチーフがどの位置にあるのか、等です。
モチーフの個別の形も見ます。例えば花だったらは大まかに三角形だとか、逆の台形だとかです。最初は鉛筆で紙にこのおおまかな形をざっくりと下書きしてもいいと思います。
 
書きはじめの一筆目はどこから描いたらいいのかを考えます。
手前にあるものから描く、あるいは濃墨の部分から描く(手前のものは濃墨で描くからです)、というのが目安になります。
水墨画では、最初に紙に置いた墨が一番手前にきます。先に置いた墨に、後から重ねて置いた墨は、先に描いた墨の後ろに重なりますので、描き順は、どの点(線)が一番上にきているかを見ればわかります。ですので、描くときも同様に、一番手前にある点(線)から描けばよいということになります。
書き順を間違えると絵の印象が変わってしまい、ちぐはぐになることもありますので、描き順は大切です。
また、一筆で描いているのか、何筆か重ねるのかということも、筆あとをよく観察します。
筆あとが透けて見えるということは、一筆ではなく何筆か重ねてあるということです。
 
●いい線を引くコツ
線の良しあしは、絵の良しあしを左右します。

線を引く時は、墨の色を調整して、勢いよく引いていきます。長くて太い線の場合は墨を多めに含ませ、細い線は、布巾で筆の水をよく切ります。水分が多過ぎたり、線を引くスピードが遅いと線が太くなり、もったりしてしまいますので、素早く引きましょう。

いい線を引くには、迷わないことです。迷わず堂々と引くことです。

 

点の形は、丸い形の点と四角い形の点(点を斜め横方向等に、一瞬だけ伸ばしたものです)がありますが、四角い点のほうが出番が多いです。点をどちら側から描くのか、お手本を確認します。
左に筆を置いてから右に筆を引っ張る点、逆に右側から左方向に筆を動かす点もあります。
また、点を連続させるという描き方もあります。
一つ一つの点の形でモチーフを構成していきますので、その点が打てるようになるように練習しましょう。
 
線・点ともに共通して気を付けたいことは、筆に墨を含ませたら、布巾で筆に含まれている水分をよくきりましょうということです。
水墨画用の紙はよく滲みますので、描いた後にじんわりと周りに滲んでいきます。
つまり、少し周りに広がるわけですので、水分が多いと、滲んで点の形が崩れます。
もちろんそれも水墨画の味であり、それを生かして描くことが水墨画の醍醐味でもあるのですが、初心者の方は、慣れるまでは、水分をよくきって描くことをおすすめします。
水分が少なければ、筆のスピードも抑えられ、比較的ゆっくりと描くことができます。
また、少しだけ、滲みを押さえた加工がなされた紙を使うというのも良いと思います。
 
臨画編(3)へ続きます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
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