着装(着こなし)でさすがと思うのは舞踊(歌舞伎 / 能 / etc.)の世界です。
立居振る舞いで着崩れることはまずありません。
さて剣道人はどうでしょう。
まず剣道着は胸元をきちっと合わせます。合わない場合は胸紐の取り付け位置
を付け替えます。
背中のふくらみは袴の脇あけから手を入れて下方向引いてさらによった皺(しわ)も
修正してください。
帯を付けます。
帯はただ巻けば良いのではありません。
腰が安定し、姿勢が良くなり、呼吸が整います。
袴は前下がり後ろ上がりが原則です。
袴の脇あけの部分が前後に吊れるようだと正しい着装とはいえません。
前紐は下腹部からやや水平に後ろに回し、臍下(下丹田を意識)にて右からきた紐を ×
にし右に、左からきた紐を左に × にして交差させ、さらにやや水平に臀部に回し蝶結び
とします。
この × の交差が、激しい所作、一日の所作でも、着崩れないものとなります。
( 男子茶道でこのような結びをする場合があります )
腰板のヘラを最初に回した前紐の間に差し込み、後ろ紐を交差した前紐に絡め通し真結び
に締めます、
その端は両脇の臀部に回した紐と剣道着の間に納めます。
刀を差したとき、二回目にやや水平に臀部で締めた前紐が鞘(さや)を支えて、いわゆる
落とし差しとならないというわけです。
腰板は腰に密着させます。これが体幹を支えるのです。
いい加減な付け方だと正座からの礼で腰板が腰から浮いてしまいます。
袴の長さは、足の踝(くるぶし)または足の甲に付くか付かないかの程度です。
昔の侍は登城する際、袴の裾(すそ)が擦れてしまうため短く付けていたそうですが、
剣道でそれをやると、お子様っぽくなってしまいます。
いつでも、どこでも、誰が見ても、美しい姿でいたいものです。
サムライなのですから!