国内の政治問題で足踏みしている状況ではない | 気になるレベルアップ情報

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国内の政治問題で足踏みしている状況ではない

 

約18%の領土をロシアに占領されたまま停戦が実現すれば、軍事力による国境変更を禁じた戦後の国際規範は崩壊する。しかもプーチン露大統領のいう「停戦」は、次なる戦争への準備期間にすぎず、真の平和が訪れる保証はない。もし日本が侵略され、四国、九州、沖縄(合計で約15%)が占領されたところで、「停戦」を促されたらどう思うか。約18%の領土をあきらめるのは、ウクライナ国民にとって耐えがたいことであろう。

 

日本では紛争当事国や国連安保理決議に違反する場合、武器輸出はできないが、2014年、「防衛装備移転三原則」が閣議決定されて、厳格な審査を条件に武器輸出が認められた。平和貢献・国際協力や日本の安全保障に資する場合などは認められた。現在、「救難」「輸送」「警戒」「監視」「掃海」の5類型のみ認める指針で運用されている。

これは日本、英国、イタリアとで共同開発する次期戦闘機の第三国輸出に関する問題にも通底している。共同開発品の直接輸出を巡っては、昨年春から自民、公明両党の実務者で慎重に検討がなされてきた。2023年7月、実務者協議で容認の方向性が打ち出されたが、11月になって突然、公明党幹部が「ちゃぶ台返し」をした。

 

アジアにおいて、中国を主役とする権威主義国連合の矛先が、台湾・日本に向けられる。北東アジアにおいて民主主義国連合対権威主義国連合の戦端が開かれ、まさに台湾有事は日本有事・日米同盟有事、そして民主主義国連合有事となるだろう。これらの連携は、民主主義対権威主義の戦いにおいてロシアを支える軍事同盟的な協力に発展しつつある。いっぽう、これら4つの敵対国に同時に直面したことは過去に一度もない」という深刻な脅威認識がある。この構図は、2027年には700発以上の核弾頭を保有すると予測されている中国との関係においても、同様のものとなるだろう。

 

中国の対中シフトの裏では、権威主義国同士の連携が進んでいる北朝鮮は100万発を超える弾薬や数十発の戦術弾道ミサイルをロシアに送り届け、その結果、ウクライナは砲撃戦において劣勢に立たされている。またイランが自爆型ドローンを大量にロシアへ供給する中、最近では破壊力が増大し高速化された最新の自爆型ドローン・シャヘド238がウクライナ軍を苦しめている。中国は、規制のない商業用ドローン市場を経由して、昨年3月から約10カ月間で約1200万ドル(18億円)以上の無人機と無人機用部品をロシアに輸出したとの報告もある。政府は2027年度を時期的目標として、安全保障関連3文書に示された抑止力を急速に強化しようとしている。

 

核抑止力や人的防衛力の強化など、極めて重要かつ短期的な解決が期待できない問題は、いまだ抜本的改革の方向性は示されていない。加えて、安保関連3文書が示した外交・防衛のみならず経済・技術・情報分野、そして地方自治体、指定公共機関などすべてにわたって有事への危機意識が共有されているとは言い難い。サイバー防衛力の強化一つをとっても、政府は法律の改正さえ及び腰である。