「なに? お前がどれ程の達人か知らぬが、少し言葉が過ぎやしないかな。怪我をする、ないなどのことは問題ではない。仕合とならば生命を落しても文句は云えぬ筈だが、その覚悟はできているか」
「仰せの通りで御座います。私はちゃんと覚悟はできております」
「よし、望み通り仕合をしてやろう。勝敗は固より予測できないが、両虎が闘えば一虎は傷つき一虎は死するという。勝つにせよ負けるにせよ、満足な身体で帰れるとは思うな。場所と日時はお前に任せよう」
 時間は翌朝五時、場所は玉御殿のうしろ金武御殿の墓地となった。

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