医者や医療機関が
「不要な手術と不要な検査」
を止めてしまえば、どうなるか?
多くの医療関係者は、失業し、路頭に迷うことになる。こうしたことがよく言われます。
医療とは患者の身体をネタ元に儲けを生み出す稼業のこと。救命救急医療を除き、約9割の医療行為は
“不要である!”
そう指摘し、批判する声だって少なくないのです。
医療従事者に食い扶持を提供する。ただそれだけのために、私たちはメディアを通して、日々散々に脅かされ、恫喝を浴びせかけられ続けている。
そしてイヤイヤながらも、医療機関にその身を委ねざるを得なくなっている。このような現象が指摘されているのです。一体誰の、何のための
「医療なのか?」
よく分からないような状況が確かに存在している。
コロナ騒動などは、まさにその典型例ではないかと思っているのです。
■廃業も・・・
医学博士で、新潟大学名誉教授の故・安保徹氏は、
自分が大学を卒業した昭和47年(1972年)の血圧の上限値は
「180だった」
と講演で述べています。当時は、まだ機械化・動力化も進んでおらず、何をするにも筋肉依存型の社会。
男は力仕事・女は家事仕事。どちらも今よりずっと筋肉を動かしていたと話すのです。
当然ながら多くのエネルギーが必要となる。ご飯を何杯も食べるし、塩辛いものを食べて血圧を上げないと、肉体労働に耐えられない。
血圧の上限を180にしていても、それを上回る人たちはたくさんいたと話しているのです。
それが昭和50年代になると、180を超すような患者さんはほとんど
"いなくなった"
機械化・動力化が進み、ご飯をたくさん食べたり、塩分を多く摂ったりする必要がなくなっていったことが理由と説明するのです。
そうなると、干上がってしまうのが、医療行為に携わる高血圧学会所属の医者たち。そこに同級生も数多く所属していたそうですが、皆一様に、
「患者がいない!」
と嘆いていたと話すのです。
国民がそれだけ健康になったのだから良かった!こういうことには決してならない。
このままでは飯の食い上げで、医者たちはまさにジリ貧状態・・・。廃業を覚悟せざるを得ないような状況に陥ったと安保氏は指摘しています。
そこで、血圧の上限値をそれまでの180から
"160"
へと変更するに至った。患者をムリヤリ創り出す、こんなオドロキの振舞に及んでしまったのがコトの経緯。
さらに160でも患者が不足し始めると、今度は2000年に基準値を140に変更した。
安保氏はこのように説明しているのです。
■空前の大ヒット!
正常値が140にまで下げられてしまうと、どんなことが起こってしまうのか?
肉体を使って元気に動く人は、高血圧症の
「病人」
にされてしまう。
反対に、あまり動かず、家の中でジッとしている人の方は、正常な健康人として認定される。こんなおかしな状況を生み出してしまった。
安保氏は生前にこう語っていたのです。
160から140に下げられたことにより、膨大な数の国民が一夜にして、高血圧症やその予備軍に認定されるに至りました。
こうして「降圧剤」を飲む人も莫大な数に上っていったのが経緯になります。
『水は低きに流れる』
そんな言葉がありますが、数値変更で味をシメた日本高血圧学会は、140でも高いとして、何と!「120」を
"至適血圧"
として推奨するようになったのです。至適血圧とは聞き慣れない言葉ですが、要するに動脈硬化が起きにくいベスト!な血圧を意味する言葉とのこと。
高血圧を気にする人は動脈硬化を恐れるワケだから、至適血圧こそが本当の基準値で、安全値といえるもの。
そうとでも言いたげな新たな基準値をワザワザ設定するに至ったのです。こうして国民の約半分が高血圧症とその予備軍にされてしまった次第です。
その裏で、降圧剤の売り上げは飛躍的に増大し、基準値改定の前の 約6倍にまで一挙に跳ね上がる。 金額ベースでは
「1兆円」
を優に超える、降圧剤はそんな空前の大ヒット、ロングセラー商品になっているのです。
■完全にシステム化
以前にも触れましたが、定期健康診断を受けて、全項目
「異常なし」
といわれる人の割合は、2009年度の調査で“9.5%”と公表されています。
人間ドックはさらに酷くて、全項目異常なしの割合は
"5.6%"
と2016年の調査で公表されています。
1984年の定期健診の全項目異常なしの割合は、29.8%。この頃は診療報酬が今よりもずっと高かった。
そのため医療機関も、ムリヤリ病人を作り出す必要が今ほどあまりなかった。
でも今は当時とは事情が大きく異なり、健診などを受ければ、ほぼの確率でどこかに異常があると認定されてしまう。そうなると、精密検査に回されて、
「レントゲン・CT・MRI・PET」
などで、大量の放射線や電磁波を浴びせかけられてしまう。別段、本人はどこにも異常を感じていないのに、医療側が勝手に定めた基準値に照らされ、その後、
『手術だ!投薬だ!再手術だ!』
といった具合に、大変な事態へと発展してしまう。こうして、好むと好まざるとに関わらず、医療機関に食い扶持を献上する。そんな状況へと追い込まれてしまうのです。
病人の製造は完全にシステム化が進んでいる分野。このように言わねばならないのです。
1970年には、11万8990人だった医師の数が、2019年は約32万7210人と過去最大の数字となっています。
医師不足が叫ばれていますが、それは地域差や診療科目の偏在によるもので、大都市においては医者の数が飽和し続けている。
人口が減っているにも関わらず、医者の数は毎年9000人ずつ増加しています。医師の増加と検診での異常なしとの割合は、キレイな
“反比例”
の関係になってしまっている。実に分かりやすい構造といわねばならないのです。
■数値ではなく!
個々のドクターに高い給料を捻出するためには、健康な人に病気になってもらう必要があります。
ムダな検査を受けてもらい、無意味かつキケンな手術を承諾させることで、必要な売り上げの拡大に貢献してもらわなくてはならない。
国民の多くが元気で健康になってしまえば、多くの医者が困ってしまうことになる。
『医者が患者を騙すとき』の中で、故ロバートメンデルソン医師は、不要な手術をやめさせれば、多くの外科医は
「もっと正直な仕事を探さなくてはならなくなる」
と述べているのです。
健康診断も、人間ドックも、病気を作るための商売道具に過ぎないというわけです。
特に人間ドックは世界に類例を見ない、日本発祥で日本のみで実施されている「独自」のシステムといえるものです。
病気でも何でもない人間が定期的に病院に行くという、世界が驚く日本独特の奇習として、海外の研究者からの注目を集めているそうなのです。
業界の常識は、世間の非常識。そんな言葉がありますが、私たちは世にもっともらしく言われている事がらを
"真に受けないこと!"
このことが大切になると思います。
知らない・分からない、それだとリスクは100%になってしまいます。相手の思うがままに操られてしまいがちなので、本当に注意が必要です。
数値、数値と振り回されるのではなく、もっと自らに備わった自然な感覚や
「体の声」
そこを信頼し、耳を傾ける。
こうしたことが必要ではないかと思うのですが、あなたはいかが思われるでしょうか?
■参考文献