「石器時代から新石器時代(半導体)へ」
世界は今、力が理を押しのける「ドンロー主義」の時代にある。ホルムズ海峡をめぐる緊張は、イラン、イスラエル、アメリカ、中国といった国々の思惑が複雑に絡み、国際秩序の綻びを露わにしている。だが、この混迷は単なる外交問題ではなく、私たちの文明そのものへの問いかけでもある。
古代ギリシャの哲人ヘラクレイトスは言った。「戦いは万物の父である」。対立は歴史を動かす力だが、同時に文明を壊す火種にもなる。だからこそ、私たちは“争いの火”を消すのではなく、“燃え広がらせない知恵”を持たねばならない。
日本が進むべき道は、武力の前に立つことではない。むしろ、エネルギーの分散化、地域の自立、外交の調整力といった「静かな力」を磨くことだ。ガンジーは「世界に変化を望むなら、自らがその変化となれ」と語った。国家もまた同じである。脆弱な依存構造を手放し、軽やかな文明へと歩み出すことが、最大の安全保障となる。
そして私たち一人ひとりの暮らしもまた、未来を形づくる。遠くの大国の衝突に揺れない、しなやかな生活圏。そこには、争いの影を和らげる力がある。
「石器時代に戻るべきか」という問いは、「新石器時代(半導体)」への進化だ。私たちが選ぶべきは退行ではない。壊れて戻る石器時代ではなく、自ら軽くする文明への進化である。便利さを少し手放し、関係性を深め、地域を豊かにする──その先にこそ、明るい未来が開ける。