木刀による剣道基本技稽古は平成15年に制定されました。
現在、一級審査会において基本技稽古法が取り入られていますが、
審査が終わると次回の審査まで忘れ去られてしまいます。
これは剣道基本技なのですから、面を着けても修錬されなければなりません。
実戦編 基本1 は 一本打ちの技 「正面」「小手」「胴(右胴)」「突き」です。
当然、突き以外は相手方方向に抜けて行きます。
これを連続で何本やるかは被指導者の練度によって指導者が決めます。
実戦編 基本2 は 連続技「小手→面」です。これは連続技ですから、
大きくなのか、小さくなのか、早くなのか、やはり何本やるかは指導者が決めます。
実戦編 基本3 は 払い技「払い面(表)」です。
これは掛り手が払い上げてそのまま正面を打つという動作になりますが、
その払いが不十分となるケースが見られます。まず払うという動作を充分してから、
面に移ると技の完成度が上がります。「払い技」はまだまだあります。
実戦編 基本4 は 引き技「引き胴(右胴)」です。
これは面体当たりですから、正しい体当たりも求められます。
さらに鍔迫り合いの理合いを掛り手に良く理解させねばなりません。
これは引き胴(右)ですが、引き面も引き小手もあります。
実戦編 基本5 は 抜き技「面抜き胴(右胴)」です。
普段の稽古で見受けられるのは胴を打たすとき、手を上げて胴を空け
るひとがいますが、これはお互いの稽古になりません。掛り手が大振りであったり、
体捌き不十分であれば、元立ちの「面あり!」とならなければなりません。
実戦なのですから。「抜き技」もまだまだあります。
実戦編 基本6 は すり上げ技「小手すり上げ面(裏)」です。
これもやはり払い技と同じように、まずすり上げるという
動作を充分してから、面に移ると良いとおもいます。また木刀では一歩後退して面を打ちます。
実戦では間合いにもよりますがその場ですり上げる技術を求めたいものです。
「すり上げ技」はまだまだあります。
実戦編 基本7 は 出ばな技「出ばな小手」です。
実戦指導のはじめの段階では元立ちは【面を打とうかなー】という程度にゆるい面打ちをすると、
掛り手の成功率は大変良くなります。これは面をやり過ごす方法、相手の右側に抜ける方法、
体当たりの方法とあります。有効打突としての決め方にも修錬が求められます。
「出ばな技」はまだまだあります。
実戦編 基本8 は 返し技「面返し胴(右胴)」です。
これも間合いの取り方と、体捌き、竹刀捌き(前で捌く)の修錬です。
「返し技」まだまだあります。
実戦編 基本9 は 打ち落とし技「胴(右胴)打ち落とし面」です。
打ち落としたのち引くのか抜けるのか残心の取り方がと
ても難しい技です。「打ち落とし技」もまだまだあります。
以上、「しかけ技」は37、「応じ技」は29、あります。
木刀による剣道基本技稽古は有効打突の基準を満たすための正しい打ち方を学ぶやり方としての
基本1~基本9です。日々の稽古に実戦として大いに修錬すると良いのではないかとおもいます。