風になびく、
「サラサラヘアー」
テレビCMなどでも、お馴染みのものと言えますよね。
ボリューミーでふんわりとした髪の毛が、春の小川のようにサラサラしている。
私たちはこうした髪の毛をして
“美しい髪”
だと思っているのです。
でも、ウチの猫の毛を触ってみても分かるのですが、自然の猫の毛はどことなくしっとりとしている。
そして猫毛を寄せて集めてみると、お互いに密着しやすいことが分かる。決してサラサラになることなどはない。
こうしたことに気づくのです。
サラサラヘアーとしっとりヘアー。その違いはどこにあるのか?それを調べてみると、
「皮脂」
の存在が浮かび上がってくる。
サラサラとしっとりとを分ける決め手は皮脂。こういうことになるのです。
それは皮脂に包まれ、皮脂に覆われている姿であるといえるのでしょう。
皮脂に含まれるアブラ分が一本一本の髪の毛を優しく
「コーテイング」
ワザワザ整髪料を使う必要などは一切なく、まとまりやすくてセットもカンタン。そして皮脂に覆われた髪に太陽の光が当たることで、ツヤツヤと光り輝く。
昔の美人の条件は、“カラスの濡れ羽色”と言われていましたが、それを保つ目的で、髪を櫛で梳く。
さらには椿油などを用いて、皮脂をあえて増量させようとする。こうしたモノだったといえるのです。
天使の輪のキューテイクルの本来の姿は、髪に充分な皮脂が供給されていて、覆われている状態になるのです。
でも今の私たちのあり方は、この皮脂を徹底的に
“敵視!”
しています。シャンプーなどの強力な洗浄力で皮脂を根こそぎ洗い流してしまう。
その結果、でき上るのがサラサラヘアー。『シャンプーをやめると髪が増える』(角川書店)の中で著者の宇津木龍一医師は、サラサラヘアーとは
「皮脂が奪われて乾燥し、カサカサに干からびた状態です」
このように指摘し、過剰なまでのシャンプー信仰に対して警告を発し続けているのです。
■熱変性・・・
シャンプーで皮脂を洗い流すと、キューテイクルはあちこちで剥がれ落ちてしまいます。
それを人工的に塗装する目的で、トリートメントが使われている。それにより、乾燥した髪を艶やかに見せかけようとするのです。
前出の宇津木氏は
「皮脂という整髪料を失った髪は、互いに寄り添うことなく、そよ風にもふわふわとなびきます」
さらにそこにドライヤーの熱が加えられると、髪の毛を構成するタンパク質が変性してしまう。
一般的なドライヤーの温度は100~120℃といわれていますが、毛髪の主成分であるタンパク質のケラチン。ケラチンは
“60℃以上”
の熱で変性してしまうことが言われているのです。
シャンプーをなるべく使わないこと。使うのなら、髪を洗う間隔をできるだけ長く空けること。
そしてドライヤーは一か所に長時間当てるのではなく、温風と冷風とを交互に使い分けること。
そして温風を当てる際には必ず15センチ以上は、離して使うこと。
宇津木氏は、ドライヤーをどうしても使うのなら、
「5分以内」
がリミット。このように注意を促しているのです。
当たり前にやっていることが、体にとっての大きな負担になってしまう。お互いに注意をし、気をつけたいものですね。
■参考文献
■無肥料無農薬米・自然栽培と天然菌の味噌・発酵食品の通販&店舗リスト
■自然食業界キャリア15年のOBが綴る