N国党の立花孝志さん。
型破りな振る舞いと卓越したユーモアセンス、そして抜群の行動力。
令和に現れた庶民のヒーローとして人気と注目を集め続けています。
今回、埼玉参議院補欠選挙にすべてを捨てて立候補。相手候補を
”既得権益!”
と位置付けて、過激な選挙戦を繰り広げました。
惜しくも敗れたものの、勇気ある行動に称賛を惜しまない。そういう気持ちでいるのですが、今回の選挙で公約に掲げた、
「ベーシックインカム」の問題。
これについてはこだわってみたい。そこにこれからの私たちの日々の暮らし、未来への
青写真が透けて見える
ように思うからです。
立花氏はこれまでNHKのスクランブル放送化実現のみを公約にしてきましたが、今回の補選に当たって、
「消費税5%、スマホ補助、電動自転車補助」などを挙げ、その中にベーシックインカムの導入も公約に掲げました。
ベーシックインカムの特徴をカンタンに言えば、
・無条件
・個人単位
・資格審査なし
・労働と所得の分離
こうしたことになると思われます。
現行の社会保障は家族単位で支払われるものですが、ベーシックインカムではあくまで個人に支給される。
さらに受給審査などもなく、すべての国民に等しく支給される。
働いていようがいまいが、一切関係ない。勤労意欲とは無関係に支給される。
このような制度が「べーシックインカム」です。
立花氏の公約をまとめてみると、
現行の社会保障制度の相当部分をベーシックインカムに統合する。
失業給付・基礎年金(障害者年金も!?)・児童手当・生活保護などの大部分を廃止して、赤ちゃんからお年寄りまで1人1人の国民すべてに現金を給付する仕組み。
1人あたり7万円を給付するといった仮の話で説明していますが、夫婦と子供の3人世帯の場合、7万円×3人なので月額21万円。
世帯年収に直すとベーシックインカム部分だけで年収250万円ほどになる。もちろん夫婦が外で働けば、その分が年収に上乗せされる。
みんなの党の渡辺喜美氏と協力して導入に向けて努力する旨を述べているのです。
(※参考1:「みんなの党・N国党合同議員総会」 5分50秒頃から)
(※参考2:「立花孝志で霞が関をぶっ壊す」 9分20秒頃から)
一方の山本太郎氏は、巷でいわれるベーシックインカムは、行政が行うべきサービスを、
「金を渡して終わりにしようとしている」
そうした危険性があると指摘しています。
国民が当然受けられるはずの国からのサービスを最大限削ろうとするための試み。
「それでは命を失う人が出てしまう」
と述べているのです。
(※参考:『山本太郎街頭記者会見』 博多駅博多口 1時間19分頃から)
いま盛んに言われるベーシックインカム論では、障害や重度の難病を持った方々には
あまりに厳しいものとなる。
「ベーシックインカム実現を探る会」の白崎一裕さんは例を挙げて警告していますが、「筋ジストロフィー」などの難病を持つ方に「呼吸器付き車椅子」は生存に必要で絶対不可欠なもの。
300万円もする高額医療機器なのですが、現行の社会保障制度では現金給付に近い形で支払われています。でも制度導入後は全てなし。
”ベーシックインカムの中で賄いなさい!”
こうなってしまうと、使えなくなってしまう。それは
「一種の殺人ではないか?」
と述べているのです。
(※参考:「みんなが知るべきお金の本当の話」 35分頃から)
社会不安が増す中、世界各地でベーシックインカムが導入されたり、実験されたり、公約になったりと、議論が活発化しています。
国民一律、無差別に毎月定額支給、そうした耳障りの良い政策なので、諸手を挙げて
“万歳!”
しそうにもなりますが、その中身についてはしっかり注視する必要があります。
今は元気で問題なくても、いつ何時どんなトラブルが自分や家族に降りかかるかは誰も分からないものだからです。
日本でも最近よく話題になっているので、今後のベーシックインカム論については関心と注意を向ける必要を感じます。
「私たちの一票」
その積み重ねがこの国の行く末が決まるのだから政治への無関心はやっぱり禁物。
議論の行方を見守っていきたいと思います。